2005年 カナダ・とろんと国際映画祭 観客賞受賞
2005年 アメリカ・AFIロサンゼルス国際映画祭 観客賞受賞
2005年 アメリカ・デンバー国際映画祭 観客賞受賞
2005年 アメリカ・セントルイス国際映画祭 観客賞受賞
2005年 南アフリカ・シテンギ映画祭 批評家賞受賞
2005年 ギリシャ・テサロニキ国際映画祭 ギリシャ議会人権価値賞受賞
2006年 アメリカ・サンタバーバラ国際映画祭 観客賞受賞
2006年 アメリカ・ゴールデングローブ賞 外国語映画賞ノミネート
2006年 イギリスBAFTA カール・フォアマン賞&外国語映画賞ノミネート
2006年 アメリカ・パンアフリカ映画・芸術祭 批評家賞受賞
それに伴い社会犯罪は激化し、エイズ孤児の問題も暗い影を落としている。豪邸に暮らす黒人がいる傍らには、水道や電気が通っていないボロボロの家を住処とする黒人がいる。奪う側も黒人ならば、奪われる側も黒人だ。かつて黒人が簡単に出入りできなかったダウンタウンは、今や「世界で一番危険な街」、とさえ呼ばれている。『ツォツィ』は、アパルトヘイト後の知られざる南アフリカの“いま"を、鋭くリアルに切り取った初めての映画だ。
2006年、アフリカ映画初のアカデミー賞外国語映画賞受賞の快挙を成し遂げた『ツォツィ』。
元南アフリカ大統領のネルソン・マンデラ氏は、ギャヴィン・フッド監督と出演者たちに対面した際、「自分もかつてはツォツィたった。南アフリカを世界に知らしめたのはこの作品だ」と彼らを讃えた。
原作は南アフリカを代表する劇作家、アソル・フガード。差別する側の「白人」でありながら、反アパルトヘイト運動に身を投じていた彼は、アパルトヘイトをテーマにした戯曲を数多く書き、黒人たちと舞台を共にすることにようて、国の抱える問題を広く世界に知らしめた。
また南アフリカを席巻している、夕ウンシップから生まれだ南アフリカ流ヒップ・ホップ「クワイト」がヅォツィの魂に息吹を与えている点も必聴だ。加えて南アフリカにおけるクワイトの“スーパー"スターでもあるZolaが出演。全面的に楽曲提供をしているだけでなく、彼の音楽がこの作品のスタイルを決める上でインスピレーションとなった。
原作は南アフリカを代表する劇作家、アソル・フガード。差別する側の「白人」でありながら、反アパルトヘイト運動に身を投じていた彼は、アパルトヘイトをテーマにした戯曲を数多く書き、黒人たちと舞台を共にすることにようて、国の抱える問題を広く世界に知らしめた。
また南アフリカを席巻している、夕ウンシップから生まれだ南アフリカ流ヒップ・ホップ「クワイト」がヅォツィの魂に息吹を与えている点も必聴だ。加えて南アフリカにおけるクワイトの“スーパー"スターでもあるZolaが出演。全面的に楽曲提供をしているだけでなく、彼の音楽がこの作品のスタイルを決める上でインスピレーションとなった。
プレスリー・チェエニヤハエ
エイズで寝たきりの母と冷酷で暴力的な父親のもとを、ある出来事をきっかけに飛び出し、スラム街の外れにある土管を住処として育つ。アープ、ボストン、 ブッチャーを従えた小さなギャング組織のリーダー。邪魔な人間には平気で暴力を振るい、仲間が自分に逆らうことを許さない。
テリー・ペート
魅力的な若いシングルマザー。仕事から帰宅途中だった夫を最近殺されたばかり。悲しみにくれながらも、誇りを失わず、息子との生活を支えるために裁縫業を営んでいる。
モツスィ・マッハーノ
幼いころからの、ツォツィの手下。体が大きく力持ちだが、頭は弱い。ツォツィの命令には喜んで従う。
モツスィ・マッハーノ
ツォツィの仲間内で、一番頭が良い。自己嫌悪にさいなまれており、暴力を嫌う。酒が入ると発言に子トロールが効かなくなるタイプで、自分より劣っていると思う相手に対して、馬鹿にしたような話し方をする。
ゼンゾ・ンゴーベ
ツォツィの仲間内で、もっとも残忍で、他人に苦痛を与えることを楽しんでいる。
ZOLA
カージャック組織のリーダー。世渡りが巧く、仲間を引きつける才に長ける。
ジェリー・モフォケン
炭坑で働いていた時に事故で足を失い、怒りと痛みを抱いている。駅で物乞いをしているが、憐れみを示す相手には遠慮なく噛み付く。
ー 自分自身をスクリーンで観た時、あまりにも残酷に見えて驚いた、というのは本当?
