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ゾンビランド

ゾンビランド化した地球

ある日突然、新型ウィルスの爆発的流行により、人類の大半が人喰いゾンビと化し、地球上がゾンビだらけの"ゾンビランド"となってしまった世界。臆病で胃腸が弱く、引きこもりの青年コロンバスは、"ゾンビの世界で生き残るための32のルール"を作り、それを慎重に実践して生き延びてきた。彼は、屈強な腕力と抜群の射撃テクニックでゾンビ地獄を生き抜いてきたワイルドな男タラハシーと出会い、行動をともにする。さらに、したたかな処世術を身に付けた詐欺師の美しい姉妹ウィチタとリトルロックも仲間に加わり、悪夢のようなサバイバルの旅は続く。だが、それまで他人とまともに接したことのなかったコロンバスにとって、それははじめて生きている事を実感し、友情や恋を体験することができた、かつてなく楽しい冒険の日々でもあった。やがて、4人はゾンビのいない天国があるという噂を信じ、ロサンゼルス郊外の遊園地"パシフィックランド"を目指すのだが・・・。

痛快エンタテインメント巨編

血肉飛び散る衝撃のホラー、スリリングな戦慄のサスペンス、興奮のバトルが連続する怒涛のアクション・ロードムービーにして、主人公の成長を描いた爽快な青春ラブストーリー、そして、随所にナンセンスなギャグとマニアックな映画ネタ・パロディを散りばめた爆笑のコメディと、これは、ただのゾンビ映画ではなく、娯楽映画の要素をすべて盛り込んだ痛快なアドベンチャー・エンタテインメント・ライドである。

個性的なキャスト陣

出演は、気弱な青年コロンバスに『イカとクジラ』『ソーシャル・ネットワーク』(2011年1月15日公開)の若手演技派ジェシー・アイゼンバーグ、屈強なヒーロー、タラハシーに『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『2012』、そして本年度第82回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた名優ウディ・ハレルソン、欺師姉妹の姉ウィチタに『スーパーバッド 童貞ウォーズ』で注目を集め、『スパイダーマン』新シリーズでヒロインに大抜擢された新星エマ・ストーン、妹リトルロックに『リトル・ミス・サンシャイン』『私の中のあなた』で世界中の涙をしぼったハリウッド・ナンバーワン子役アビゲイル・ブレスリン、ゾンビと化してコロンバスを襲う隣人406号に『スモーキング・ハイ』『ステップファーザー 殺人鬼の棲む家』のセクシー女優アンバー・ハードといった個性豊な俳優たちが顔を揃え、さらに、主人公一行がビバリーヒルズで立ち寄るスーパースターの豪邸の住人を『ゴーストバスターズ』『ブロークン・フラワーズ』のビル・マーレイが本人役でサプライズ出演するなど、笑激の見せ場を披露するのも見逃せない。

新旧才能溢れるスタッフが集結

監督はMTVネットワークの人気リアリティ番組「ROB&BIG」「FANTASY FACTORY」の製作と脚本を手掛けて一躍注目された新進映像作家で、これが初の劇場用長編となるルーベン・フライシャー。脚本と製作総指揮を手掛けるレット・リースとポール・ワーニックも、TVのリアリティ番組出身の新鋭コンビで、本作での成功により、ウィル・スミス主演のSF超大作『EARTH VS. MOON』や『G.I.ジョー』の続編、『スパイダーマン』シリーズのスピンオフ作品『VENOM』、 そしてもちろん本作の続編など、メジャーの大型プロジェクトを次々と手掛ける超売れっ子となっている。また、製作は『パニック・ルーム』のギャヴィン・ポローンが担当。撮影を『クローバーフィールド/HAKAISHA』のマイケル・ボンヴィレイン、プロダクション・デザイナーを『守護神』のメイハー・アーマッド、編集には『ヘルボーイ』のピーター・アムンドソンと『2番目のキス』のアラン・ボームガーテン、衣装デザインは『アルマゲドン』のマガリー・ギダッシ、音楽を『ラスベガスをぶっつぶせ』の デヴィッド・サーディ、そして特殊メイク・デザイナーに『ヘアスプレー』のトニー・ガードナー、スタント・ コーディネーターを『シャッター・アイランド』のジョージ・アギラーと、ハリウッドの超一流スタッフが結集し、最高の職人技を披露している。 なお、本作は09年10月、ファンタスティック系映画祭の老舗、スペインのシッチェス・カタロニア国際映画祭において観客賞を受賞した。

