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レッド・バロン

ドイツ映画界がハリウッド超大作と見紛うほどの壮大なスケール感をこめて完成させた『レッド・バロン』は、第一次世界大戦中に生まれた“伝説”を今に伝える戦争ドラマである。主人公は、ドイツ軍の第11戦闘機中隊を連合国軍に最も恐れられる飛行隊へと鍛え上げ、自らも敵機、80機を撃ち落とすという前人未到の記録をうち立てた実在の撃墜王マンフレート・フォン・リヒトホーフェン。トレードマークの真紅の戦闘機にちなんで“レッド・バロン(赤い男爵)”と呼ばれた若きパイロットの波乱に満ちた生き様と、その知られざるナイーヴな素顔を、無数の複葉機が大空で激闘を繰り広げるダイナミックなスカイ・アクション満載で語り明かす。

貴族階級の軍人の子としてこの世に生まれ、若くして戦闘機乗りとしての類い希な才能を開花させたリヒトホーフェン。自軍を悩ますイギリス軍のエース・パイロットを撃墜し、軍人最高の栄誉であるプール・ル・メリット勲章を授かった彼は、“レッド・バロン”の異名をヨーロッパ全土に轟かせていく。しかし戦意高揚のプロパガンダをもくろむ最高司令部によって不死身の英雄に祭り上げられたリヒトホーフェンは、度重なる闘いで仲間たちを失い、敵の銃弾を浴びたことで心身共に深く傷つき、戦争そのものに疑念を抱くようになっていく……。

1914年6月18日、オーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者フランツ・フェルディナント大公が暗殺された事件をきっかけに勃発した第一次世界大戦は、その名の通り、人類が史上初めて経験する世界規模の大戦となった。当初は1914年のうちに早期終結するという楽観的な見方が大勢を占めていたが、ヨーロッパ諸国やアメリカ、日本といった列強の複雑な同盟&対立関係が絡み合うこの戦争は、予想に反して長期化。1918年まで足かけ5年に渡る死闘により、兵士約900万人、非戦闘員約1,000万人もの尊い命が失われたとされている。

また、第一次世界大戦は戦車や飛行機といった大型兵器が初めて本格的に投入された戦争として知られ、それまでのヨーロッパの伝統的な騎士道精神に基づく闘いの概念が覆された戦争でもあった。しかし当時、戦闘機を操るパイロットたちは“空の騎士”と呼ばれ、軍や市民を勇気づける多くのヒーローが誕生した。この歴史的な大戦で最大の成功を収めたリヒトホーフェンは、リーダーとしての優れた統率力やハンサムな容貌もさることながら、騎士道精神に満ちあふれた闘いぶりで民衆の絶大な支持を獲得。やがて1918年4月21日、リヒトホーフェンは25歳の若さで戦死を遂げるが、その知らせはまたたく間に世界各国に広まり、敵である連合国からも彼の死を惜しむ声が相次いだという。

みずみずしい青春映画や痛切な反戦映画の側面も併せ持つ『レッド・バロン』は、リヒトホーフェンがたどった軌跡を緻密な時代考証で再現し、戦場の“最後の騎士”というべき若者の内なる葛藤に肉薄。リヒトホーフェンが仲間たちと育んだ熱き友情ドラマ、美しく聡明な看護師ケイトとの切ないラブ・ストーリーを織り交ぜ、1世紀近くも語り継がれる英雄伝説の真実を感動的にあぶり出していく。

かつてジョン・ギラーミン監督の『ブルー・マックス』(66)やロジャー・コーマン監督の同名作品『レッド・バロン』(71)などでも映像化された伝説の名パイロット、リヒトホーフェン役に抜擢されたのは、現在のドイツ映画界を代表する若手実力派マティアス・シュヴァイクホーファー。リヒトホーフェン本人の生き写しではないかと監督やプロデューサーを驚かせた端正なルックスで、大空を駆けた勇者の凛々しさ、そして繊細な心を持つひとりの若者の苦悩をリアルに演じきった。

