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パラノーマル・アクティビティ

日本円にして135万円という信じられない低予算で製作されたにもかかわらず、180億円もの世界興行収入をたたき出し、規格外の大ヒットとなった『バラノーマル・アクティビティ』。アメリカの無名のフィルムメーカーと俳優たちによって作られたこのホラー映画は、疑似ドキュメンタリーのスタイルを徹底し、そのリアリティによって多くの観客を恐怖の底に突き落とした。もちろんここ日本でも熱狂を呼び起こし、最近4年間のホラー映画として最高となる6億円の興行収入を記録したのは記憶に新しい。この人気を受けて日本から世界へ発信される、正統な続編の製作が決定。ご存じの通り、ハリウッドでも1作目の成功を受けて続編が製作されているが、2編の正統な続編が存在するシリーズはまさに前代未聞。しかも今秋のほぼ同時期に、日本とアメリカでそれぞれが公開されるのは映画史上初の"事件"だ。

舞台は住宅地の一軒家。ここには父親の留守を預かる姉と弟が暮らしている。姉・春花は旅行先の米国で交通事故を起こし、車椅子で帰国。弟の幸一は買ったばかりのビデオカメラで、そんな姉との介護生活を、からかい半分で収めていた。しかし、そのカメラは図らずも、異様きわまりない事件の"証人"となってしまう。踏み荒らされた魔除けの盛り塩、ラップ音のような不気味な物音、突然割れるコップ、深夜に引きずり落とされるシーツ、そして部屋の中に確実に存在するおぞましい"何か"。やがで"それ"は悪意を剥き出しにして、姉と弟に容赦なく襲いかかってくる!

『パラノーマル・アクティビティ』オリジナル版の趣向を踏まえ、ほぼ全編を主観映像で構成。それだけでは、ただの"焼き直し"に過ぎないが、ここには前作をしのぐ面白さと戦慄が脈打っている。例えば、オリジナル版の主人公が恋人同士というキャラクター設定は、ここでは姉と弟となり、それぞれの寝室にカメラを設置し、二分割画面でそれらを見せる。必然的に観客は映像への集中力を求められ、その意識に恐怖がダイレクトに迫ってくるという仕掛けだ。さらにオリジナル販で話題を呼んだラストの衝撃映像を上回る、強烈なショックが、本作のクライマックスには備わっている。

それは前作を見た観客の予想を裏切るという点でも、さらなる論議を呼ぶだろう。日本ならではのお祓いの儀式のリアルな描写も、緊張感をあおる重要なエッセンスとして見逃せない。

オリジナル版があれほどの成功を収めたのだから、今回のスタッフ・キャストはそれに怖気づくことなく才気を発揮することが求められる。これに応えたのは、『BECK』『大奥』など話題作への出演が相次ぎ、ブレイク必至の若手ナンバーワン俳優、中村蒼と、「逃亡者おりん」「サラリーマン金太郎」でクールな魅力を発揮し、女優として円熟期を迎えようとしている青山倫子。想像を絶する恐怖に直面した弟と姉を、アドリブをまじえながら、それぞれ十分な説得力とともに体現し、彼らがすぐ隣に住んでいてもおかしくないほどのリアリティをあたえている。また、TVで熟狂的な支持を得て映画化もなされた疑似ドキュメンタリー「放送禁止」シリーズで旋風を呼ぴ起こした長江俊和が監督を務めている点も重要なポイント。本物らしいフェイクを作るという点において、これほど頼りになる監督が他にいないのは、その過去の仕事ぶりを振り返れば一目瞭然だ。

今やJホラーはハリウッドで次々とリメイクされるほどの世界的評価を得ているが、それはオカルト的な"怪談"が日本だけでなく、海外の観客にも広くアピールすることを意味している。これはある意味、日本のホラーが世界をリードするポジションにいる、ということでもある。そんな下地のもと、"オリジナルを、そして本家の続編を超える"という志のもとに生まれた『パラノーマル・アクティビティ第2章/TOKYO NIGHT』。それは世界中の恐怖の概念を大きく書き換えることになるかもしれない…。

