『G.I.ジョー』でハリウッドに進出し、TVシリーズ「IRIS-アイリス-」を大成功に導くなど、近年の活躍が目覚ましいイ・ビョンホン。今まさにスター俳優として輝かしい絶頂期にある彼にとって、究極の憤怒と悲しみの狭間で引き裂かれていく“冷徹なる復讐者”スヒョンの複雑なキャラクターは、疑いようもなくキャリア最大の挑戦となった。対するチェ・ミンシクは、『シュリ』『オールド・ボーイ』で韓国映画の躍進を牽引してきた名うての実力者。悪役も汚れ役も何でもござれの大物俳優がカリスマ性を遺憾なく発揮し、ひたすら快楽のみを貪り尽くす“純粋なる悪”ギョンチョルを比類なき迫力で体現した。
まるで氷と炎のように鮮烈なコントラストを成す二大俳優の初対決を演出するのは、『箪笥』『甘い人生』『グッド・バッド・ウィアード』といった快作を連打してきたキム・ジウンである。同世代のポン・ジュノ、パク・チャヌクと並び称せられる天才との呼び声も高い気鋭が、この世の地獄へと堕ちていく男たちの運命を、卓越したテクニックに裏打ちされた重厚かつダイナミックな語り口で描き出す。さらに本作は韓国で最も権威ある映画賞の青龍賞において、撮影賞、照明賞、音楽賞の3部門を受賞。キム監督と一流スタッフが腕によりをかけて創出したノワールな映像美が、映画に荘厳な神話性をも吹き込んでいる。
チェ・ミンシクが不気味に演じきる敵役ギョンチョルは、良心のかけらも持ち合わせていない悪魔そのものだ。誰もがイ・ビョンホン扮する悲劇の主人公スヒョンの境遇に同情し、極悪人に天罰を与える彼をヒーローと見なすに違いない。ところがギョンチョルへの報復に執着するスヒョンは、「怪物と闘う者は、自らが怪物と化さぬよう心せよ」という哲学者ニーチェの言葉さながらに人間の内なる闇に囚われ、彼自身も血みどろの残虐行為に手を染めていく。そんな善と悪の境界すら失われた予測不可能な物語の行き着く果てに、私たちはいかなる光景を目撃するのか。物議を醸すこと必至のラスト・シーンに震え、身も心も凍りついた観客は、この映画が囁きかける「真の“悪魔”とは何か?」という問いの答えを探さずにいられないだろう。1990年代末から驚くべき発展、飛躍を遂げてきた韓国映画界は、戦争アクションやラブ・ストーリーなど多様なジャンルのヒット作を世に放ち、アジアの映画シーンを活気づけてきた。とりわけパク・チャヌク監督の『復讐者に憐れみを』『オールド・ボーイ』、ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』『母なる証明』、ナ・ホンジン監督の『チェイサー』といったクライム・サスペンスは、濃密なスリルと人間の恐るべき本質をえぐる深みを兼ね備え、並外れた衝撃度&完成度の両面でセンセーショナルな反響を呼び起こしてきた。これら世界的に見ても希有な傑作の数々は、00年代における韓国映画最大の収穫と言って差し支えないだろう。
そして2010年、この分野の新たな地平を切り開く驚天動地の問題作『悪魔を見た』が誕生した。韓国映画がしばしば好んで取り上げる“復讐”をテーマにしたこの作品は、血も涙もない凶行を繰り返す猟奇殺人鬼とその追跡者の熾烈な攻防を描いているが、通常のサイコ・スリラーの定型を大胆に踏み外し、観る者を未知なる極限世界へと引きずり込んでいく。これほどまでに惨たらしく凄まじい復讐劇は、韓国はおろか世界中のどこを見渡しても前例はあるまいと思えるほどで、まさしく映画史にその名を刻もうとする作り手たちの意欲がぎらぎらと伝わってくる一作となった。ましてや、言わずと知れた韓国を代表するスーパースター、イ・ビョンホンと『オールド・ボーイ』の名優チェ・ミンシクが火花を散らす初顔合わせが、この神をも恐れぬプロジェクトで実現しようとは!
