ライ・クーダーが声をかけ、ヴィム・ヴェンダースが紡いだ感動の映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』から6年。これはその続編ともいうべきミュージック・ドキュメンタリーである。キューバ音楽の伝統と現代化の波のなかで生きる若い世代のミュージシャンの姿が描かれるのだが、そのアイデアは『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』撮影時に多くのミュージシャンと交流をもったヴェンダースのものだ。監督はヴェンダースの愛弟子であり、ドキュメンタリー作家として活躍するヘルマン・クラル。ドラマの主人公、そして現代キューバ音楽の案内役としての役割を演じるのは、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』で世界にその名を馳せ、本作の日本公開を前に他界した歌手ピオ・レイバ。彼がたまたま乗ったタクシーでの会話がことの発端だ。タクシーの運転手がレイバに若い世代のミュージシャンとバンドをつくることを提案したことから長い物語は始まる。その楽天的な展開がいかにもラテン音楽のノリだ。
最初はバンド創設にそれほど興味がなかったレイバだが、実力派女性シンガーのオスダルビアの歌声を聴いてからは態度が一変する。運転手が彼に紹介するのはいずれもキューバ音楽の新しい才能だ。たとえば歌手のマリオ・リベーラのバンド“ロス・バン・バン”はその圧倒的な表現力からキューバのローリング・ストーンズとも呼ばれる。レイバと若いミュージシャンの邂逅は伝統と現代が混じり合っていく時間でもある。若い世代はレイバたちの音楽を自分たちのルーツ・ミュージックとして敬意を払い、レイバも新しい音楽スタイルを柔軟に受け入れていく。彼らの音楽の躍動感と高揚感! カメラは若いミュージシャンの日常にも迫り、音楽への思いや夢がインタビュー形式で綴られる。経済的に恵まれているわけではないが、音楽に賭ける情熱が眩しい。クライマックスは海外公演。舞台は東京だ。激しいリズムと見事な歌唱力が心を揺さぶり、存分に酔いしれさせてくれる。
ボンゴ奏者として音楽活動を開始し、1950年代に活動拠点としたハバナで人気の絶頂期を迎える。多くのソロ・アルバムを録音し、多くの楽曲を作曲。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』でその名を世界に知られて以来、各国をツアー。昨年3月、88歳でこの世を去る。
キューバのヒップホップ・シーンの先駆者として君臨する唯一無二の女性ラッパー。
卓越したヴォーカル・テクニックだけでなく、作曲や女優としてもその名を馳せる女性シンガー。
アフロ・キューバン・オールスターズの中心人物として活躍する人気シンガー。
NG・ラ・バンダやアフロ・キューバン・オールスターズ、そして自身のバンド、ティルソ・ドゥアルテ・イ・ラ・ソノリダなどで活躍する人気シンガー。
“キューバのローリング・ストーンズ”と呼ばれる人気バンド、ロス・バン・バンでも活躍する若きシンガー。
ルンバにおいてその類稀なる才能を発揮する実力派シンガー&ドラマー。
アンナライスとアルレニスの姉妹デュオ。
この映画出演をきっかけにデビューを果たす。

