ニューヨーク、ブルックリンにある低所得者用の団地、"BK公営住宅"。ギャングによる犯罪や麻薬取引、誘拐事件が日々起こるこの犯罪多発エリアで警官による強盗事件が発生した。被害者は罪のない黒人青年だった。犯罪からは縁遠いまじめな学生が警官に殺されたというニュースはマスコミの注目を集め、ニューヨーク市警は厳しい非難を浴びていた。見かねた警察上層部はその状況を打破する為に警察のイメージアップを図るべく、犯人の逮捕を急ぐと共に各方面で取り締まりの強化を始めた。しかし、この取締り強化策はこの地区で働く3人の刑事の心の闇を浮き彫りにする事になる。
20年の勤務が終わろうとしている退職目前のベテラン警官、エディ(リチャード・ギア)は退職前まで1週間を残し、波風を立てずただ無難に過ごしてきた自身の人生に空虚感を抱えていた。決して目立たず、目の前で犯罪が起ころうとしていても管轄が違えば動かない、そんな警官人生を送ってきた彼は結婚していた妻とも別居し、唯一の心の拠り所は娼婦のチャンテルだけであった。そんな生活を送ってきた彼に最後の仕事として任されたのは、皮肉にも警察の取締り強化策の一環として行われる事になった犯罪多発地区における新人教育であった。しかし、新人警官との警邏中に起きたある事件をきっかけに彼の中で大きな変化が起こり始める。
信仰深く家族想いの麻薬捜査官、サル(イーサン・ホーク)は愛する妻と5人の子供に囲まれて暮らしていたが、病気の妻と広い家を欲しがる子供の為に新しい家の購入を約束してしまう。しかし、警官の安い給料では日々の生活で手一杯で、頭金の工面もままならかった。そんな彼は麻薬捜査中、目にする大金を前に自らの正義感の中で揺れていた。
潜入捜査官として長年"BK公営住宅"を基盤に持つギャングに潜入を続けるタンゴ(ドン・チードル)は、捜査の為に愛する妻に会うことも出来ず、遂には離婚を突きつけられてしまう。成果を挙げてもなお昇進出来ず、自らの人生を犠牲にし続けるこの仕事に精神的にも限界を感じていたタンゴは、潜入捜査から外すよう上司の説得は続けるが、その願いは聞き入れられずにいた。そんな時、上層部は一般市民へ警察の成果を見せつける為にタンゴにある任務を与えた。その任務とはタンゴの命の恩人であり、潜入捜査中に心を通わせるようになったギャングのボス、キャズ(ウェズリー・スナイプス)のおとり捜査による逮捕だった。激しく抵抗するタンゴであったが、上層部はキャズの逮捕と引き換えに彼の昇進の約束をする。長年の目標であった昇進とキャズの友情の間で、彼の中の正義は揺れていた。
目の前の現実と自らの正義感の狭間で揺れる3人の運命は、奇しくも警官の起こした強盗事件により思わぬ形で交わる事になる。決して交わるはずのなかった3人の刑事、それぞれの正義が交錯した先には衝撃のラストが待っていた−−。

2010年3月5日。全米で1本の映画が公開された。
同日に公開された『アリス・イン・ワンダーランド』には及ばなかったものの、全米初登場2位を記録、瞬く間に多くの観客を虜にし全米を席巻した。さらにDVD化された際にはレンタルとセルの2部門(通常版&Blu-ray)にて3冠を達成し、その人気の高さを知らしめた。それが本作『クロッシング』である。
映画の舞台はニューヨークだが、そこに映るのは人々が想像する煌びやかな摩天楼ではない。フィルムに刻まれているのは、ニューヨークのブルックリン地区に残る犯罪多発エリアの紛れもない真実の姿である。映画は誘拐、強盗、殺人が毎日のうように起こるこの犯罪多発地域を舞台に、ここで働く3人の刑事たちの視点を通して、"机上の正義"と自らが抱える問題の狭間で揺れる男たちの姿、そして彼らの運命が思いがけず交錯する様をスリリングに描き、たちまち観客に犯罪地区に漂う緊張感を体験させる。