ある日突然、それは起こった。謎の新型ウィルスに感染した者がゾンビと化し、生きた人間を次々と襲ってその肉を喰らい始めたのだ。そのウィルスはパンデミック(爆発感染)を引き起こし、猛烈な勢いで全世界へと広まっていった。それから数ヶ月、地球上は人喰いゾンビで埋め尽くされ、人類はほぼ絶滅状態となった。アメリカに住む人間の大半もこのウィルスに感染し、アメリカはいまやまさに"ゾンビ合衆国(ランド)"となっていた。

大学生だったコロンバス(ジェシー・アイゼンバーグ)はテキサス州ガーランドでも数少ない生き残りの1人だった。臆病で胃腸が弱く、引きこもりで友達もいないネットゲームおたくで、当然童貞の彼は、"ゾンビの世界で生き残るための32のルール"を作り、それを慎重に実践して生き延びてきた。彼は両親の住むコロンバス州オハイオへと向かう旅の途中、屈強な腕力と抜群の射撃テクニックでゾンビ地獄を生き延びてきたワイルドな男タラハシー(ウディ・ハレルソン)と出会い、彼の車に同乗させてもらう。タラハシーは過去の辛い経験からゾンビを心底憎み、ゾンビを退治することを楽しんでいた。だが、同時に彼はそれ以上に、通りがかりのスーパーや雑貨店で大好物のスポンジケーキ"トゥインキー" を見つけだすことに命をかけていた。
2人は廃墟と化した大型スーパーで、迫りくるゾンビ軍団を倒しながら"トゥインキー"を探す中、ウィチタ(エマ・ストーン)とリトルロック(アビゲイル・ブレスリン)という姉妹と出会う。プロの詐欺師だった彼女たちは、妹のリトルロックがゾンビに噛まれたと偽って、一度はコロンバスとタラハシーの武器と車を奪い逃亡するが、やがて安全のためにお互いの必要性を感じ、行動を共にすることになる。

コロンバスは、ウィチタからオハイオがすでに壊滅状態であることを知らされ、実家に戻ることをあきらめ、3人と旅を続ける。4人の目的地はロサンゼルス郊外にある遊園地"パシフィックランド"。そこは「ゾンビとは無縁の天国がある」と噂されており、彼らはその噂にかすかな望みをかけたのだった。途中、彼らはビバリーヒルズの高級住宅街にあるハリウッド・スターの豪邸を物色し、ビル・マーレイの家でいままでの悪夢が嘘のような楽しい数日を過ごした。4人の友好関係は深まり、特にコロンバスのウィチタへの想いは強くなるが、ウィチタとリトルロックはある朝、男たちを残して"パシフィックランド"へ向かうのだった。

"パシフィックランド"に辿りついたウィチタとリトルロックは、貸し切り状態の夜の遊園地を思う存分楽しむ。だが、その美しい照明に釣られ、付近にうごめく無数のゾンビたちがその遊園地に集結してきた。飢えたゾンビたちに取り囲まれ、絶体絶命のウィチタとリトルロック。その危機を救うべく、コロンバスとタラハシーも完全武装で"パシフィックランド"に駆け付けた。果たして彼らの運命は? 彼らはこの地獄を生き抜くことが出来るのだろうか!?

1961年7月23日アメリカ・テキサス州ミッドランド生まれ。ハノーヴァー大学卒業後にニューヨークへ行き、ニール・サイモンの舞台などに出演。NBCの長寿コメディ「Cheers」(85-93) に出演して全米の人気を獲得し、エミー賞に5度もノミネートされ、89年には同賞助演男優賞を受賞する。92年から本格的に映画界へ進出し、94年、オリバー・ストーン監督の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』の主演で注目される。そして『ラリー・フリント』(96)ではゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、『The Messenger』(09/未)で再びアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。舞台においては99年「Furthest from the Sun」 で演出を手がけている。最新作は『Bunraku』(10/未)『The Other Side』(10/未)が待機中である。