東京の閑静な住宅地、一軒家に住む山野家。27歳の長女、春花は旅行先のアメリカで交通事故に遭い、両足を複雑骨折して車いすの姿で帰国する。浪人生で19歳の弟、幸一はそんな姉に買ったばかりのビデオカメラを向けて出迎えた。父は海外出張が多く不在がちなゆえに、半年は自力で歩けないという春花の介護は、幸一の仕事となった。

ほどなく、春花の部屋に置いた車椅子が朝になると移動したり、盛り塩が踏み荒らされたりなどの怪事件が起こる。ただならぬものを感じた幸一は嫌がる春花を説得し、ビデオカメラを春花の部屋に仕掛け、そこで起こる出来事を撮影することに。こうすれば超常現象の正体がつかめるし、PCでモニターしておけば姉に何かあってもすぐに駆けつけることができる。しかし、そこに潜む"何か"は幸一の想像をはるかに超えていた。

深夜に響くラップ音、食卓で突然割れるコップ、霊感の強い友人を怯えさせるほどの異様な空気…。エスカレートしていく現象は春花や幸一の身に直接、危険を及ぼすことになる。やがて明らかになる驚くべき事実。超常現象を引き起こすものの正体とは?幸一と春花はこの現象から逃げ延びることができるのか?撮影を始めてから15日目の夜、想像を絶する"パラノーマル・アクティビティ"が姉弟の身に容赦なく襲いかかる!

オリジナルの『パラノーマル・アクティビティ』はわずか7日間で撮影されたことで話題を呼んだが、この『TOKYO NIGHT』はさらに猛スピードで、実質6日で撮影が遂行された。

これはビデオカメラによる機動力に頼っただけの結果ではない。綿密な準備と、フェイク・ドキュメンタリーの制作経験に富んだ長江俊和監督の演出力、そのもとに集まった精鋭スタッフの俊敏な対応力は決して見逃すべきではないだろう。

また、オリジナルを見た観客は、"素人がビデオカメラで撮るという設定の映像だから、撮影も簡単"と思われるかもしれないが、それも大間違いだ。まず、多くのシーンを"撮る"ことになる主演の中村蒼はプロのカメラマンの指導を受け、自然でなおかつ的確なショットをとらえる練習を重ねた。また、そうでない場合はプロのカメラマンが、長江監督が欲するビジョンを正確に撮るべく奮闘。

監督の演出にしてもワンカットでOKが出るのは稀で、常に複数のカットが用意された。また、役者の芝居にも常にリアルな感触が求められ、納得のいくものが撮れない場合には10テイク以上を重ねたこともある。リアルなものを追及した結果、撮影の6日間はとてつもなく濃密なものとなったのである。

ホラー映画への出演。ビデオカメラで撮影しながらの芝居。同時に、長江監督から求められたのはアドリブを多用するセリフ廻し。主演に抜擢された中村蒼にとってはこの全てが初挑戦。そのプレッシャーは大きかったはずだ。

しかし、連日朝7時前後から深夜(最終日は午前3時!)まで続く過酷な撮影に弱音の一つも吐かず、疑似ドキュメンタリーという特殊な物語を牽引する難役に対して「面白い」と言い切り、見えない"何がから姉・春花を守ろうと奮闘する弟・幸一を見事に演じ切った。

本番を終えるとスタッフと談笑する19歳の柔和な表情からは想像もできない、芯の強さ、隠れた努力が彼の根底にあるのだろう。特に印象的だったのは撮影2日目、食事中に春花と口論になるシーン。見えない"何がへのイライラが募り、お互いの不満をぶつけ合う。青山の繰り出すアドリブに聞髪入れずにハイテンションなセリフを被せる。

テイクを重ねる度、そのセリフは相乗効果を伴い、本当にケンカしているかのような姉弟の姿があぶり出されていく。臨機応変な返し、勘の鋭さに俳優・中村蒼の真髄を見た瞬間だった。そして彼の新たな魅力が発揮された本作が、中村蒼の新境地を作り上げることは想像に難くない。