退職を目前に自らの人生に空虚感を抱いているベテラン警官・エディ役にリチャード・ギア。『プリティ・ウーマン』(90)以来、世界中の女性たちを虜にし続けた彼はミュージカル映画『シカゴ』(02)ではゴールデン・グローブ賞も受賞し、その実力を世界中に見せつけた。近年も精力的に様々な作品に出演し、この作品では主要キャストの中でも心理的に最も複雑な役柄を演じている。
信仰深く、家族想いの麻薬捜査官役の刑事・サル役を演じるのは、『トレーニング デイ』(01)でオスカー俳優デンゼル・ワシントンを相手に一歩も引かない鮮烈な演技を披露し、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされたイーサン・ホーク。
潜入捜査官として自らの人生を犠牲にして操作を続ける刑事・タンゴ役には『ホテル・ルワンダ』(04)の名演で人気を博し、その後は『オーシャンズ』シリーズや『アイアンマン2』(10)などに出演。今や名実共に人気俳優としての地位を固めたドン・チードル。
脇を固める俳優たちも主要キャストに決して見劣りしない実力派俳優たちが集められた。タンゴの命の恩人であり親友でもあるギャングのボス、キャズ役にウェズリー・スナイプス。さらに捜査をめぐってタンゴと衝突する女性捜査官にはこれまで数々の映画で大物俳優達と共演してきたエレン・バーキンを迎え、映画により深みを与えている。
最高のロケーションのもと、豪華キャストを見事にまとめ上げたのは『キング・アーサー』(04)、『ザ・シューター/極大射程』(07)など幅広い作品を手掛け、名実共にハリウッドで確固たる地位を築いたアントワン・フークア監督。出世作である『トレーニング デイ』(01)ではロサンゼルスを舞台に伝説の麻薬捜査官の狂気と彼のもとで働き始めた新人警官の戦いを見事に描ききり、主演であったデンゼル・ワシントンにアカデミー賞主演男優賞をもたらした。本作では舞台を西海岸から東海岸に移し、犯罪多発地区にある独特の雰囲気、そして"正義"というプレッシャーに苦しむ3人の刑事たちの姿とその心理を丁寧に描いている。
1949年8月31日生まれ。ペンシルヴェニア州フィラデルフィア出身。 大学を2年で中退し、俳優の道を歩みだした。当初は舞台を中心に活動をしていたが、75年には『ニューヨーク麻薬捜査線』(75・未)にて映画デビューを飾る。その後ダイアン・キートン主演の『ミスター・グッドバーを探して』(77)で注目を浴び、『アメリカン・ジゴロ』(80)では金持ちの夫人を相手にするジゴロの主人公、ジュリアン役をものにした。続けて出演した『愛と青春の旅立ち』(82)ではデブラ・ウィンガー演じる女子工員と恋に落ちる海兵士官候補生を好演し、ジュリア・ロバーツと共演した『プリティ・ウーマン』(90)ではその甘いマスクで世界中の女性を虜にした。その後も『ジャッカル』(97)や『オータム・イン・ニューヨーク』(00)など幅広い作品に出演し、『シカゴ』(02)では自身初となるゴールデン・グローブ賞を受賞し、人気だけでなくその実力の高さも証明した。
1970年11月6日生まれ。テキサス州オースティン出身。映画俳優としてだけではなく、舞台俳優、小説家、脚本家、監督など様々なジャンルで活躍している。舞台では、ナショナル・アクターズ・シアターで上演された「かもめ」、ステッペンウルフ製作作品「埋められた子供」(サム・シェパード作、ゲイリー・シニーズ演出)に出演。映画作品ではアントワン・フークア監督作品『トレーニング デイ』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた経験もある。ジュリー・デルビーと共同脚本を書いた『ビフォア・サンセット』(04)は、アカデミー賞脚色賞、インディペンデント・スピリット賞脚本賞や全米脚本家協会賞脚色賞にノミネートされ、俳優とクリエイターのそれぞれの分野でアカデミー賞にノミネートされている稀有な例である。 近作にはジェームズ・デモナコ監督の『Staten Island』(09)、マイケル&ピーター・スピエリッグ監督の『Daybreakers』(09)がある。