主な出演作品:『ハード・プレイ』(92)『幸福の条件』(93)『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(94)『キングピン/ストライクへの道』(96)『ラリー・フリント』(96)『ウェルカム・トゥ・サラエボ』(97)『ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ』(97)『ハイロー・カントリー』(98)『シン・レッド・ライン』(98)『エドtv』(99)『マイ スウィートガイズ』(99)『ダイアモンド・イン・パラダイス』(04)『スタンドアップ』(05)『スキャナー・ダークリー』(06)『今宵、フィッツジェラルド劇場で』(06)『ノーカントリー』(07)『バトル・イン・シアトル』(07)『7つの贈り物』(08)『暴走特急 シベリアン・エクスプレス』(08)『俺たちダンクシューター』(08)『2012』(09)

1983年10月5日アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。99年TVシリーズ「Get Real」で俳優デビューを飾る。ディラン・キッド監督の『Roger Dodger』(02/未)で注目され、サンディエゴ映画祭で新人賞に輝く。マイケル・ホフマン監督の『卒業の朝』(02)、M・ナイト・シャマラン監督の『ヴィレッジ』(04)と、立て続けに話題作に出演し、『イカとクジラ』(05)ではインディペンデント・スピリット賞の助演男優賞と、クリティックス・チョイス賞の新人賞にノミネートされた。また舞台でも活躍し、アトランティック・シアター・カンパニーの「Scarcity」に出演したほか、「Orphans」ではアル・パチーノと共演した。最新作は、ハシド派ユダヤ人のエクスタシーの売人に関する実話『Holy Rollers』(10/未)、そして2011年アカデミー賞最有力と目される『ソーシャル・ネットワーク』(2011年11月15日公開)では主演をつとめている。

主な出演作品:『卒業の朝』(02)『ヴィレッジ』(04)『イカとクジラ』『ウェス・クレイヴン's カースド』(05)、『ハンティング・パーティ』(07)『アドベンチャーランドへようこそ』(09)

1988年11月6日アメリカ・アリゾナ州スコッツデール生まれ。フェニックスの高校に進むが、ゴルフ場を経営する両親の応援もあり、15歳でハリウッドへ行くまでの間、フェニックスのバレーユース・シアターで11歳から、演技を磨いた。ハリウッドへ移ってからはオーディションを受け、テレビでは、20世紀フォックスの「Drive」、VH1のシリーズ番組「In Search of the Partridge Family」に出演したほか、 「Malcolm in the Middle」、「Medium」、「Lucky Louie」、「The Suite Life of Zach and Cody」などのシリーズ番組にゲスト出演した。映画初出演はジャッド・アパトウ製作のコメディ『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(07)で、その後もコメディ作品を中心に出演している。最新作は、全米6週連続トップ10入りの『Easy A』(10/未)、声の出演の『Murmaduke』(10/未)がある。また、新作『スパイダーマン リブート(原題)』のヒロイン、グウェン・ステイシー役に決定、今後大注目の女優である。

主な出演作品:『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(07)『ROCKER 40歳のロック★デビュー』(08)『キューティ・バニー』(08)『Ghosts of Girlfriends Past』(09/未)

1996年4月14日アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。わずか3歳の時にコマーシャル出演してキャリアを積み、5歳の時にM・ナイト・シャマラン監督の『サイン』(02)でメル・ギブソンの娘役を演じて大きな注目を浴びる。そしてサンダンス映画祭でセンセーションを巻き起こして高い評価を得た『リトル・ミス・サンシャイン』(06)での好演で、放送映画批評家協会賞若手女優賞、東京国際映画祭女優賞を受賞。第79回アカデミー賞助演女優賞、SAG、BAFTA各賞の助演女優賞にノミネートされた。その後、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演『幸せのレシピ』(07)、ジョディ・フォスター主演『幸せの1ページ』(08)、キャメロン・ディアス主演『私の中のあなた』(09)と人気女優との共演が続いている。08年にはショー・ウエストでフィーメイル・スター・オブ・トゥモロー賞を受賞した。そのほかTVでは、「LAW&ORDER:性犯罪特捜班」(04)、「NCIS~ネイビー犯罪捜査班」(04)、「グレイズ・アナトミー 恋の解剖学」(06)、「ゴースト~天国からのささやき」(06)にゲスト出演している。最新作には『Dear Eleanor』(10/未)、『Quantum Quest: A Cassini Space Odyssey』(10/未)、『Janie Jones』(10/未)が待機している。