リアリティの点で細心の注意が払われたシーンのひとつに"お祓い"のシーンがある。その撮影では本物の陰賜師、橘流陰陽道総本山宗家の橘宗輝氏がアドバイザーとして現場に招かれた。

これは祭壇の位置やお供え物の内容などのセット面はもちろん、役者の装束や立ち振る舞い、作法、まじないの言葉にいたるまで、正確さを求める長江監督の意向によるもの。

橘氏はアドバイスを受けただけではなく、陰陽師役の俳優の演枝の参考に、祈祷の言葉の発声も実演した。さらにお祓いシーンの撮影では監督とともに扉の影でモニターをチェック。橘氏の"ちょっと不自然ですね"という指摘でカットがかかることもあった。ちなみに、この日は真夏日で、エアコンを使えない室内は30度をゆうに超えていた。

平安時代風の装束を身にまとって長い芝居を強いられる俳優には過酷な撮影となったが、カットがかかる度にスタッフに汗を拭いてもらい、ウチワであおいでもらう彼らの笑顔は、本物の陰陽師のように穏やかな落ち着きを感じさせた。

山野家の一軒家に見立てられたのは都内にあるハウススタジオ。一般的な一軒家とほとんど変りない作りとなっているので、屋内はそのまま姉弟の居住空閲としてカメラに収められた。

しかしそこに"同居"している約20人のスタッフがカメラに映るわけにはいかないので、撮影場所が変わる度に待機する場所もコロコロ変わることに。たとえば、幸一の友人によって連れてこられた霊感の強い女の子、美鈴が突然苦しみ出し、逃げるように家から飛び出して行く一連のシークエンス。このシーンでは居間とキッチン、廊下、玄関がカメラに映り込むので、スタッフはそれ以外の場所に待機していなけれぱならない。

居間とは襖で仕切られている和室で、長江監督は無線モニターでカメラがとらえた映像をチェックすることになった。このシーンは緊迫の場面ゆえにただでさえ難しいシーンだが、ワンカットが長く、しかもカメラの角度に難があり、部分的なものも含めて10テイク以上の撮影を強いられた。カメラが回っている間はすべてのエアコンが切られるので、和室にすし詰めとなった10人ほどのスタッフは襖を隔てて聞こえてくる美鈴の苦しげな声に息を飲み、汗ばみながら進行を見守ることになった。

その夜の撮影は、春花を演じる青山倫子にとって、きわめて過酷なものとなった。まず、深夜に邪悪な何かに髪の毛を引っ張られ、絶叫しながらベッドの下に引きずり込まれるシーン。

隠れたスタッフがそれを引っ張るのだが、かなり痛むことを伝えると青山は大丈夫です"と笑顔で返し、その場の緊張を和ませた。こういうシーンの撮影は、できれば一度で済ませたいのが正直なところだが、撮り終えた最初のテイクをチェックし終え、長江監督は"もう一回やらせてほしい"と申し訳なさそうに伝えてきた。寝返りで髪の動きがよく見えなかったようだ。2度目のテイクでこの問題はクリアとなり、無事にOKが出てひと安心。

このテンションを保ったまま、次のシーンの撮影に入り、悲鳴を耳にした幸一が部屋に飛び込んでくる場面が撮られた。絶叫を繰り返した春花は激しく呼吸を乱している。結局、このシーンの撮影は3テイクでOKが出たが、その度に高いテンションを保っていた。ホラー映画の主演女優にはスクリーム・クイーンという言葉がしばし用いられるが、この日の彼女は女優としての根気や存在感も含めて、まぎれもなく"スクリーム・クイーン"であった。