雪の夜道、車がパンクして立ち往生する若い女性が、通りがかった黄色いスクールバスを運転する男に連れ去られる。地元警察は大掛かりな捜索をおこない、やがて川底から、連れ去られた女性の頭部が発見される。
それは、重犯罪課の刑事であったチャンの娘ジュヨンであり、国家情報員捜査官スヒョン(イ・ビョンホン)の婚約者であった。
一ヶ月前に婚約したばかりの恋人を奪われたスヒョンは、最愛の女性を救えなかった自分を責め、絶望に苦しんだ末、犯人への復讐を誓う。
チャンから入手した捜査資料を元に、ギョンチョル(チェ・ミンスク)という男が犯人であることを突き止める。ギョンチョルは、自らの快楽のみを貪り、凶悪な殺人を繰り返す悪魔のような人間。
しかし、スヒョンはギョンチョルへとどめを刺すこと無く、GPS付きのカプセルをギョンチョルに飲み込ませ、凶行をおこなう度に制裁を加えていった。
しかし、追いつめるスヒョンの復讐を嘲笑うかのようにギョンチョルは殺人を続け、遂にはGPSを仕込まれたことを逆手にスヒョンへの反撃を開始するのであった。
ギョンチョルへの抑えられない復讐心から、次第に自分自身も冷酷になっていくスヒョン。
善と悪の狭間で闘い続ける二人の闘いの結末は−−。
最初に脚本を読んだときは、キャラクターと物語が非常にシンプルだと思った。でも、僕は完全に間違っていたよ。撮影中、復讐に燃える男の強烈な怒りから氷のような冷淡さまで、微妙に変化する感情を表現するのが本当に難しかった。
これまでの映画では、感情を抑圧するか、怒りを爆発させるキャラクターを演じてきたが、このキャラクターにはその両面がある。スヒョンは婚約者を失い、復讐を誓う。そしてその過程を通して、ゆっくりと変化していくんだ。でもそれぞれの変化の過程で、僕は彼の基調となる悲しみと怒りを表現しようと努力した。
観客には、スヒョンの変化に共感し、彼の強烈な行動は、彼の中に渦巻く感情が引き起こした結果だということを感じ取ってほしいと思う。
1970年、ソウル生まれ。1991年にKBS14期公開採用タレントとして芸能界デビュー。TVドラマ「アスファルト 我が故郷」でプロの俳優としての第一歩を踏み出す。その後しばらくTVドラマ中心に活躍する一方、『誰が俺を狂わせるか』(95)で映画デビューを果たし、2000年には韓国の歴代興収記録を塗り替えた大ヒット作『JSA』で主要キャラクターのひとりである韓国軍兵士を好演。さらに2001年にチェ・ジウと共演したTVドラマ「美しき日々」がNHKで放送されたことで、日本でも多くの熱狂的ファンを獲得した。キム・ジウン監督と初めて組んだラブ・サスペンス『甘い人生』(05)では、映画評論家協会賞の主演男優賞などを受賞。アジアを代表するトップスターの地位を確立した後も、木村拓哉主演の『HERO』(07)への友情出演、『グッド・バッド・ウィアード』(08)でのキム・ジウン監督との2度目のコラボレーション、トラン・アン・ユン監督作品『アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン』(09)への出演、SFアクション『G.I.ジョー』(09)でのハリウッド進出など、活動のフィールドを意欲的に広げている。また最近では、総製作費15億円という壮大なスケールのTVドラマ「IRIS -アイリス-」も大成功を収め、その劇場版『アイリス -THE LAST-』でも主演を務めた。そのほかの主な映画出演作には『我が心のオルガン』(99)、『バンジージャンプする』(01)、『純愛中毒』(02)、『美しい夜、残酷な朝』(04)、『誰にでも秘密がある』(04)、『夏物語』(06)、『インフルエンス』(10・未)などがある。
ギョンチョルは人間ではない。純粋な悪として生み出されたキャラクターだ。彼を演じるために、私は自分の奥深くに潜む、暗く、邪悪で、暴力的な性質を引っ張り出そうとした。自分の行動に対して罪の意識も、理由も、後悔も感じない人間を演じるのは難しかったよ。
映画のタイトル同様、この物語は、悪魔は私たちの日々の生活に存在するものだということを気づかせてくれる。このキャラクターが代表しているものは、社会をあざける、やりきれない、途方もなく苦しい暴力だと思う。