プレスリー・チュエ二ヤハエ(以下PC) はい、本当です。「僕ならそんなことができるだろうか?」と自分自身に問いかける感じでした(笑)
ー 劇中のツォツィはかなり危険な奴だったね。
PC かなり残酷な奴ですね。でも、彼みたいな人間がいる環境で育ってきたから、感情移入するのは簡単でした。そういう人たちを“つぎはぎ"したような役柄だったので(笑)
ー 殺人が日常的におこなわれるような環境で育ったの?
PC そうです。大変でした。昼間から誰かに刺されてしまうということが多々ありましたから。
ー いままで誰かに襲われたりしたことはある?
PC 強盗にあったことがあります。
ー アパルトヘイトはほとんど体験していないみたいだけれども、当時体験した人たちの話には興味がある?
PC もちろんあります。アパルトヘイトに関する本は読んでいたから、どういったものかは割と知っていましたが、本当に理解しているわけではないので、体験している人からはおかしな目で見られることがあります。例えば誰かに「kafa」って言われても、「だから何?」って思います。
※Kafa/カファーとは、アパルトヘイトにおける南アフリカの黒人に対する差別用語
ー 今回このプロジェクトのどこに惹かれたの?
PC 「血の絆」などアソル・フガードの作品は読んだことがあったので、はじめから興味がありました。『ツォツィ』の台本を読んで「自分の中にはこの台本のような要素があるから、きっとこの役を演じられる」と思いました。それから、舞台の経験は沢山あったのですが、映画が好きでよく見ていたこともあって、映画に対する情熱がとても高かったんです。ギャヴィンと初めて会った時、仕事に対して情熱を持っているのがすごくよくわかったんです。そういう監督に巡りあえたらあとは何もいらないですよね。彼と会う時に、すでにあるシーンの準備をして行ったから、会ったその日のわずかな時間でも俳優たちに何を望んでいるかがわかりました。そして、そのあとオーディションを受けることになりました。
ー アソル・フガード作品には元々馴染みがあったの?
PC 学校を退学になる前、彼の作品はたくさん読みました。在学中、仕事のために3ヶ月間休んだら、出席日数が足りなくなって退学処分になったんです。彼の作品では戯曲も読んでいたし、舞台も観ました。それに、子どもの頃からアソル・フガードが素晴らしい劇作家であることをいつも耳にしていたんです。だから彼の作品に出演できるのはとても光栄でした。
ー ツォツィが変わっていくシーンについてはどうだった?舞台の経験があったから自然と役をこなすことができたのかな?
PC それはギャヴィンの演出がよかったからですね。撮影中は即興で演じていくことも沢山ありましたし、自分に入り込んでいくように努力しました。そもそも役柄についてあれこれと考えたりしたわけではないんです。意識してキャラクターを変えようとしたりはしませんでした。僕はただ描かれた道を歩いていっただけなんです。主人公が歩いて行った道のりを。僕はその道をただ辿っていきました。ストーリーを考えながら演じたわけではないんです。
ー南アフリカの音楽、特に劇中の音楽は君にとってどういう意味を持つの?そういった音楽を撮影中も聴いていた?
PC この映画に出演する前から、沢山の音楽を聴いていました。僕はあらゆるジャンルの音楽を聴きます。それこそボブ・ディランのようなアーティストも。役作りをしている時、音楽がインスピレーションになることもあるので、音楽を聴きながらノリノリで台詞を覚えたりもしました。南アフリカの音楽はタウンシップ(黒人居住区)から出てきた音楽だから、僕たちの映画には不可欠でした。とてもエネルギーがあるんです。この映画にとってすごく効果的だったと思いますよ。
ーみんなにお勧めしたい曲は?
PC オープニングの“Md!wembe"ですね。タウンシップの感じがとてもよく出ています。