全スケジュールの最後に撮影されたのは映画のクライマックスであるカー・スタント。これは深夜、都内の通りの一部を封鎖して行なわれた。幸一の乗ったタクシーが、不意に飛び出してきた春花を撥ね、反対車線に停車している車と衝突するという流れ。当然ながら一大シーンとなるため、リハーサルは入念に行なわれた。春花役の青山倫子は、ここでもガッツを発揮し、みずから志願してボンネットの上で転がってみせた。 とはいえ、時速30キロで単に衝突するシーンは危険過ぎるため、スタントマンの出番となる。撥ねられるだけでなく、フロントガラスを割るというのもスタントの仕事。命に関わることであり、しかも撮影は一発勝負。現場にはこれ以上ないほどの緊張が走っていた。 そして遂に本番がスタート。春花の衣装を着たスタントマンは撥ね飛ばされ、ボンネットの上を転がってフロントガラスに激突して見事なヒビを作ったばかか、車の天井にまで突き上げられ、急ブレーキによって転がり落ちる。 プロの仕事なのだから安全だとはわかっていても、この現場を目にすると、さすがに悪寒が走る。カットの声がかかり、路上に倒れていたスタントマンが立ち上がると、スタッフの間で大きな拍手が。映画ならではのマジックが、そこには確かに息づいていた。

1991年3月4日、福岡県生まれ。2005年、第18回ジュノン・スーバー・ボーイ・コンテストでグランプリを受賞して芸能界入り。翌年、寺山修二の原作による舞台「田園に死す」で主演として俳優デビューを飾り、無垢な演技で好評を得た。映画デビュー作は2007年の大ヒット作『恋空』。さらに翌年には『ひゃくはち』で初の主演を務める。2010年はさらなる飛躍の年となり、まず『BECK』でバンドのドラマー、サクを演じて好評を博し、『大奥』では二宮和也とのキス・シーンを諦せず演じて話題を提供。さらに宮部みゆき原作の『パーフェクト・ブルー』、そしで本作と、話題作への出演が連続。2011年公開作にも『ほしのふるまち』(主演)『マイ・バック・ページ』と注目すべき作品が並ぶ。TVの仕事も精力的にこなし、「エンゼルバンク〜転職代理人」をはじめとするドラマや、NTT東日本のCMにも出演。現在もっとも多亡な日々を過ごす若手俳優のひとりである。

――オリジナルの『パラノーマル・アクティビティ』の感想を教えて下さい。
「やっぱり凄く怖かった。個人的にホラーは苦手なので、あまり見てはいませんが、ホラーの中でも凄く怖い映画なんじゃないでしょうか。役者さんたちの芝居はとても自然で、印象に残りましたね」

――今回の出演には、どんな気持ちで臨まれましたか?
「オリジナルの作品がヒットしましたから、それ以上にしたいなという気持ちは当然あります。日本で作る以上、日本らしさを出しながらやっていければ、と」

――お姉さん役の青山輪子さんの印象を。
「初めてお仕事させてもらいましたが、本当に設定のままですね。お姉さんという感じで接してもらっています。」

――長江監督の演出の印象は?
「僕がカメラを持ってワンカットで撮るというのが基本ですが、監督は色々なパターンを試しています。だから芝居は、いつも新鮮な気持ちでやることができますね。変に慣れることなく、楽しんでやらせてもらっている感じです」

――カメラを持って演技するという経験は珍しいと思いますが、いかがでしたか?
「やってみると大変です。話しをして、プラス、ちゃんと相手を映さなきゃいけないわけですから。どっちかに集中すると、どっちかがダメになるということが多いですね。それとカメラはけっこう重くて、ワンカットが長い場合は腕が疲れます。それでもけっこう自分で撮っているので、エンドロールには"撮影:中村蒼"とクレジットして欲しいぐらい(笑)」

――アドリブが多いですが、お得意ですか?
「得意ではないですね。撮影に入る前に監督から"台本通り言わなくていいから"と言われていましたが、通常はセリフをちゃんと覚えて現場に入ります。それに比べると、今回はセリフを覚えず、"結局は何を伝えたいのか"ということだけを順に入れて臨みましたね。とはいえ、通常の撮影とは違うので、クランクインの前日には"自分は手を抜いてるんじゃないか?"と不安になりました(笑)。アドリブも最初は緊張して、うまくいかず手こずりましたが、やっているうちに楽しくなってきた。相手がどう反応するかわからないわけですが、さっきはこうだったけれど次は違う反応が返ってくるので、それに合わせて自分で話をする。こういうお芝居には独特の楽しさがありますね」