12年を経て再びキム・ジウン監督や、撮影現場で一生懸命作業するスタッフたちと仕事ができて嬉しかった。この映画で演技し、自分の役割を果たせたことに大きな満足感を覚えている。
1963年、ソウル生まれ。高校在学中に劇団員として演技のキャリアをスタートさせる。長らく演劇界で地道に活動したのち、1990年のTVドラマ「野望の歳月」で一躍注目の俳優となった。その後も幾つかのTV作品や『ナンバー・スリー NO.3』(97・未)、『クワイエット・ファミリー』(98)といった話題作に出演し、韓国映画の新たな歴史を切り開いた大ヒット作『シュリ』(99)のテロリスト、パク・ムヨン役で強烈な存在感を発揮。また『ハッピーエンド』(99)、『パイラン』(01)、『酔画仙』(02)といった多彩なジャンルの映画でマルチな演技派ぶりを印象づけた。そしてパク・チャヌク監督のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作『オールド・ボーイ』(03)では、何者かに突然監禁され、壮絶な運命をたどっていく主人公オ・デスを鬼気迫る演技で体現。さらに『シュリ』のカン・ジェギュ監督と再び組んだ戦争スペクタクル超大作『ブラザーフッド』(04)で北朝鮮軍の大佐に扮し、味わい深いヒューマン・ドラマ『春が来れば』(04)では中年男の挫折と再生を感動的に表現した。続いてパク・チャヌク監督との2度目のコンビ作『親切なクムジャさん』(05)、ボクシングを題材にしたハードな人間ドラマ『クライング・フィスト』(05)に出演。最近では、国際的に評価の高いチョン・スイル監督の『ヒマラヤ、風がとどまる所』(08・未)の主演を務めている。
ひと気のない路上でギョンチョルに襲われ、無残に殺されてしまうスヒョンの婚約者ジュヨンを演じる。主な出演作/TVドラマ「クク島の秘密」「サケの夢」
姉ジュヨンの死に衝撃を受け、復讐に燃えるスヒョンの行動を諫めるセヨンを演じる。主な出演作/TVドラマ「タムナ」
凶悪犯罪課の元班長で、ジュヨンの父親であるチャンを演じる。
■1952年生まれ。劇団で長いキャリアを築いたのちに、『4人の食卓』(03)、『甘い人生』(05)、『四月の雪』(05)、『グッドモーニング・プレジデント』(09)などに出演。ソン・ガンホ、カン・ドンウォンと共演した近作『義兄弟 SECRET REUNION』(10)では、物語の鍵を握る重要人物“影”を演じた。
逃亡中の友人ギョンチョルを山荘にかくまう殺人鬼テジュを演じる。
主な出演作/『セブンデイズ』(07)、『ベストセラー』(10)。
娘を亡くした元上司チャンを気遣う凶悪犯罪課の現役班長、オ課長を演じる。1960年生まれ。『ビッグ・スウィンドル!』(04)、『デイジー』(06)などで刑事役をこなしてきた脇役俳優。そのほかの主な出演作に『二重スパイ』(03)、『人形霊』(04)、『クライング・フィスト』(05)、『卑劣な街』(06)、『GP506』(07・未)、『炎のように、蝶のように』(09・未)。
テジュの愛人で、ギョンチョルと関係を持つ妖艶な美女セジョンを演じる。
1984年生まれ。モデルとしてキャリアを積み、近年は女優として活躍中。主な出演作はノ・ジンス監督作品『空を歩く少年』(08・未)、チョン・ギフン監督作品『グッバイ、マザー』(09・未)、TVドラマ「職場恋愛バトル」。
私はいつも自分が観たいと思う映画を作ろうとしてきた。そして異なる映画ジャンルに真っ先に魅力を感じてきた。だが、この映画では特別なジャンルにこだわるよりも、復讐という名のもとに互いを苦しめ合うふたりの男の感情と行動にフォーカスを当てたいと考えた。
私は、活火山と氷のように冷たい狂気が激情の中でぶつかり合って爆発するような、原始的なエネルギーを見たいと思った。火の玉のように熱いチェ・ミンシクと、限界のない細かい表現力をもつイ・ビョンホンというふたりの俳優の火花を散らす対戦が見たかった。この映画は婚約者を悪魔のような殺人
鬼に殺され、あらゆる痛みと苦しみをその殺人鬼に味わわせようと計画するひとりの男の物語である。痛みの共有を描く物語とも言える。悪魔との闘いという意味では、宗教的な物語とも言える。非情な復讐をすることは正しいのか、その倫理観と命題に触れる映画でもある。愛する者のために何でもしようとする男を描いたラブストーリーでもある。だが観客には、ふたりの才能豊かな俳優の見事な演技合戦が創り出す究極のキャラクター像を楽しんでもらいたいと思っている。