主な出演作品:『サイン』(02)『プリティ・へレン』(04)『ウォルト・ディズニーのサンタ・クローズ3/クリスマス大決戦!』(06)『リトル・ミス・サンシャイン』(06)『幸せのレシピ』(07)『ラブ・ダイアリーズ』(08)『幸せの1ページ』(08)『キット・キトレッジ アメリカン・ガール・ミステリー』(08)『私の中のあなた』(09)

1950年9月21日アメリカ・イリノイ州シカゴ生まれ。コロラド州デンバーのレジス大学に入学するものの、途中退学し、兄に勧められて即興劇団に参加。その後、NBCテレビの人気バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」の裏方として活躍するが、番組にも出演(1977〜80)してたちまち人気者となる。その後、コメディ映画の主演として「パラダイス・アーミー」(81)でヒットを飛ばし、『ゴーストバスターズ』(84)の大ヒットで、日本でも有名となる。そして『天才マックスの世界』(98)で全米批評家協会賞、ニューヨーク批評家協会賞、ロサンゼルス批評家協会賞、インディペンデント・スピリット賞の助 演男優賞を受賞し、ゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)主演 男優賞ほか、多くの賞でノミネートされている。また90年『クイック・チェンジ』で製作・監督業にも進出。最新作は久々の続編となる『ゴーストバスターズ3』(11)が予定されている。

主な出演作品:『ミートボール』(79)『ポールズ・ボールズ』(80)『パラダイス・アーミー』(81)『トッツィー』(82)『ゴーストバスターズ』(84)『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(86)『3人のゴースト』(88)『ゴーストバスターズ2』(89)『クイック・チェンジ』(90)『おむつて・ん・て・ん・クリニック』(91)『恋はデジャブ』(96)『恋に落ちたら』(93)『エド・ウッド』(94)『キングピン/ストライクへの道』(96)『ワイルドシング』(98)『天才マックスの世界』(98)『ハムレット』(00)『チャーリーズ・エンジェル』(00)『ザ・ロイヤル・テネンバウムス』(01)『ロスト・イン・トランスレーション』(03)『コーヒー&シガレッツ』(03)『ブロークン・フラワーズ』(05)『ダージリン急行』(07)『ゲットスマート』(08)『リミッツ・オブ・コントロール』(09)

ワシントンDCで生まれ育ち、ミゲル・アルテタ監督の『チャック&バック』(00)と『グッド・ガール』(02)でアシスタントを務めたときに初めて、映画監督という仕事に興味を持つ。その後仕事を辞めた彼は、2年間、低予算のミュージックビデオや短編映画やさまざまな試作品を作って過ごした。その結果、破産してしまうが、彼のビデオ作品を見る人々が増えたおかげで、制作会社と契約を結び、コマーシャルや高予算のミュージックビデオの監督を務められるようになった。

ガムボール・ラリーに関するドキュメンタリー作品『Six Days In May 』(05/未)(現代版『キャノンボール』)を作ったとき、ルーベンはロブ&ビッグ・ブラックと知り合い、彼らと共にMTVでリアリティ番組「Rob & Big」(06)を企画開発、製作した。この人気シリーズは3シーズン後に放映終了したが、すぐにロブのビジネスベンチャーを描く「Dyrdek's Fantasy Factory」(09)という番組が始まった。 そして『ゾンビランド』(09)で本格的な商業映画で監督デビューを飾る。本作の大ヒットで『ゾンビランド2』の3D作品化が企画されているが、最新作として『30 Minutes or Less』が発表された。

監督のルーベン・フライシャーはこう言う。「『ゾンビランド』は、ゾンビが出てくる『ミッドナイト・ラン』(ロバート・デ・ニーロ主演のアクション・コメディ)だと最初から思っていた。『ミッドナイト・ラン』と同様に、コメディあり、ロードムービーあり、もちろんホラーの要素もあるがロマンスもある。複数のジャンルにまたがる様々な面があることにワクワクしたよ。僕はそれをしっかりとした作品にすることを目標にして、ちょうどいいトーンの作品にすることだったんだ。」