脇を固める主要キャストには、国際的な知名度を備えた人気スターが名を連ねた。リヒトホーフェンの人生観に多大な影響を与える平和主義者の看護師ケイトに扮するのは、TVシリーズ「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」のレナ・ヘディ。リヒトホーフェンと敵味方を超えた畏敬の念で結ばれていくカナダ人パイロット、ロイ・ブラウン大尉を『エリザベス』(98)、『恋におちたシェイクスピア』(98)のジョセフ・ファインズが演じる。さらに『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』(97)、『イングロリアス・バスターズ』(09)の個性派俳優ティル・シュヴァイガーが、リヒトホーフェンの頼もしい戦友ヴェルナー・フォス役で渋い魅力を放ち、ドイツの次世代スター候補たる若手俳優たちが飛行隊のメンバーをいきいきと熱演している。

アメリカなど海外市場への輸出も視野に入れ、ドイツ映画としては破格の製作規模となったこのプロジェクトを自ら立ち上げたのは、脚本家としても活躍するニコライ・ミューラーショーン監督である。最先端のデジタル技術をふんだんに駆使し、圧倒的なスピード感と臨場感がこもったドッグ・ファイトを描出。アナログな肌触りと古き良きロマンティシズムを宿す複葉機が、スクリーン狭しと縦横無尽に飛び交う雄大なる光景は、すべての観客の目を釘づけにするに違いない。

第一次世界大戦まっただ中の1916年、フランス北部。連合国軍が執り行う葬儀の会場に、突如としてドイツ軍の飛行隊が出現する。隊を率いるのは若き凄腕パイロット、マンフレート・フォン・リヒトホーフェン男爵。大胆な低空飛行で葬儀出席者の肝を冷やした彼の目的は、攻撃を加えることではなく、自分と渡り合って命を落とした敵のパイロットに敬意を表し、追悼の花輪を贈ることだった。颯爽と帰途についたリヒトホーフェンは、奇襲を仕掛けてきた連合国軍の飛行隊と一戦を交え、撃墜したカナダ人パイロットを地上で救助してやる。このとき重傷を負ったパイロットこそは、のちにリヒトホーフェンの好敵手となるロイ・ブラウン大尉だった。

イギリス軍のエース・パイロット、ラノー・ホーカー少佐を打ち倒して一躍名を上げたリヒトホーフェンは、1917年1月、ドイツ軍最高の栄誉であるプール・ル・メリット勲章を授与された。上層部は全軍の士気高揚のために“英雄”の存在が必要と考え、リヒトホーフェンを第11戦闘機中隊の指揮官に任命。さらに彼の弟ローターを同じ部隊に配属し、大空を駆けるリヒトホーフェン兄弟の活躍ぶりをプロパガンダに利用していく。その一方で怖いもの知らずのリヒトホーフェンは、「目立ちすぎて敵への不意討ちができなくなってしまう」という仲間の制止を振りきり、自らが乗る戦闘機を真っ赤に塗り上げる。これ以来、連合国軍はリヒトホーフェンを“レッド・バロン”の異名で恐れるようになった。

そんな死と背中合わせの戦争のさなか、リヒトホーフェンの胸をざわめかせたのは従軍看護師ケイトの存在だった。リヒトホーフェンはかつてブラウン大尉を救出した現場で初めて出会ったときからケイトの美しさに魅了されていたが、なぜか彼女の態度はいつも素っ気ない。戦争の犠牲となった無数の兵士たちを看取ってきたケイトには、まるでスポーツを楽しむかのように敵との殺し合いを繰り返すリヒトホーフェンの真意がまったく理解できなかったのだ。

その後も敵機を次々と撃破し、連戦連勝の快進撃を続けるリヒトホーフェンは生きる伝説というべきパイロットとなっていった。しかし皇帝ヴィルヘルム2世にもその功績を讃えられる陰で、彼は闘いを重ねるごとに大切な仲間をひとりまたひとりと失う悲しみに胸を締めつけられていた。

折しも1917年7月、敵の射撃を浴びて不時着したリヒトホーフェンは、辛くも一命は取り留めたものの頭部に深い傷を負ってしまう。

病院送りの憂き目に遭ったリヒトホーフェンの心を癒したのは、ケイトの手厚い看護だった。“レッド・バロン”の意外なほど繊細で純粋な一面に触れたケイトは、ディナーの誘いに応じ、彼にダンスの手ほどきをする。そしてレストランからの帰り道に、瀕死の重症患者が多数収容されている野戦病院に彼を案内した。そこで地獄のようなおぞましい光景を目の当たりにしたリヒトホーフェンは、人生観が変わるほどの強烈なショックを受ける。その直後、連合国軍の夜襲に反撃するため出陣した彼は、目眩や吐き気に襲われ、耐え難い敗北感を味わうのだった。