復讐のために情け容赦なく互いを攻撃するこのふたりを通して、観客にはなぜごく普通の人生を送る者と悪魔のような人生を送る者がいるのか、考えてもらいたいと思う。さらに、いつどこですべてが狂い始め、我々はいったいどこに向かっていくのか、思いを巡らしてもらえれば幸いである。
1964年生まれ。舞台の演出などを手がけたのちに、『クワイエット・ファミリー』(98)で映画監督デビュー。それまでの韓国映画の泥臭いテイストとは異質の、洗練されたブラック・コメディとして大好評を博す。ソン・ガンホが主演を務めた第2作『反則王』(99)は、プロレスを題材にしたペーソスあふれる痛快コメディ。続いてオムニバス・ホラー『THREE/臨死』(02)に参加し、第1話「memories」の演出を担当した。そして韓国の古典的な怪談をベースにしたホラー映画『箪笥』(03)では耽美的かつ物哀しい恐怖を創造。同作品は2009年に『ゲスト』(未)というタイトルでハリウッド・リメイクされている。そしてイ・ビョンホンと初めてコラボレートしたノワール調のラブ・サスペンス『甘い人生』(05)では、それまで以上にスタイリッシュかつシャープな映像感覚を披露。チョン・ウソン、イ・ビョンホン、ソン・ガンホの三大スターと組んだ近作『グッド・バッド・ウィアード』(08)は、“キムチ・ウエスタン”とも呼ばれる西部劇風の冒険アクション大作で、カンヌ映画祭コンペティション部門に選定されるなど、国内外で大きな成功を収めた。
品番 BBXF-2020
発売日 2011/08/02
価格 4,700円(税抜)
画面 アメリカンビスタ
字幕 1.日本語字幕 2.日本語吹替字幕
音声
1.韓国語ドルビーTrue HD 5.1chサラウンド
2.日本語吹替ドルビーTrue HD 5.1chサラウンド
公開日 2011年02月公開
製作国 韓国
製作年 2010
初回生産特典
○スリーブケース仕様
<映像特典>
□本編Disc
● キャスト・スタッフ プロフィール (静止画)
● ビジュアル・パンフレット(静止画)
□特典Disc(本編141分+特典約158分)
● 予告編集(オリジナル+日本版)
● インターナショナル・バージョン本編
(音声:オリジナル韓国語 ドルビーTrue HD 5.1ch 字幕:日本語)
● 未公開シーン集 (監督コメンタリー付)
● 別エンディング (監督コメンタリー付)
● インタビュー集(イ・ビョンホン、チェ・ミンシク、監督)
● 監督来日時オフィシャルインタビュー
● メイキング〜2人の悪魔の物語〜
● コスチュームとヘア&メイクアップについて
● 二人の男〜ポスター撮影の記録〜
● アクションシーンの殺陣メイキング
● 韓国での試写舞台挨拶(イ・ビョンホン、チェ・ミンシク、監督)
※全て予定
品番 BBBF-8058
発売日 2011/08/02
価格 3,800円(税抜)
画面 アメリカンビスタ
字幕 1.日本語字幕 2.日本語吹替用字幕
音声
1. 韓国語ドルビーデジタル5.1chサラウンド
2. 日本語ドルビーデジタル5.1chサラウンド
公開日 2011年02月公開
製作国 韓国
製作年 2010
初回生産特典
○スリーブケース仕様
<映像特典(約57分)>
● 予告編集(オリジナル+日本版)
● キャスト・スタッフ プロフィール (静止画)
● ビジュアル・パンフレット(静止画)
● 未公開シーン集 (監督コメンタリー付)
● 別エンディング (監督コメンタリー付)
● インタビュー集(イ・ビョンホン、チェ・ミンシク・監督)
● 監督来日時オフィシャルインタビュー
※全て予定
品番 BBBF-8057
発売日 2011/08/02
価格 5,700円(税抜)
画面 アメリカンビスタ
字幕 1.日本語字幕 2.日本語吹替用字幕
音声
1.韓国語ドルビーデジタル5.1chサラウンド
2.日本語吹替 ドルビーデジタル5.1chサラウンド
公開日 2011年02月公開
製作国 韓国
製作年 2010
○オリジナルアウターケース仕様
<封入特典>
□大型謹製ポストカードセット(10枚)
□オリジナルフォトブック(24P)
<映像特典(合計約198分)>