第80回アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた『ノーカントリー』に出演したウディ・ハレルソンが次に選んだ仕事が『ゾンビランド』だった。彼は脚本を読んで感銘を受けたと言う。「作品のトーンは、ゾンビたちが迫ってくる危機感と、コメディとの境界線にある微妙な線なんだ。相応のリアリティを保たないと茶番になってしまう、それがチャレンジとなるんだ。(演じる)タラハシーがすべてを失った男だということが気に入った。失う物はないから、ゾンビに対するときも怖いもの知らずなんだ。ルーベンとの素晴らしいミーティングの後、是非この作品に参加したいと思ったんだ。」
ハレルソンが演じるタラハシーは、しぶとく生き、さらにしぶとく殺す男である。彼の望みは地球上に残っているトゥインキー(アメリカで有名なお菓子)を手に入れること。その邪魔をするゾンビはすべて殺すつもりだ。「この脚本を読んだとき、最初に思い浮かべたのがウディ・ハレルソンだった。タラハシーは、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』でウディを演じたキャラクターを彷彿とさせる要素を持っていた。それにユーモアが加わっているんだ。」と、フライシャー監督は言う。「キャスティングを始めた当時、我々はすでに『ノーカントリー』を見ていた。ウディはスクリーンから飛び出してくるようだった。

"最初から我々の第一候補は彼しかいなかった」と、製作のギャヴィン・ポローンは語る。

引きこもりの大学生・コロンバス役についても、フライシャーの頭には最初から一人の俳優がいたと言う。「何人もの若手俳優を検討したけれど、常に僕のリストの一番上にいたのはジェシー・アイゼンバーグだった。『Roger Dodger』での彼は最高だったし、実際に会ってみたら、天性のユーモアと感性を持った青年だった。天然の可笑しさがあるし、彼のボディランゲージを見ていると世界一の臆病者に見えてくる。コロンバスそのものだった。」
生き残りをかけるコロンバスとタラハシーに加わるのが、エマ・ストーン演じるウィチタと、アビゲイル・ブレスリン演じるリトルロックの詐欺師姉妹である。「エマはこのキャラクターを非常に多面的に演じてくれた。それができるだけの多様性とコメディ・センスを持った、若く美しい女優は非常に少ない。彼女にコメディの才能があることは、既に『スーパーバッド 童貞ウォーズ』や『キューティー・バニー』でも明らかだが、ウィチタは必ずしもコミカルな役ではないんだ。典型的なファム・ファタールである、セクシーな悪女だ。エマのすごいところは、それらすべてを表現しつつ、コミカルにもなれるところだ。」と、フライシャー監督は言う。
リトルロック役には、監督は明確なイメージを抱いていた。「脚本を読んだとき、リトルロックにはアビゲイル・ブレスリンがうってつけだと思った。でも彼女が引き受けるわけがないから、彼女のような人を見つけるしかないと思っていた。かなり長い間ね。そうしたら、驚いたことに、彼女がやりたいと言ってくれた。我々のゾンビ映画になんとアカデミー賞候補者が二人も出演してくれることになったんだ。」
ブレスリンは「これまでに出演してきた作品とはまったく違う作品だったので、是非出たいと思ったんです。リトルロックは溌剌としたキャラクターです。アクションが楽しかった。銃の撃ち方も初めて習いました。遊園地で撮影したときには、撮影の合間にいろいろなアトラクションに乗れたのですごく楽しかった。」と話す。
ハレルソンは見事に役を演じきったブレスリンのことを「アビーは12歳だけど、彼女のような演技を僕は一生できない。泣くシーンでは、彼女はすべてのテイクでちゃんと泣いたんだ。カメラが他の誰かのクローズアップを撮っていて自分が映っていないときでも、決して手を抜かず、他の役者たちのために説得力のある泣き方をしてくれた。実に素晴らしいし、一緒にいて本当に楽しい子だ。」と言う。

この作品が監督デビューとなったルーベン・フライシャーは、『ゾンビランド』を監督するチャレンジにワクワクしたと言う。「監督初心者としては、どのシーンでも今までにやったことのないものだったからね。撮影初日にはゾンビを殺し、その後広い邸宅で撮影をした。毎日が新しい経験の連続だった。でもどの場合も、脚本から始めてそれをどのように描いてゆくかを考える、というのは同じだ。そして役者、プロダクション・デザイナー、撮影監督が揃ったとき命が吹き込まれる。彼らが見事な映像にしてくれるんだ。」製作総指揮兼脚本を担当したレット・リースは「ルーベンは優れた目と最高のコメディ・センスを持っている。彼は常に他人を思いやるとても優しい人だ。物事がうまく行っているときは、自分の手柄にせず、一緒に仕事をしている人たちに惜しみない称賛を与えるんだ。」