最高司令部はリヒトホーフェンに空軍の指揮を任せようとするが、彼の心は激しく揺れていた。大怪我を経験したことやケイトとの出会いによって無慈悲な戦争の残酷さを思い知ったリヒトホーフェンは、“英雄”である自分が兵士たちに偽りの希望を与え、勝ち目のない戦争を続けることに疑問を抱くようになったのだ。「降伏すべきだ」と歯に衣着せぬ発言をしたことで司令官の怒りを買った彼は、安全な地上勤務を願うケイトの意に反して飛行隊へと戻っていく。

1918年春、連合国軍に対するドイツ軍の総攻撃作戦が開始された。弟ロタールや残りわずかな戦友たちと勇敢な闘いを繰り広げたリヒトホーフェンは、基地を訪ねてきたケイトと対面する。
「君に会う前の僕は盲目だった。心の目を開けるよう君が教えてくれた。君と出会えたことが僕の勝利なんだ」。

そうケイトに感謝の言葉を告げたリヒトホーフェンは、完全に迷いを吹っきっていた。決して自分はベルリンの最高司令部が望むような“不死身の神”などではない。仲間と一緒に死ぬべき運命を受け入れるしかないのだ、と。やがて4月21日、リヒトホーフェンはすべてを覚悟したかのような清々しい表情で、最期の闘いに飛び立っていった……。

1981年、ドイツ・アンクラム生まれ。TV映画「Changing Skins」(97)でデビューして以来、数多くの受賞歴を誇り、ドイツで最も優れた若手俳優のひとりとして知られている。1999年のTVドラマ「Verbotenes Verlangen - Ich liebe meinen Schuler」でドイツTV賞、『Die Freunde der Freunde』(03・未)でアドルフ・グリム賞、『Off Beat』(04・未)でバイエルン映画賞最優秀新人賞を受賞。また『Off Beat』及びTV映画「Schiller」(05)、『Polly Blue Eyes』(05・未)で06年度ディーバ賞の最優秀若手ドイツ人男優賞に輝き、07年度バンビ賞の最優秀俳優賞も獲得した。

そのほかの主な出演作は『Nachts im Park』(02・未)、『フィアー・ドット・コム』(02・未)、『Soloalbum』(03・未)、『Hamlet X』(03・未)、『Die Klasse von ’99 - Schule war gestern, Leben ist jetzt』(03・未)、TV映画「Baal」(04)など。近作に『愛の涯 私は風になった』(07・未)、『Fata Morgana』(07・未)、『Rabbit Without Ears』(07)、『ワルキューレ』(08)、『ミッドナイト・トレイン』(09・未)などがある。

1973年、バミューダ諸島生まれ。『秘密』(92・未)でデビューし、『日の名残り』(93)、『ジャングル・ブック』(94)、『グロテスク』(95)、『フェイス』(97)、『ダロウェイ夫人』(97)、『イフ・オンリー』(98)、『オネーギンの恋文』(99)、『ゴシップ』(00)、『Aberdeen』(00・未)、『抱擁』(02)、『リプリーズ・ゲーム』(02・未)、『地獄の変異』(05)、『ブラザーズ・グリム』(05)、『ブロークン』(08)などに出演。『300<スリーハンドレッド>』(07)で演じたレオニダス王の王妃ゴルゴ役で知名度を高め、最近ではTVシリーズ「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」(08~09)の主演女優として世界的な人気を博している。

1963年、ドイツ・フライブルク生まれ。『バニシングストリート』(91・未)以降、ドイツ国内外で数多くの映画に出演し、監督、プロデューサーとしても活躍。製作・脚本・主演を兼任した『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』(97)で、日本でもその名を広く知らしめた。そのほかの主な出演作は『裏切りのKiSS』(98・未)、『ブルート』(98)、『リプレイスメント・キラー』(98)、『セックス調査団』(01)、『ドリヴン』(01)、『レボリューション6』(02)、『トゥームレイダー2』(03)、『キング・アーサー』(04)、『Uボート 最後の決断』(04)、『ドリームシップ エピソード1/2』(04)、『Rabbit Without Ears』(07・未/監督も兼任)、『イングロリアス・バスターズ』(09)など。