――もし実際に映画のような超常現象に遭遇したら、どうしますか?
「最悪ですね(苦笑)。耐えられないと思います。劇中の幸一は面白がってカメラで超常現象を撮ろうとしますが、自分だったらそんなことは絶対しませんね。お祓いをしてもらうか、家を出て行くか、でしょうね」

――このところの活躍は目覚ましいですが、どんな役者を目指していますか?
「もちろん長くはやっていきたいと思いますが、同時に"これ"という武器を持っている役者になりたいですね。役に柔軟に対応できる一方で"こういう設定の役だけは中村がピカイチだ"と思ってもらえるような役者になれたらいいなと思います」

――映画を心待ちにしているファンにメッセージをお願いします。
「ホラーが好きな方はもちろん、オリジナルを好きな方も楽しめると思います。僕たちは"オリジナルを超える作品を作りたい"と思ってやっているので、見てもらえればうれしいですね。この映画は、お化けが出たり、いかにも不気味な髪の長い女性が迫ってきたり…というようなタイプの映画ではありません。急に物が動いたり、落ちてきたりなどの、怖いと言うよりビックリに近いタイプなので、普通のホラーが苦手な方でも見ることができると思う。"私はホラーが苦手だから、コレは絶対見られない!"と思わず、誰かと一緒に見てもらえれぱいいかな、と思っています」

12月29日生まれ、千葉県出身。モデルやCM出演の仕事を精力的にこなし、2006年にテレビ東京系連続時代劇ドラマ『逃亡者おりん』で主役に抜擢され、女優としても広く認められるようになる。同年のオムニバス・ホラー『ラブサイコ』の一編"愛してる…"で映画初主演を務めた。続く2007年に『イッツ・ア・ニューデイ』、翌年の『ネコナデ』と順調にキャリアを重ね、2009年には香港映画『狼牙 Legendary Assassin』に出演を東たす。映画のみならずTVドラマヘの出演も相次ぎ印象的な演技を披露。「サラリーマン金太郎」シリーズにレギュラー出演して好評を博した。現在も映画やTV、CMと活躍の場を広げながら精力的に活動を展開中。

――オリジナルの『パラノーマル・アクティビティ』はいかがでしたか?
「リアリティがありましたね。これは本当にあった話なのか、作り物なのか、その境目が全然わからなくて。私はホラーが苦手なので、面白かったというよりは怖かったです」

――どんな気持ちで今回の撮影に望まれましたか?
「自分の中で今までにない、新しい作品になるなという緊張感はオリジナルの映画を見て、台本を読んで感じてました。実際そのとおりで、いかに自然感を出すかというのが難しくもあり、また面白くもあり。それと姉弟愛を、台本で描かれていない部分で見えるようにしたいと思って演じました。超常現象が起こることは皆さん想像されると思うので、その想像をいかに裏切ったり、裏切らなかったりするかが自分の課題でした」

――中村蒼さんとの共演の印象は?
「彼は役の上では"S"なんですが、私生活でもそうだと思う(笑)。私が車椅子で外に出ようとして出られなかったシーンで、蒼君はカメラを回しながら"ひとりじゃ無理なんでしょ?「手伝ってください」っていいなよ"とアドリブで(笑)。でも弟にそんなこと言われたら、"かわいい"と思うのかもしれませんね。実際、本人はとてもかわいくて、恋人というよりは、やはり弟ですね。連れて歩きたい」

――春花はしっかりした、お姉さん的なキャラクターですが、ご自分との共通点は?
「私はしっかりしていないですね。姉がいるので、姉を思い描いて演じました。私は仕事をしているときはしっかりしている方だと思っていますが、カメラの前にいないときはしっかりしてないんじゃないかな」

――長江監督の演出はいかがですか?
「ホラーに対して独特の感性をお持ちで、見ている人を怖がらせたいという、そういう楽しみ方あっての考えというのが見え隠れしていて、私は大好きです"あ、なるほど"と思える演出で、やり甲斐がありますね。楽しみながらやっています」