大学で美術を学んだ彼は卒業後に俳優の道に進み、TVシリーズ「フェーム/青春の旅立ち」(82-87)でドラマデビューを飾った。その後は『ハンバーガー・ヒル』(87)や『カラーズ/天使が消えた街」(88)などの映画に出演し、キャリアを積んだ。デンゼル・ワシントン主演の『青いドレスの女』(95)での好演で脚光を浴び、その年の全米映画批評家協会賞・助演男優賞を受賞した。その他、高い評価を受けた『ブギー・ナイツ』(97)、米アカデミー賞受賞作『トラフィック』(00)にも出演しており、『ホテル・ルワンダ』(04)では民族対立が激化したルワンダで虐殺から1200人もの人々を救い出したホテルマンを熱演し、アカデミー賞やゴールデングローブ賞にノミネートされ、ハリウッド屈指の実力派俳優としての地位を手に入れた。今後はマイルス・デイビスの人生をもとに描かれた映画に取り掛かっており、今後のさらなる活躍が期待されている。
1962年7月31日生まれ。フロリダ州オーランド出身。幼い頃から俳優としてのキャリアを望んでおり、高校卒業後に地元で俳優として活動中にエージェントの目に留まりゴールディ・ホーン主演の『ワイルドキャッツ』(86)で映画デビューを飾る。その後、マーティン・スコセッシが監督したミュージックビデオ「Bad」でマイケル・ジャクソンと共演した際、スパイク・リー監督の目を惹き、『モ'・ベター・ブルース』(90)にキャスティングされた。その後、『ニュージャック・シティ』(91)や『ウォーター・ダンス』(91)などの作品でも高い評価を受け、92年のアクション・スリラー『パッセンジャー57』では遂に主役にキャスティングされる。以降も『ザ・ファン』(96)、『ワン・ナイト・スタンド』(97)に出演し、後者ではヴェニス映画祭主演男優賞を受賞した。
1954年6月14日生まれ。サウスカロライナ州チャールストン出身。舞台・映画で活躍しており、『ポストマン』(97)、『アルマゲドン』(98)、『エントラップメント』(99)、『タイタンズを忘れない』(00)、『プロフェシー』(02)、『パニッシャー』(04)などの大作に出演を重ね俳優としての地位を固めてきた。TVでは、スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務めた米TNT放送のTV映画「INTO THE WEST イントゥー・ザ・ウェスト」(05)、ウォーカー刑事役で何度も出演する米CBS放送シリーズ「NUMBERS 天才数学者の事件ファイル」(05〜)などに出演し、その確かな演技力に定評がある。
1954年4月16日生まれ。ニューヨーク州ニューヨーク市出身。10代の頃から女優を志し、マンハッタン・パフォーミング・アーツで演技を学んだ。大学では一時歴史の教師を目指すもの、本来の夢であった女優業を開始し、バリー・レヴィンソン監督のコメディ・ドラマ『ダイナー』(82)で遂に映画でビューを果たす。その後も演技派女優としての順調なキャリアを重ね、『スイッチ/素敵な彼女?』(91)ではゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞にノミネートされ、実力派女優としてのキャリアを築き上げた。その実力が認められシドニー・ルメット監督やトニー・スコット監督の『ザ・ファン』(96)、テリー・ギリアム監督の『ラスベガスをやっつけろ』(98)など有名監督からも厚い信頼を寄せられている。
1966年1月19日生まれ。
