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STORY
青森県むつ市。故郷に残り精一杯に生きる弟・良太と、成功を夢見て上京する兄・達也。地元で美容師をめざす達也の恋人・恵梨香。東京に進学する俊介。それぞれの道に進んだ4人は挫折を経験しながらも大人への階段を上り始める。1年後、良太は卒業式で果たせなかった歌を「のど自慢」で歌うために、みんなに連絡を取り始めるのだが…。
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井筒和幸監督の傑作『のど自慢』から生まれたもう一つの物語。青森県むつ市を舞台に熱い青春群像劇が繰り広げられる感動作である。中学卒業後、金持ちになることを夢見て上京した兄と、故郷に残り中華料理店に就職した弟。やはり地元で美容師をめざす彼女。さらに父に言われるまま東京の進学校に入った友人。新たな人生を歩み出す4人にはそれぞれの試練が待ち受けており、そこには東京と地方の格差という社会的なテーマも横たわっている。バスに乗って12時間かかる東京の現実は彼らの夢に応えてくれるのか。田舎に残る家族や恋人の切ない想い、東京で悪戦苦闘する少年たちの故郷を思う気持ち…。本作が劇場映画初監督となる金田敬は彼らの心情を真摯に、真っ直ぐに描き出す。そして数々の名シーンを彩るのが『木綿のハンカチーフ』『翼をください』『ケ・セラ・セラ』といった昭和の名曲。出演は『3年B組金八先生Part7』などで注目を集めた濱田岳を始め、冨浦智嗣、寺島咲、落合抹樹ら次代を担う生きのいい若手俳優。斉藤由貴がトラック運転手として働く母親を好演している。

商品詳細
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きっと何十年たっても色褪せない、青春映画の王道を行く作品です。

── 久々の映画出演だったわけですが。

斉藤 私にとって映画というのは特別な現場。その現場にいる空気感が特別なものというのか、映画はロケの空気感がダイレクトに見る人に伝わるような気がするんです。だから、そんな現場に自分が存在しているということがまず嬉しかったですね。

── 演じたのは中学を卒業し、美容師を目指している女の子(寺島咲)の母親。それも夫を失い、トラック運転手をして生活を支えているという役でした。

斉藤 トラック運転手というのはさすがに戸惑いもありましたね(笑)。しかも子供は思春期真っ盛り。私も三児の母親ですが、まだ小さいですから、まったく経験のない役を演じたわけです。でも、私はこう思います。子供が何人いようが、子供が何歳になろうが、親も子供と同じように試行錯誤していくしかないし、未熟であって当然じゃないかと。そうした弱さやダメさ加減を包み隠さず表現できればと思いました。

── トラックの前で、寺島咲さんと2人で話すシーンがまさにそうですね。

斉藤 「お母さんもお父さんが死んで一人で頑張ってきたけど、疲れちゃったんだよね」みたいなことを言うシーンですね。あそこは母子家庭で頑張っているお母さんのホンネが出ていると思います。それと、娘に髪を切ってもらうシーン。あれはお母さんが娘のようで、娘がお母さんのように見える、ちょっと立場が逆転した瞬間ですね。

── 撮影中に過労で倒れたそうですね。

斉藤 朝起きたらとにかく起きあがれないんです。で、そのまま病院に運ばれ、点滴をしてもらって…。ちょうど「のど自慢」の撮影日でした。撮影場所の会場には1000人近い地元の方に入ってもらっていて、どうしてもその日に撮影しなければならなかったんです。ですから、夜9時頃なんとか会場に入り、マイクの前まで車椅子で運んでもらいました。そこで、立ち上がって「木綿のハンカチーフ」を歌ったわけです。

── あのシーンは映画の見どころの一つですね。

斉藤 試写を見たとき、私がなぜキャスティングされたかがわかった気がしました。あの曲を歌う声の質や、歌うときの雰囲気など総合的な判断があって、私に演じさせようということになったんじゃないかと思います。

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クライマックスで歌う「木綿のハンカチーフ」は歌手冥利につきます。

── 「木綿のハンカチーフ」という歌には個人的な思い入れのようなものはありますか。

斉藤 「木綿のハンカチーフ」の作詞は私のデビュー曲の「卒業」と同じ松本隆さん。それだけに不思議な縁を感じるし、感慨はありました。それに、あの曲を歌った太田裕美さんは素晴らしい歌唱力の持ち主です。ですから、彼女の歌の雰囲気を壊さないようにという気持ちはありました。ただ、一方で映画の中では、私の役は歌については素人です。そういうことも考えて、普通にきれいに歌ったパターンや、ちょっと緊張して音程を外したパターンなどいくつかのパターンを撮りました。最終的には監督がそれをうまく組み合わせて使ってくれたようです。

── 斉藤さんの歌う「木綿のハンカチーフ」はこの映画のクライマックスに重なり、まさに映画全体のテーマを代弁しています。

斉藤 そうですね。上京した主人公の男の子がボコボコにされ、田舎に帰ることを思い立ち、恋人に想いを寄せる場面で流れるのが「木綿のハンカチーフ」……。とても感動的な場面ですし、あそこで、この映画の意味を受け止める方も多いだろうと思います。私の歌で少しでもそれを盛り上げることができたのなら、歌手冥利につきますね。

── この映画の主人公の4人の少年少女、そしてそれを演じた若い役者たちをどう思われましたか。

斉藤 私も若い頃はこうだったのかなあと思いましたね。それと、お芝居というのは必ずしも年をとれば良くなるというものではないんですが、若いがゆえの未熟さってあるじゃないですか。それをカバーして余りある、あの年代だけがもつ輝きがあると思いました。役者にも、映画の中の役柄に対してもそれを強く感じました。

── 映画を見てどんな感想を抱かれましたか。

斉藤 ひと言でいうと、サイダーのような映画。冷えた、おいしいサイダーをグラスに注ぐと、きれいな泡がシュワシュワと上がっていって、すぐに消えてしまうじゃないですか。あんな感じで、キラキラした泡が消えていくような切ない一瞬……その一瞬を鮮やかにとらえた青春映画だと思いました。

── どんな人にこの作品を見てほしいですか。

斉藤 今、青春真っ只中の人、青春時代は過ぎたけど、その頃の自分の心の原点みたいなものを思い出したい人は絶対に見てほしいですね。緑魔子さんと団時朗さんが織りなす熱くて深い恋模様もあります。私くらいの世代の人も楽しめます。でも、やっぱり若い人に見てほしいかなあ…。取り上げている題材も物語の描き方もオーソドックスだし、古いと言うべきかもしれません。けれど、新しくつくろうとしてないがゆえに、きっと何十年たっても色褪せない作品だと思います。青春映画の王道を行く作品ですから。

PROFILE
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斉藤由貴(さいとう ゆき)

85年、『卒業』で歌手デビューすると同時にドラマ『スケバン刑事』、連続テレビ小説『はね駒』などで人気を博し、以後、映画、舞台、詩作、小説などさまざまなフィールドで活躍。出演映画に『雪の断章〜情熱〜』『恋する女たち』『おいしい結婚』『あ、春』他。1966年生まれ。