――アドリブ演技が多いことについては、いかがですか?
「最初にこの映画について話し合いをさせて頂いたとき、自然感を出すために、アドリブを入れていきたいとお話させて頂いて、監督もそれを受け入れて下さいました。自分の中で役をしっかり作ってからは、考えるというより、その時感じた素直な感情を表現できたので、楽しかったです。台本には描かれていない所から生まれたアドリブで、姉弟の愛情がより表現していける点が、いいですね」

――両足にギプスをしての撮影ですが、苦労はありますか?
「スタジオが3階建てなんですが、移動がひとりでできないこと。そして、差し入れで頂いたお菓子があるところまで、ひとりで行けないこと(笑)。自分の意思で勣けないのでフラストレーションがたまったり、不自由さを体感したことでより役の想像が広がり、演技には役立っています」

――もしも映画のような事態に直面したら?
「パニックです(笑)。本当に怖がりなので台本をいただいてから、灯りを消して寝れないです。家にいても物音がする度にハッとして、子犬みたいな状態でした(笑)。こんなことが実生活で起こったら、実家に帰りますね。ひとりではいられないです」

――ファンの方にメッセージを
「みなさんと一生懸命作りあげた作品です。お化け屋敷に行くような感覚で見ていただけたら、嬉しいです。もちろん怖いところもあり、笑えるところもあるので。普通のホラーとはちょっと違う仕上がりになっていて、楽しんで頂けると思います」

1966年2月11日、大阪府生まれ。97年、TVシリーズ「奇跡体験!アンビリバボー」の立ち上げからディレクターとして参加。以降、「学校の怪談 春の呪いスペシャル」や、「世にも奇妙な物語 春の特別編」(07)、オリジナルビデオ作品「ゴーストシステム」「本当は怖い童謡」など、怪談・心霊ドラマを数多く手掛けた。熱狂的なファンの支持を得るドラマ作りには定評があり、とりわけ「放送禁止」シリーズ(03〜)は深夜帯の放送で、わずか6回が作られただけだが、ドキュメンタリー番組のスタイルを踏襲してフィクションを撮る手法が論議を呼び、翌日のクレーム数ナンバーワンになると同時に熱烈な支持を獲得し、後に劇場版2編も製作された。

最近のドラマ作品では、深田恭子主演で人気を博した「富豪刑事」シリーズ(05・06/EX)や、大野智主演の「歌のおにいさん」(09/EX)などがある。映画では「放送禁止」の劇場販『放送禁止劇場版〜密着68日復讐執行人』(08)、『放送禁止 劇場版 ニッポンの大家族 Saiko! The Large Family』(09)の他、『阿波DANCE』(06)、『エンマ』(08)といった作品で監督を務め、リアリティと深みのあるドラマを演出。ハリウッド映画の続編を撮るという、並の監督ならば尻ごみしそうな企画に取り組んだ本作で、自らのスタイルを貫きつつ全く新しい戦慄のドラマを作り出した手腕は、高く評価されるに違いない。

――オリジナル版の『バラノーマル・アクティビティ』いかがでしたか?
「フェイク・ドキュメンタリーは僕も色々やってきましたが、これは新しい形だと思いました。"フェイク"というぐらいだから、言い方は悪いけれど、お客さんを騙そうとするものがフェイク・ドキュメンタリーだった。僕の「放送禁止」は騙すのではなく、新しい映像表現の形を心がけていましたが、『パラノーマル・アクティビティ』はドラマのシナリオがあり、映像の手法としてフェイク・ドキュメンタリーを用いた映画になっていた。非常に面白かったし、"ここまで来たか"という思いがありました」

――今回の作品には、どんな気持ちで臨まれましたか?
「続編ということで、物語はもちろんながら世界観や設定、手法がつながっているという形でシナリオを作りました。それが難しかったですね。まったくゼロからモノを作るわけでなく、オリジナルの世界観を踏襲しなけれぱいけない。オリジナルが非常に優れていたので、やる価値があるとは思いました。どこまでその世界観を踏襲し、どこまで新しいストーリーを作っていくか?そこが非常に悩んだ部分ですね」