ペンシルヴェニア州ピッツバーグ出身。わずか数年の間に、エンタテインメント業界の同世代の中で最も才能のある映画製作者として頭角を現し、デビュー作品である『リプレイスメント・キラー』(98)では当時アメリカで無名だったチョウ・ユンファを主役に迎え、アメリカの観客に鮮烈な印象を与えた。
また、大成功を収めたワーナー・ブラザーズ作品『トレーニング デイ』(01)ではスタイリッシュな映像とテーマ性を兼ね備えた映画を創り出し、才能豊かな若手監督の1人としての地位を確立した。同作は主演のデンゼル・ワシントンにアカデミー賞最優秀主演男優賞をもたらし、イーサン・ホークも最優秀助演男優賞にノミネートされた。
その後も元海兵隊の主人公が国家的な陰謀に立ち向かって行く姿を描いたアクション・サスペンス『ザ・シューター/極大射程』(07)、やブルース・ウィルスとモニカ・ベルッチという豪華キャストを迎え映画としても高い評価を受けた『ティアーズ・オブ・ザ・サン』(03)、『キング・アーサー』(04)など幅広い作品を手掛けた。
またミュージックビデオやコマーシャル監督としても活躍しており、プリンス、アッシャー、スティービー・ワンダーら一流アーティストのビデオも監督している。ピッツバーグの危険な地区で育ったことは、監督としてのヴィジョンに大きなインスピレーションを与えただけではなく、恵まれない若者やコミュニティへの精力的な支援活動にも繋がっている。
さらに、元ギャングが脚本・監督を担当した、ギャングの進化を生き生きと描き出すドキュメンタリー『Bastards of the Party』(05)を米HBO放送と共同で製作/出資/配給した。自らの会社フークア・フィルムズを通して製作/監督業を続けている。
「この映画は偶然から生まれた映画だ」と本作で脚本を担当したマイケル・マーティンは語る。驚いた事に彼は本作が脚本家デビュー作であり、それまでニューヨークの地下鉄の信号手として働いていたという異色の経歴を持つ。2005年に交通事故に遭った彼は、事故で失った車を買い替えるために何とかして現金を稼ぐ方法を模索していた。当時、怪我の療養中だった彼はある日、インターネットで1万ドルの賞金がかかった脚本コンテストを見つけて応募を決意した。「暇は十分あったし、車を手に入れる最善の方法だと思って書き始めたんだ。締め切り当日に書き上げて、大急ぎで地下鉄に飛び乗り、脚本を届けに行ったよ」と当時を振り返るマーティン。学生時代は映画科に在籍していた彼は昔のルームメイトで当時、警察署で働いていた友人の境遇を基にこの物語を書き始めたのだった。
しかし、残念ながら彼の脚本は最終選考には残るものの1位にはなれなかった。そんな時、審査員のプロデューサーの1人がマーティンの脚本を映画会社に見せたいと言ってきた。脚本はワーナー・ブラザーズに送られ、メアリー・ヴィオラの元に届けられた。自身もニューヨーク出身であった彼女はタイトルに惹かれ、山のように積まれた脚本の中からこの脚本を手に取った。すぐに脚本を気に入った彼女はそれをベイジル・イヴァニクに渡した。ここからマーティンの脚本は映画化に向けて大きく動き出した。
アントワン・フークア監督の『トレーニング デイ』(01)で製作を手掛けたイヴァニクは脚本をフークア監督に見せると、彼はすぐに参加を決意した。「テーマが気に入ったし、マイケルはこのジャンルに新しい道を築いたと思った。独自のやり方で警官ドラマを語っていたんだ。汚職警官というだけでなく、3人の運に見放された警官の物語だった。3人それぞれが克服すべき個人的な問題を抱えている。つまり、彼らの仕事というよりも、人生で今直面している彼らの心理に焦点が当たっていたんだ」と説明する。車欲しさに書き始めたマーティンの脚本は瞬く間に人々を虜にし、その勢いのまま映画化までこぎつけた。ミレニアム・フィルムズとジョン・ラングレイ・フィルムズが製作に参加すると決まった当時を振り返って制作総指揮を担当するジョン・トンプソンは言う。「彼らは24時間以内に決心したんだ。作りたいという衝動に駆られた。それがこの映画だよ」。
