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2013/9/21

9/21(土)映画 『凶悪』 公開!!初日に集結した話題沸騰の異色キャスト ≪山田孝之×ピエール瀧×リリー・フランキー≫ へ届いた手紙とは?

≪山田孝之×ピエール瀧×リリー・フランキー≫ 話題沸騰の異色キャストでお届けする、今年最大の衝撃作 『凶悪』 が9/21(土)に公開初日を迎え、キャスト・監督による舞台挨拶が行われました!

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死刑囚の告発をもとに雑誌ジャーナリストが未解決殺人事件を暴き、真犯人逮捕への道筋をつけたという異例の事件。それを描いたベストセラー・ノンフィクション 「凶悪 -ある死刑囚の告発-」を原作とし、人間の深い心の闇へ切り込んだ究極のドラマとして完成したのが、映画 『凶悪』。個性溢れる役者の演技合戦、骨太で見応えある演出に公開前から話題沸騰の本作初日舞台挨拶に登壇したのは、山田孝之さん、ピエール瀧さん、リリー・フランキーさん、池脇千鶴さんと、メガホンをとった白石和彌監督。鑑賞直後のお客様の反応を肌で感じ、いったいどのような舞台挨拶になったのでしょうか?
*上映後の舞台挨拶のため、ネタバレになりそうな発言は一部省略させていただいております。ご了承ください*

― ついに初日を迎えた今のお気持ちを踏まえて、まずは一言ずつご挨拶をお願いします。

山田 皆さん、観に来てくださってありがとうございます。観終わった直後の、皆さんのこんな状態(←衝撃作なので明るくはない状態)の時に出てきてしまってすみません(笑)。

ピエール ご覧いただきまして、ありがとうございます。須藤純次役のピエール瀧でございます。心なしか皆さんの顔が 「なんだ、あいつは?!」 という感じになっていますが・・・そりゃそうですよね(笑)。もう映画は終わりましたので、ご安心ください。今日は、ありがとうございます。

リリー 初日を迎え 「やっとこの映画を皆さんに観ていただけたんだ!」 ということを、割れるような拍手とは違う、この力ない拍手で体感しています(笑)。そして、まさかこの作品がこんなに大きな映画館で公開されるとは、映画会社の方も凶悪になっていると言うか・・・(お客様に渡された「凶」「悪」の文字が書いてある)うちわもどうかと思いますが(笑)。

ピエール 皆さんも、もらってビックリしたでしょ(笑)?

リリー 夏も終わりなのにねぇ。

池脇 ありがとうございます。池脇です。今日は、『凶悪』 を映画館に観に来てくださいまして、どうもありがとうございます。よろしくお願いします。

白石監督 今日は朝早くからご覧いただき、本当にありがとうございます。いま観終わって色々な感情がご自分の中にあると思いますが、そういう感情も含めて楽しんでいただけたらと思っております。今日は、ありがとうございます。

― 『凶悪』 という作品の映画化は白石監督にとっても大きなチャレンジだったと思いますが、今日に至るまでどのような思いでいらっしゃいましたか?

白石監督 「良い形で完成したな」 と思っていますが、実際にあった事件ということで、やはり撮る前は 「ハンパな気持ちでは出来ない」 と思いました。「誰が凶悪なのか?」 というのが映画のひとつのテーマではあるのですが、どこかで 「自分自身が一番凶悪にならないと、この映画の成功はないのではないか」 という思いをもち、スタッフ・キャストの皆さんに無理を言いながら一所懸命つくりました。

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― キャストの皆さんは、ご自分の役をオファーされた時、すぐにやりたいと思われましたか?

山田 台本を読み終えて、すぐに 「やりたい」 と思いましたね。藤井は気持ちの変化がものすごくあるので 「これはやりがいがあるな。ぜひ、やりたいな」 と思いました。ピエールさん、リリーさん、池脇さんとの共演も嬉しかったですし、楽しかったです。

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ピエール 僕はご覧の通りの役ですし、しかも今も収監中の実際のモデルの人がいるんですよね。さらに遺族の方もいらっしゃいますので、役の上とはいえ間接的に関係を持つことに対して、正直 「それはどうなの?」と思うところもあり嫌でしたが、監督は非常に固い決意がありましたし、リリーさんが 「やろうよ」 と声をかけてくださったので、やるハメになりました(苦笑)。

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MC では、リリーさんが先にやるお気持ちがあったのですね?

リリー やりたい気持ちはあったのですが 「ひとりはイヤだな・・」 ということで、瀧を道連れにしました。監督が最初から 「犯人役を僕と瀧に」 とお考えになった時点で、そんなにシリアスな犯人像ではないんだろうなと思って 「じゃぁ、ふたりでブッこんだらどうなるかな?」 とやってみたのですが、意外と普段どおりの俺と瀧だったと思います(笑)。

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池脇 出番は少ないですが、台本を読んでやりがいがありそうだったので、やらせていただきました。私は、こちらのキャストの皆さんが決まっている段階でオファーいただいたので 「この映画、スゴイことになりそうだな」 と思いました。

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― どれもすごく力のあるシーンですが、精神的あるいは肉体的に辛かったシーンはありますか?