『ゾンビランド』のプリプロダクションのごく早い段階で、ルーベン・フライシャー監督は作品全体の映像の雰囲気やゾンビの外見作りも始めた。「この作品に携わるまでは、ゾンビ映画は『28日後…』しか見たことがなかった。当時はゾンビ映画が大好きというわけではなかったんだ。でも今回の仕事を始めてからは、とことんリサーチをして、あらゆるゾンビ映画に親しんだ。それらの作品に失礼のないようなものを作らないといけないからね。このジャンルのファンに対して敬意を抱いているので、彼らに満足してもらえる作品を作らなければいけないと思った」と、フライシャーは言う。 脚本作りの際、人類がゾンビ化した理由については作品の中で一切説明しない、と決められた。フライシャーは「これは終末後の世界なんだ。ゾンビ化の真っ只中にいる人たちの話ではない。人間よりもゾンビの方が圧倒的に多い世界で、生き抜くために戦っている一握りの人間たちの物語なんだ」と語る。 ゾンビの外見に関しては、重要なことが一つ決められた。それは、ゾンビ自体は笑いを誘うものにせずに、主人公たちのコミカルさを引き立てるものにするということだった。そのため、フライシャーはこれまでにさんざん使われてきたゾンビ伝説を捨てて、より現代的なものにした。「伝統的なゾンビは、アンデッドから生まれる。でも今回は、出来る限り現実に基づいたものにしたかったんだ。だから、ウィルス性の疾病として広まったことにしたんだ。」 フライシャー監督はゾンビたちにはそれぞれの個性を保たせたいと考えた。「ゾンビたち全部が同じようなビジネススーツを着ていたり、Tシャツとジーンズを着ていたりするのではなく、感染する前の人

となりを表す服を着せた。それぞれのシーンの場所によって、ファストフード店の制服を着ているゾンビもいれば、農夫のような格好をしているゾンビもいる。ロサンゼルスの遊園地のシーンでは、ゾンビたちでかなり遊んだ。でも全体的には、ゾンビの中に人格が埋もれないようにした。ゾンビ化する前にどういう人だったのかがわかるようにしたんだ。」

撮影は、映画の終わりのシーンにうってつけなテーマパークがあるジョージア州で始まった。「以前、ジョージアで2回撮影したことがあって、現地のクルーととてもうまくいった。今回よりもずっと小規模だったけれどね。ロサンゼルスで撮影しないことの利点は、地元の人たちが喜んで映画に協力してくれることだ。ロサンゼルスだったら、この映画で使ったような邸宅で撮影させてくれる人なんて一人もいない。ジョージアで撮影することで、作品の価値が高まった」とフライシャーは言う。
最初の撮影はクライマックス・シーンとなるパシフィックランドでのシークエンスから始まった。最終決戦の場としてこの遊園地を提案したのは監督自身だった。フライシャー曰く「望みを叶えるためだ。リトルロックが幼い頃に好きだった場所なんだ。終末後の世界では、自分の好きな場所に行って好きなことができる。だから(エマ・ストーン演じる)ウィチタは、リトルロックに楽しかった子供時代の思い出をもう一度味わわせてあげたかったんだ。」
映画の結末で最初に撮影するというのは、役者にとって不利ではないかと思われるが、実際にはその逆だったとハレルソンは言う。「そのおかげで自分の役を演じる上での無駄を省くことができた。手探りで進むシーンではなく、アクションシーンを撮影していたために、カットまでの数秒間で反応しなければならなかった。そのおかげで自分の役の気持ちになることができた。また、チームとして皆がまとまることもできたんだ。」

初監督で才能豊かなクルーと仕事ができたのは非常に貴重な経験だった、とフライシャーは語る。「これはあくまでもコメディだから、もったいぶった言い方はしたくないけれど、彼らのおかげで、普通のコメディよりもはるかに映画的な作品になった。マイケルのおかげで仕事のレベルがあがる。彼の撮るショットの一つ一つに感動した。メイハーのデザインは信じられないくらい素晴らしかった。食料品店をゼロから作ったのもすごかったが、何よりも僕が驚いたのはコロンバスとタラハシーがハイウェイで初めて出会うシーンだ。75台の車と破壊された車30台とボート。この大スケールの破壊はかなり価値のあるものだった。彼らと仕事を共にすることができて、本当に幸運だったと思う。」