映画は脚本を手掛けたマイケル・マーティンが育ったイースト・ブルックリン・ハウジング・プロジェクトを舞台にしている。そこにあるのはマーティンに脚本を書くインスピレーションを与えた世界である。「ニューヨークで育ち、都市交通局のようなところで働くと、たくさんの個性的な人たちに遭遇する。人々の違い、葛藤、人生観、宗教観、政治観がよく見えてくる。すべてが溶け合った場所なんだ」マーティンは自らが育った街をそう形容する。
「警官は、僕に来てほしくないようだった。暴力的で腐敗した場所だと言われたよ」とフークア監督は当時を振り返る。しかし、監督はあくまでその場所以外で撮影する事を拒んだ。市の役人から撮影隊の襲撃の可能性さえ示唆された。事実、彼らが撮影場所として選んでいたのはイースト・ブルックリンとその周辺、そしてブラウンズヴィル地区のヴァン・ダイク公営団地で、それぞれが数ブロックしか離れていない23棟の建物から構成されたブラウンズヴィル地区の犯罪率は高く、近隣のコミュニティ同様、非常に危険な場所だった。しかし、いざ撮影が始まると彼らの危惧は吹き飛んだ。地元では、みんなが撮影隊を心から歓迎した。そこでフークア監督とプロデューサーたちは、地元の人にエキストラとして演じてもらい、スタッフにも加わってもらおうと考えた。そして、撮影が終わる前、監督はこの撮影プロジェクトのために選んだ4人のティーンエイジャーに、コミュニティへの感謝の気持ちを込めて、10万ドル相当の撮影機材を寄贈した。
「コミュニティの中に入り、若者たちに出会い、彼らにカメラを渡して映画作りやアートについて学んで貰う素晴らしいチャンスだった。彼らにコミュニティの中でポジティブなことが起きる姿を見てもらいたかったんだ」と監督は言う。そしてフークア・フィルム・プログラムという名称の非営利団体が創設され、毎年4人の学生に同じチャンスが与えられることになったのである。
イーサン・ホークは撮影当時を振り返りこう語る。「みんながフークア監督にサウス・セントラル地区で撮影するなんて愚かだと忠告した。でも彼は、場所がリアルでなければ物語は正しく伝わらないという信念をもっていた。この映画でも同じだったよ。場所そのものが、俳優にとっても、映画自体にとっても、大きな影響を与えてくれたんだ」。
この映画の最も大きな魅力の1つはなによりもその豪華な出演者達である。リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードル、ウェズリー・スナイプス。これまで数々の映画に出演し、その演技力を証明してきた名優達がこの映画のために集結した。
まず目を惹くのはリチャード・ギアである。ギアは初めての脚本を読んだ時の印象をこう語る。「独創的で、よく書かれた、情感溢れる脚本だと思った。『背徳の囁き』に出演して以来、このジャンルで、まだ見たことがないものを探求させてくれる脚本に初めて出会った気がしたんだ」。リチャード・ギアはこれまでの世界中の女性たちを魅了してきた役柄とは違い、より心理的な表現が求められる難しい役どころにも関わらず主人公の1人、ベテラン警官のエディを見事に演じきった。
アトワン・フークア監督は脚本開発をする中でまず、イーサン・ホークに出演してもらいたいと考えた。『トレーニング デイ』で仕事をしたふたりは、再び一緒に作る素材を探していた。ホークは脚本を読んですぐにこの作品への参加を決意した。「すぐに出演したいと思った」とホークは脚本を読んだ時の心境を振り返る。作品への参加が決まると彼は役づくりの為にニュージャージー州パターソンの警察署で多くの時間を過ごした。