山田 全体的にキツかったです。体力的に辛いシーンは・・・思い出したら話します。

ピエール キツかったシーンは色々ありますが、外で作業するシーンで上着を脱いだんですよね。ところがあの日、極寒だったんですよ。しかも一晩中に近いくらい長いこと外で撮影しておりまして、途中で 「上着脱ぐんじゃなかったなぁ・・」 と思いました(苦笑)。

リリー しかも、そのシーンで使うものが傷まないようにキンキンに冷やしてあったしね!

ピエール そうなんですよ。こんなに冷やす必要ある?ってくらい!なーんて話をしても、この映画を観た後じゃ笑えないですよね。楽しい話をしようと思ったのですが、本当にすみませんねぇ(苦笑)。

リリー この映画、楽しいシーンがひとつもないですからね。話せば話すほど、俺らが不謹慎に思えてくるし。

ピエール あとは、僕が濡れ場をやっているところがあるのですが・・・

リリー いやぁ、あそこは色っぽかったよぉ。

ピエール (笑)。初の濡れ場だったので僕は楽しくて良かったのですが、横に子供を置いておくというのは、監督の凶悪さが出てますよね。監督に 「カット割ればよくないですか?」 と言ったら、「いや、ここに子供がいるんです」 と言われましてね。

白石監督 でも、もちろん子供からはその様は見えないようにやりました!私も一児の父親ですから、そこはちゃんと気遣いました。

リリー&ピエール いやいやいやいやいや・・・・・・・・(笑)。

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リリー 私も、全体的に辛いは辛かったですね。映画の中で “牛場さん” という役を演じたジジ・ぶぅに96度のお酒を飲ませるシーンが結構長かったのですが、中々ちゃんと喉に入っていかなくて、最終的には水を4リットルくらい飲んだと思うんですよ。

ピエール 4リットルくらい飲んでるでしょ。リハーサルから飲んでますから。

リリー で、どんどん疲弊して、おなかも膨れてくるジジ・ぶぅをみながら、監督はずっとヘラヘラしていました。でも一番凶悪だったのは、やっと夜中の2時か3時くらいにそのシーンの撮影が終わり、真冬なのに4リットルくらい水を飲まされたジジ・ぶぅに衣裳さんがすぐにコートを掛けて、「大丈夫ですか?お水飲みますか?」 って!「飲まねーよ。この人凶悪だなぁ」 と思いましたねぇ。

ピエール 紙コップを持ってきて 「大丈夫?お水飲みます?」 って、飲むわけないじゃん!って、笑い事じゃないんですけどねぇ(笑)。

リリー 何だかみんな、何を話しても半笑いみたいな(笑)。この映画を観た後に大声出して笑ったら、人格疑われますからねぇ。

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MC 池脇さんはいかがでしたか?

池脇 私は撮影を2日間しかしていないのですが、おばあちゃんと対峙しているか藤井とケンカごしになっているかでしたので、何も楽しくなかったですね(笑)。しんどかったです。

リリー そりゃそうだよね。あそこの家、辛そうだもん。

池脇 息がつまりましたね(苦笑)。でも、山田くんはすごく楽しそうでした。

山田 面会のシーンは、すごく楽しかったです!「映画っていいな。役者でよかったな。芝居ってこんなに楽しいんだ!」 と思って、あのシーンは本当にワンカット、ワンカット終わる度にひとりでニヤけていました。

池脇 ホント 「楽しいなぁ、楽しいなぁ」 と言いながら、ニヤけていましたよねぇ。

山田 僕が何か言うたびに辛そうな顔になって、言い甲斐がありました(笑)。

池脇 いじめられていたみたいでした。

リリー それプレイじゃないですか!?

山田 ですね(笑)。それから、体力的にキツかったシーンを思い出しました。雨降らしの中で骨を捜しているシーンがあるのですが、あれは体力的に辛かったです。

白石監督 寒かったですし、雨を降らせるのも大変なので雨が降ってなくても良いといえば良かったのですが、寒い中やってもらった方が藤井の居たたまれなさが出るかなと思って、我慢してやってもらいました。

MC さて、今日は初日ということで、原作の著者であり藤井のモデルとなった宮本太一さんから <記者からの手紙> ということで、皆さんへのメッセージをお預かりしております!

ピエール マジですか?!

リリー 泣いちゃうんじゃないですか。16小節のラブソング的な感じで。ちょっと古いですか?