1970年、イギリス・ソールズベリー生まれ。ベルナルド・ベルトルッチ監督の『魅せられて』(96)で映画俳優のキャリアをスタート。『マーサ・ミーツ・ボーイズ』(98)、『エリザベス』(98)、米国アカデミー賞7部門に輝いた『恋におちたシェイクスピア』(98)で一躍スターの地位を確立し、その後も映画と舞台で幅広く活躍している。そのほかの主な出演作は『人妻』(99)、『スターリングラード』(00)、『キリング・ミー・ソフトリー』(01)、『DUST ダスト』(01)、『レオポルド・ブルームへの手紙』(02)、『ヴェニスの商人』(04)、『ダーウィン・アワード』(06)、『マンデラの名もなき看守』(06)など。最近では、TVシリーズ「フラッシュフォワード」の主演を務めた。

1980年、ドイツ・ミュンヘン生まれ。2002年以降「Kommissar Rex」「SK Kolsch」「Soko Leipzig」「Die Unzertrennlichen」などの人気TVシリーズや、「Raus ins Leben」、「Baal」、「Rose」、「Nichts ist vergessen」といったTV映画に出演。映画出演作には『Life Actually』(05・未)、『Beste Zeit』(07・未)、『Beste Gegend』(08・未)などがある。『レッド・バロン』出演後は世界各国の作品への出演オファーが相次いでおり、最近では『レディ・エージェント 第三帝国を滅ぼした女たち』(08・未)、『愛を読むひと』(08)、『バーダー・マインホフ 理想の果てに』(08)などに出演している。

1958年、ドイツ・シュトゥットガルト生まれ。カリフォルニア州ヴェニスに本拠地を置き、『オペレーション・デッドエンド』(85・未)、『ロマンス・オブ・テラー/呪われた女相続人』(86・未)、『Deadly Measures』(95・未)など、さまざまな長編映画の監督を務める。またアメリカとドイツの両国で多数のTV映画を手がけており、そのなかにはヨーロッパTVフェスティバルで最優秀サスペンス作品賞に選ばれた「Hals uber kopf」(96)、『クラッシュ2000』(99・未)、「Eine ehrenwerte Gesellschaft」(01)、「Mutter aus Heiterem Himmel」(05)などが含まれている。また脚本家としても引っ張りだこで、『クライマー』(01・未)、『シティ・オブ・ドッグ』(06・未)などの脚本を執筆。『レッド・バロン』の脚本は幾度も草稿を重ね、4年の歳月をかけて完成させた。

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品番:BIXF-0039
発売日:2011/12/02
価格:4,700円(税抜)
画面:16:9シネスコ[1080p Hi-Def]
音声:
1.英語ドルビーTrue HD 5.1chサラウンド
2.日本語ドルビーTrue HD 5.1chサラウンド(吹替)
字幕:1.日本語字幕 2.日本語吹替用字幕
公開日:2011年05月公開
製作国:ドイツ
製作年:2008

<特典映像>※予定
●キャスト・スタッフ プロフィール (静止画)
●“レッド・バロン” 人物伝(静止画)
●メイキング 約21分
●VFXメイキング 約12分
●未公開シーン集 約5分48秒
●アウトテイクス 約4分13秒
●撮影の裏側 約6分52秒
●劇場予告編 約4分20秒


商品詳細

品番:BIBF-8104
発売日:2011/12/02
価格:3,800円(税抜)
画面:16:9LBシネスコ
音声:1.英語ドルビーデジタル5.1chサラウンド 2.日本語ドルビーデジタル5.1ch(吹替)
字幕:1.日本語字幕 2.日本語吹替用字幕
公開日:2011年05月公開
製作国:ドイツ
製作年:2008

<特典映像>※予定
●キャスト・スタッフ プロフィール (静止画)
●“レッド・バロン” 人物伝(静止画)
●メイキング 約21分
●アウトテイクス 約4分13秒
●撮影の裏側 約6分52秒
●劇場予告編 約4分20秒


商品詳細