忽那 最初にお話をいただいたときは、単純に「うれしい」と思いましたが、まだお芝居の経験が少なかったこともあって不安もありました。女子大生という実年齢より上の役も初めて。人付き合いがちょっと苦手で人見知りのキャラクターは、私と似た部分があるのですが、片時も携帯電話を手放せない今どきの女子大生という設定には、少し戸惑う場面もありました。撮影に入る前に演出家(後藤庸介、北川学)の方から、人見知りの女子大生つぐみと、ネット仲間とやりとりする探偵つぐみの二面性を強調しようと言われ、その演じ分けを考えながら撮影に入りました。
忽那 たぶん違うと思います。携帯電話の操作がそのいい例です。つぐみは画面を見ずにメールを日本一早く打てるという設定ですが、実際の私は打つのが遅いんです。撮影中に何度も「もっと早く手を動かして」と言われて、早打ちの練習をしましたけど、うまくいかないときは、携帯電話の操作シーンを早送りで見せたこともあったんです(笑)。もともとメールはあまりしないタイプだったのですが他の現場に行ったときに、タコのストラップ付き携帯電話を持っていないと、気分が落ち着かないこともありました。
忽那 セリフはひたすら台本を読み込んで覚えるようにしています。ある程度セリフが自分のものになると、授業中でも通学中の道を歩いているときでもセリフが頭の中を駆け巡って、他のことを考えられないほど作品にのめり込んじゃうみたいです。苦労したセリフは事件の謎解き、筋道立てて推理していくシーンですね。事件の真相をわりやすく説明しようと、自分の中で考え過ぎてしまうとセリフがうまく出てこないので、あえて説明口調にならないように心がけました。
忽那 六角さんからは、いろいろとお芝居のことを教えていただきました。第2話で六角さんにセリフを勢いよくぶつけるシーンがあったんですけど、私は気持ちだけが焦って、なかなかセリフがついてこないときに「まずセリフを1回勢いよく言ってしまえば、スムーズに行くものだよ。あとは僕がリードするから」とアドバイスをいただき、本当にうれしかったです。その後も毎回のように助言をくださって、ものすごく勉強になりました。
忽那 面白いエピソードといえば、新米刑事役の田中幸太郎さん。こんなことを言うと田中さんに怒られるかもしれませんけど、とにかく何にでも興味がある少年のような方で、あるとき手錠で遊んでいたら自分の手にかけてしまって。それまではオモチャの手錠だったのですが、途中から本物を使用していて、これは鍵がないとなかなか外れないんです。そういうときに限って鍵が見つからず、結局、ポケットに手を入れて手錠を隠して本番を収録することになりました。あとで鍵は美術スタッフさんが首にぶら下げていたことがわかって、みんなで爆笑したことを思い出します。
忽那 今までは学生役が多かったので、何かの職業を持っている役に挑戦したいですね。役に入る前にその職業を体験して役作りをする、そんな経験をしてみたいと思っています。目標というか憧れの女優さんは蒼井優さん。私はオーストラリア育ちですから、日本への憧れが人一倍強いようです。日本の古風で奥ゆかしい面が大好きで、蒼井さんの演技を見ていると日本人の美を感じます。
忽那 初主演という大役をいただき、とてもうれしい気持ちで撮影にのぞみました。10話の連続ドラマを15日間という短期間で撮影しましたが、スタッフの方によると、普通ではありえないスケジュールだそうです。少数精鋭のスタッフのみなさんが朝から晩までがんばり、制作者と出演者全員が一丸となって、素晴らしいドラマを作りました。これはチームワークの賜物だと感じました。ぜひ、DVD『7万人探偵ニトベ』をご覧ください。