ピエール リリーさん、もう散らかさなくてイイ(笑)!大丈夫!!

— 宮本太一さんからのお手紙 ———-

映画 『凶悪』 の公開、おめでとうございます。ここに至るまでには、想像を絶するご苦労があったものと推察されます。

さて、私をモデルにした雑誌記者の藤井役をこなされた山田さん。事件の取材にのめり込み、徐々に変貌をとげ、やがて狂気を帯びたその様は、殺気迫るものがありました。最初と最後で、とても同じ人間が演じているとは思えませんでした。山田さんの役者としての表現力、凄まじい力量に感嘆しました。

死刑囚、須藤を演じられたピエール瀧さん。全身に悪のオーラを漲らせた鬼のごとき獰猛さは、実際に私が面会室で取材を重ねた実物の死刑囚よりはるかに凶暴で、迫力があったことを保証させていただきます。

また、リリー・フランキーさんも、ふだんは凶暴性を内に隠し、物腰の柔らかい紳士として振舞う事件の首謀者 “先生” 役を見事に怪演され、得体の知れない怖さを垣間見せる絶妙な演技には、感服いたしました。最後の面会室での演技は圧巻で、思わず息をのみました。

そして、ある意味で、一番自分の取材活動を省みるよう促してくださったのが、池脇千鶴さんでした。脱力した表現の、洋子から突きつけられたあのセリフ。(一部省略)確かに自分がこの殺人事件の取材を、不謹慎にも楽しんでいたという事実を再認識させられたのです。映画を観て、もっともドキッとした瞬間でした。

そして、白石監督。その卓越した演出力、想像力には、映画には門外漢の私も何度も唸りました。私の本は原作というよりは、あくまでも参考文献であり、この映画は監督のオリジナリティに満ち溢れています。

最後になりましたが、この映画 『凶悪』 の製作に関わり、情熱を注がれたすべての方々に感謝するとともに、心よりの敬意を表します。ありがとうございました。

2013年9月21日 宮本太一
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― 宮本さんからのお手紙をうけて、山田さんいかがですか?

山田 ありがたいです。映画を作る上で、原作の本だったり漫画のような元になるものがある場合、良くも悪くも比較されることが多いですから、今回純粋に映画として楽しんでいただけたようで、良かったなと思います。

― では、最後に代表して白石監督からもう一言メッセージをお願いします。

白石監督 今は、こういう映画が中々作りづらくなっていますが、観たいお客様も、作りたい作り手もたくさんいるはずです。こういう映画がヒットしてくれれば、日本映画そのものの多様性と言いますか、色々な作品が作りやすい環境になると思います。映画界で20歳くらいの若い頃からご飯を食べさせてもらっている身として、やはり日本映画に元気を取り戻してほしいですし、どんどん映画館に来ていただける環境になっていったらいいなと思っています。『凶悪』 が面白かったと思う方は、ぜひ応援をよろしくお願いいたします。今日は、どうもありがとうございました。

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すべては、ある死刑囚の告白から始まった―。

張り詰めた緊張感が支配する、比類なき極限のドラマが幕を開ける。

死刑囚の告発をもとに、雑誌ジャーナリストが未解決の殺人事件を暴き、真犯人逮捕への道筋をつけた異例の事件を活写し、日本を驚愕させたベストセラー・ノンフィクション新潮45 編集部編『凶悪 ーある死刑囚の告発ー』が個性溢れるキャストを迎え映画化。人間誰もが内に秘める、深い心の闇へ切り込んだ究極のドラマとして完成した。
主人公は、東京拘置所でヤクザの死刑囚・須藤と面会し、取材を開始する雑誌ジャーナリスト藤井(山田孝之)。その藤井と対峙するのは、死刑判決を受けながら自らの余罪を告発する須藤(ピエール瀧)。須藤が、”先生”と呼ばれる全ての事件の首謀者・木村(リリー・フランキー)の存在を藤井に伝えることから物語がはじまる。
この重量級の人間ドラマを手かげたのは、故 若松孝二の愛弟子・白石和彌監督。張り詰めた緊張感が支配する映画 『凶悪』 は、白か黒かで割り切れない人間の複雑さを描き、手に汗握る観客の良識に激しくゆさぶりをかける!

人間はどこまで凶悪になれるのか?誰もが凶悪となりうるのか?人間の持つ正義とは?
日本を震撼させた殺人事件の真相とともに、観るものの心を衝く極限のドラマが幕を開ける!!
★2013年9月21日(土) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー★

凶悪
出演:山田孝之 ピエール瀧 池脇千鶴 リリー・フランキー
原作:新潮45編集部編『凶悪-ある死刑囚の告発-』(新潮文庫刊)
監督:白石和彌
脚本:高橋泉、白石和彌
企画協力:新潮社
配給・宣伝:日活
©2013「凶悪」製作委員会

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