――演出上、気をつけたい点は?
「オリジナルと異なるのは、一般人が撮るという体裁ではなく、中村蒼さんと青山倫子さんという、ある意味、名前も顔も知られている方が主役を務めるところ。そういう意味では、先の話とつながりますが、騙そうとする"フェイク"ではなく、映画の一つの表現手段としてのフェイク・ドキュメンタリーということが明確に出た。明確に出たぶん、ドキュメンタリー感をどこまで出して、どこまでやっちゃっていいのかということは気を付けました。例えば、幸一のようにすべての過程に対してカメラを向けるようなことは現実的ではないかなとも思いますが、そこはあえて幸一はすべてカメラを廻していたという設定で撮らなけれぱいけないし、ストーリーを続行させなけれぱならない。なので、このシーンをどういう映像で、どのアングル、どういうシチュエーションで撮るのかという点で、試行錯誤しました」

――中村蒼さん、蒼井倫子さんの印象を教えて下さい。
「初めての仕事でしたが、もちろん以前から名前も顔も知っていましたし、TVや映画で演技も目にしていたので、とても楽しみにしていました。実は台本を撮影ギリギリまで書いていたのですが、その途中でお二人に姉弟役をやっていただくと決まった。それを踏まえたら自然と発想が広がっていきましたね。年上のお姉さんに憧れている弟、という設定ができてストーリーラインが浮かび上がった。
実際にお会いして本読みをした際には、二人とも非常によく内容をわかってくれていました。台本に書いているセリフをそのまま言わないでほしいというリクエストも考慮して、すごくナチュラルでリアルな演技をしてくれた。アドリブは高度な演技ですが、息の合った呼吸でやってくれたのでリアリティが増しました。お二人の演技に関しては非常に満足しています」

――北米版の本家の続編は意識されていますか?
「向こうの内容をよく知らないので比べようがないんですけれど、逆に知っちゃってもよくないなあと思い、あえてチェックしていません。ただ、『パラノーマル・アクティピティ』というアメリカで生まれたひとつの世界観があって、日本でも続編ができるということは非常に面白いことだと思いますね。今までのJホラーとは違う形でつくりたいというプロデューサーの意向があり、僕もそう思って挑んだんですが、やはり日本を舞台にして日本人の役者が演じるということでアメリカ版とは違った恐怖が生まれると思う。怖さがジワッとにじみ出るような。見比べてみると面白いと思います」

――超常現象に遭遇したことはありますか?
「そういう番組の取材で心霊スポットのような場所にはよく行ったんですが、残念ながら僕には全く霊感がなくて。霊能者が"こんな危険なところにいてはいけない"というような場所でも、全く何も感じないんですよね。仕事だから、怖いとか言ってる場合じゃないという部分もあり、感覚がマヒしているのかもしれません。一緒に行ったADや助手は撮影の後に、嫌な現象に遭っていたようですが。ただ、そういうものはあるんだろうなとは思っています。超常現象や霊、悪魔の存在は科学的に解明されていませんが、そういうものがいる・あると思っている人間の心は確実に存在するんですよ。人間の心がそう思い続けている限りは、ひょっとしたらあるかもしれないし、こういう映画も必要とされるのではないでしょうか」

――これから映画をご賢になる方へメッセージをお願いします。
「日本にもアメリカにもちょっとなかった、不思議な怖い体験ができる映画になると思います。お化け屋敷に来るような感覚で劇場にきていただき、今まで体験したことのないような恐怖を体験してほしい」

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品番:BBXJ-2011
発売日:2011/03/04
価格:4,700円(税抜)
画面:16:9 [1080p Hi-Def] ビスタ
字幕:日本語本編字幕
音声:日本語 DTS-HD Master Audio 5.1ch サラウンド
製作国:日本
製作年:2010

特典映像
・予告編(劇場・TV)
・未公開シーン集
・メイキング

商品詳細

品番:BBBJ-8673
発売日:2011/03/04
価格:3,800円(税抜)
画面:16:9 ビスタ
字幕:日本語本編字幕
音声:日本語ドルビーデジタル5.1chサラウンド
製作国:日本
製作年:2010

特典映像
・予告編(劇場・TV)
・未公開シーン集
・メイキング

商品詳細