□本編Disc(約57分)
● 予告編集(オリジナル+日本版)
● キャスト・スタッフ プロフィール (静止画)
● ビジュアル・パンフレット(静止画)
● 未公開シーン集 (監督コメンタリー付)
● 別エンディング (監督コメンタリー付)
● インタビュー集(監督、イ・ビョンホン、チェ・ミンシク)
● 監督来日時オフィシャルインタビュー
□特典Disc (約139分)
● イ・ビョンホンからDVD購入者へのスペシャルメッセージ
● イ・ビョンホン来日時オフィシャルインタビュー
● イ・ビョンホン フォトギャラリー
● ジャパンプレミア模様(イ・ビョンホン、監督)
● メイキング〜2人の悪魔の物語〜
● コスチュームとヘア&メイクアップについて
● 二人の男〜ポスター撮影の記録〜
● アクションシーンの殺陣メイキング
● 韓国での試写舞台挨拶(イ・ビョンホン、チェ・ミンシク、監督)
※全て予定
2011年10月4日DVD発売
出世を望む刑事×対立する検事×弱みを握る裏組織ー三者の思惑と欲望が絡み合う
骨太社会派サスペンス
名匠ポン・ジュノ(『母なる証明』)をして、「弱肉強食の韓国社会をこれほど赤裸々に描いた映画はかつてなかった」と言わしめた本作。全ての取引の発端となる“犯人捏造”。次第に泥沼にはまっていく刑事×検事×裏組織の3つ巴のかけひき。熾烈な弱肉強食社会で生き残るために必死であがく人間たちの姿を雄弁に描く。二転三転する驚きのラストは、そうせざるを得なかった1人の男の哀しみが相まって、衝撃共に、大きな感動を呼ぶ。本国韓国では2010年10月に公開され、映画を想起させる「検事とスポンサー事件」がおこる偶然も重なり、興行ベストワンを獲得、280万人を動員する大ヒットを記録した。

二人の時だけ、泣けた。漢江、その岸辺。引き寄せあう二人の魂に涙が堪えきれない。
偶然の出会い、それは最低最悪の出会い。でも、そこから運命が動きはじめた……。
「家族」という逃れられないしがらみの中で生きてきた二人。父への怒りと憎しみを抱いて社会の底辺で生きる男サンフンと、傷ついた心をかくした勝気な女子高生ヨニ。歳は離れているものの、互いに理由もなく惹かれあった。ある日、漢江の岸辺で、心を傷だらけにした二人の魂は結びつく。それは今まで見えなかった明日へのきっかけになるはずだった。しかし、彼らの思いをよそに運命の歯車が軋みをたてて動きはじめる……。

20年間、音信不通だった父の死の知らせを受け、ヘグクは、父が暮らしていた山奥の村を訪れる。村長の手伝いで葬儀をすませたものの、父の死因は明かされない。村長の一言で態度が変わる村人たちは、よそ者のヘグクをあからさまに警戒する。村の様子がおかしい事に気づき始めたヘグクは父の死因を探り始める。やがて浮かび上がる村の秘密?。父の素顔、村長の正体、30年前に起こった祈祷院での集団殺人事件?秘密の鍵を握るのは村長と3人の村人、そしてひとりの女。果たして父の死の真相は。30年前の事件との関係は・・・。

18ヶ月間だけ、刑務所の中で子供と暮らすことが許されている母親ジョンヘ。家族に見捨てられた死刑囚ムノク。哀しい事件によってミライを閉ざされた娘ユミ。
誰もが心の傷を抱える女子刑務所で、在監者たちによる合唱団が結成された。歌を通じて明日への希望を見出した彼女たちは猛特訓によって合唱を成功させるが、その時ジョンヘには最愛の子供との別れが待っていた・・・。会いたい人に会えない哀しみと音楽を通して生まれた友情はやがて美しいハーモニーとなり、クリスマスの舞台で思いもかけない奇跡を呼び起こすー。

漢方薬店で働きながら一人息子のトジュン(ウォンビン)を育て上げた母(キム・ヘジャ)。二人は貧しいながらも、母ひとり子ひとりで懸命に生きてきた。息子は、内気だが朗らかな純粋な青年であった。ある日、二人が住む静かな街で凄惨な殺人事件が起きる。一人の女子高生が無惨な姿で発見されたのだ。事件の第一容疑者として、トジュンの身柄が拘束された。彼の無実を証明するものは何もない中、事件の解決を急ぎ警察は形ばかりの捜査を行い、トジュンの逮捕に踏み切ろうと画策する。一方、弁護人はやる気もなく、有罪判決は避けられないように見えた。無実を信じる母親はついに自ら立ち上がり、息子の疑惑を晴らすため、たった一人で真犯人を追って走り出す。