「とても活発な管区で、僕は巡回区域で仕事をする警官たちと長時間過ごした。彼らのプレッシャーを目の当たりにしたよ。どうやって仕事をし、給料がどれほど少ないか。だから物語の世界観や、彼らが直面する問題がよくわかった」とホークは当時を振り返る。「恐ろしい犯罪現場への接近許可も取ったんだ」と彼は続ける。「逮捕現場もたくさん見たけれど、そのたびに、本当の敵は貧困であり、絶望した人間が絶望的な事をするのだと気づかされた」。
『ホテル・ルワンダ』(04)で一躍脚光を浴びたドン・チードルは本作では普段の抑えた演技とは違い、友情と自身の出世の間で揺れる刑事・タンゴを熱演と呼ぶに相応しい迫力に満ちた演技で演じきっている。本作の脚本を初めて読んだチードルは、そこにリアルな物語を見出し、3人の警官の物語と、それぞれが個人的状況にどう対処したのか、その展開に惹かれた。特に、演じることになったタンゴという3年間、潜入捜査官として過ごしてきたキャラクターに共感を覚えたという。
『リプレイスメント・キラー』(98)、『トレーニング デイ』(01)、『ザ・シューター/極大射程』(07)、フークア監督がこれまでメガホンを取ってきた作品を観ればわかる通り、彼の持ち味はその重厚な演出方法にある。最高のロケーションと最高のキャストを手に入れた彼は本作においてもその手腕をいかんなく発揮している。本作ではそれぞれの物語が、異なる時間枠で撮影されたため、そこに出演するキャストは、それぞれ5〜7日間別々に撮影現場で仕事をした。フークア監督は、「それによってそれぞれの俳優が演じるキャラクターと物語に集中することができた」と言う。
フークア監督との仕事に関してリチャード・ギアは「映画製作はいつでも、発見の旅だ。脚を踏み入れるまでは、正確には何が起こるかわからない。別の可能性が現れたり、感情が気まぐれに移り変わったり、まったく予測不可能だ。ただその瞬間に起こることを自分で掴み取るしかないんだ。すべてを綿密に計画するのではなく、可能性を残しておく監督と仕事がしたい」と語っており、フークア監督と仕事を重ねてきたチードルも「フークア監督はそういう心の広さがあるし、僕は彼の仕事の仕方が好きだ。大いに楽しみながら仕事ができたよ」と同意する。
『トレーニング デイ』(01)で自らにアカデミー賞 助演男優賞ノミネートという栄誉をもたらしてくれたフークア監督に対してイーサン・ホークは「フークア監督と仕事をし、前作でやり残したことを探求する。それは何物にも代え難い貴重な経験だ。彼の熱意と情熱が伝わってくるんだ。『トレーング デイ』の時よりも彼はさらに優れた監督に進化している」と語る。
品番:BBXF-2008
発売日:2011/03/04
価格:3,800円(税抜)
画面:16:9シネスコ[1080p Hi-Def]
字幕:1.日本語字幕 2.日本語吹替用字幕
音声:1.英語ドルビーTrueHD5.1chサラウンド 2.日本語ドルビーTrueHD2.0chステレオ
製作国:アメリカ
製作年:2008
特典
【映像特典】
○劇場予告編
○未公開シーン集
○メイキング集
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品番:BBBF-8668
発売日:2011/03/04
価格:2,800円(税抜)
画面:16:9LBシネスコ
字幕:1.日本語字幕 2.日本語吹替用字幕
音声:1.英語ドルビーデジタル5.1chサラウンド 2.日本語ドルビーデジタル2.0chステレオ
製作国:アメリカ
製作年:2008
特典
【映像特典】
○劇場予告編
○未公開シーン集
○メイキング集
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