撮影最終日に撮影クルーが迎えた場所は、ロサンゼルスのハリウッドで有名なグローマンズ・チャイニーズ・シアターの前だった。ハリウッド大通りは午前3時に通行止めとなり、普段は大勢の観光客で賑わう場所が、美術チームの手によって、終末後の人気のない荒廃した世界へと変貌を遂げた。やがて、見物客が集まる中、役者たちがゾンビたちと対決し黄色いハンビーで走り去るシーンが撮影された。まったく悪くない、最高のクランクアップであった。

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品番:BBXN-1033
発売日:2011/02/04
画面:16:9 スコープ・サイズ
音声:1.オリジナル<英語>DTS-HD マスターオーディオ 5.1ch
   2.吹替<日本語>ドルビーデジタル2.0ch
   3.映像特典 音声コメンタリー<英語>ドルビーデジタル2.0ch
字幕:1.日本語字幕
   2.日本語吹替用字幕
   3.日本語コメンタリー用字幕
公開日:2010/07/24
製作国:アメリカ
製作年:2009

■特典

<特典>
【初回生産限定特典】
・アウターケース付

【音声特典】
・オーディオコメンタリー
ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、監督、他の豪華出演。

【映像特典】(合計43分予定)※HD画質
★ブルーレイならではの、ピクチャー・イン・ピクチャー仕様
 本編を見ながら、メイキング、インタビュー、画コンテ等でそのシーンを解説。
 撮影の裏側までバッチリわかる!

1.秘蔵メイキング/ゾンビランドを探して…
 スタッフ&キャストが語る「ゾンビランド」の世界。
 制作スタッフが目指した世界観や登場人物の演技のコンセプトからリアル
 を超える驚愕の特殊メイク等などを紹介!

2.秘蔵メイキング/全米ゾンビランド計画
 監督、美術デザイナー、脚本家、役者、それぞれのプロフェッショナルたちが
 作り上げる映画「ゾンビランド」の秘密!

3.幻の未公開シーン
 "ゾンビあるある"はまだあった! (ルール#2)ジップロック・バッグ、ほか
 貴重な7つの未公開シーンを収録!

4.VFXメイキング
 驚きの連続!「ゾンビランド」の世界を支えるVFXシーンの数々。

5.オリジナル予告篇
 ウディ・ハレルソンとジェシー・アイゼンバーグの絶妙のコンビがユーモア
 たっぷりに生き残るためのルールについて語る、
 ナイスな撮り下ろし予告篇。 (ルール#33)スイス・アーミーナイフ、ほか
 5タイプを収録。

6.日本版劇場予告篇

商品詳細

品番:BBBN-1034
発売日:2011/02/04
画面:16:9 スコープサイズ
音声:1.オリジナル<英語>ドルビーデジタル5.1ch
   2.吹替<日本語>ドルビーデジタル2.0ch
   3.映像特典 音声コメンタリー<英語>ドルビーデジタル2.0ch
字幕:1.日本語字幕
   2.日本語吹替用字幕
   3.日本語コメンタリー用字幕
公開日:2010/07/24
製作国:アメリカ
製作年:2009

■特典

<特典>
【初回生産限定特典】
・アウターケース付

【音声特典】
・オーディオコメンタリー
 ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、監督、他の豪華出演。

【映像特典】(合計43分予定)
1.秘蔵メイキング/ゾンビランドを探して…
 スタッフ&キャストが語る「ゾンビランド」の世界。
 制作スタッフが目指した世界観や登場人物の演技のコンセプトからリアル
 を超える驚愕の特殊メイク等などを紹介!

2.秘蔵メイキング/全米ゾンビランド計画
 監督、美術デザイナー、脚本家、役者、それぞれのプロフェッショナルたちが
 作り上げ る映画「ゾンビランド」の秘密!

3.幻の未公開シーン
 "ゾンビあるある"はまだあった! (ルール#2)ジップロック・バッグ、ほか
 貴重な7つの未公開シーンを収録!

4.VFXメイキング
 驚きの連続!「ゾンビランド」の世界を支えるVFXシーンの数々。

5.オリジナル予告篇
 ウディ・ハレルソンとジェシー・アイゼンバーグの絶妙のコンビがユーモア
 たっぷりに生き残るためのルールについて語る、
 ナイスな撮り下ろし予告篇。 (ルール#33)スイス・アーミーナイフ、ほか
 5タイプを収録。

6.日本版劇場予告篇

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