子供と女性が苦手なサラリーマン・河地ダイキチ(松山ケンイチ)が、亡くなった祖父のお葬式で出会ったのは、おじいちゃんの6歳の隠し子・鹿賀りん(芦田愛菜)。親戚中がりんをお荷物扱いし、世話を押しつけ合う中、そのやりとりに腹を立てたダイキチは思わず、りんに声をかけてしまう。
「俺ん家来るか?」
おじいちゃんそっくりのダイキチのスーツの裾をしっかりと握るりん。ダイキチの父・河地実(中村梅雀)は唖然とし、母・河地良恵(風吹ジュン)、妹のカズミ(桐谷美玲)らが止めるも、後にひけないダイキチは、りんを連れて帰る。
翌朝、りんに起こされたダイキチ。現実に小さい子供との生活がスタートしたことを目の当たりにし、昨日の言動を後悔するが、時すでに遅し。りんと一緒に朝ご飯を食べ、小さな手を引いてお買い物へ。りんからの一言で、保育園を探さなければならないと気付いたダイキチは、緊急一時保育先を、会社より遠いが24時間体制のある「ゆりかご保育園」に決定!
保育園初日。歩道橋を走りぬけ、満員電車に揺られ、りんを保育園に届け、その後もう一度満員電車に乗って出勤するダイキチ。上司や部下からの信頼も厚いダイキチは、ばりばりと仕事をこなした後、全力疾走でりんを迎えに行く……。そんな日々が続き、疲れ切ってしまうダイキチとりん。緊急一時保育も後3日となり、ダイキチは一つの大きな決断をする。それは、残業のない課に異動すること。部下の鈴木(木村了)に思いとどまるよう懇願されるが、ダイキチの決意は固い。かつてダイキチと同じように異動・降格を申し出たことのあるシングルで子育てをする同僚、後藤(池脇千鶴)に相談に乗ってもらうダイキチ……。
ダイキチは残業のない倉庫勤務となり、仲間たちと和気あいあいと仕事をする。新しく「はつはな保育園」に入園したりんは、やんちゃな男の子、コウキ(佐藤瑠生亮)と友達になる。そんな中、りんが毎晩おねしょをするようになってしまう。ダイキチはりんのことを責めず、自分は小5ぐらいまでおねしょをしていたと言って笑わせる。突然しんみりとして、「ダイキチも死んじゃうの?」とたずねるりんに、ダイキチは「死なない」と答え、りんをぎゅっと抱きしめる。やがてりんは、おじいちゃんとの思い出を語り始める。
ある日、ダイキチがりんを迎えに行くと、りんが抱きついて来た。コウキを迎えに来たシングルマザー、ゆかり(香里奈)は、りんに熱があることを見抜く。夫に先立たれ、モデルの仕事でコウキを育てる彼女。初めてのことにうろたえて焦っているダイキチを励まし、馴染みの病院へ彼とりんを連れて行く。
その後、ダイキチの徹夜の看病と、ゆかりの世話の甲斐あって、りんの熱は下がり、再び保育園に通い始める。
一方、伯父から、児童相談所の女性・杉山由美子(高畑淳子)を紹介され、施設に預けることを勧められる。しかし、ダイキチはりんを手放すことを強く拒否する。ある時、母子手帳を眺めているうちに、そこにHPアドレスが書かれていることに気づく。それは、漫画家の“西園寺まろん”ことりんの母親、吉井正子(キタキマユ)のホームページだった。
早速連絡を取ったダイキチは、りんを実家に預けて正子と会う。親としての責任感がまったくなさそうな正子。仕事を優先することを決意した彼女は自分がりんの母親である思わないようにしているとダイキチに告る。しかしひとつだけ「りんにあなたと同じ名字を使わせてあげて欲しい」とダイキチに頼むのだった。
徐々に絆も深まっていき、順調に見えたダイキチとりんの二人暮らし。だが、ある日、いつものようにダイキチが倉庫で働いていると、保育園から緊急電話がかかってくる。
「りんが居なくなった!」。
そう言い残して、倉庫を飛び出すダイキチ。
一方、ゆかりも同じく保育園から居なくなったコウキを探して、町を走りまわっていた。その頃、りんとコウキにしのびよる怪しい男(綾野剛)の影が・・・・・。一緒になって仕事を放り出して街中を探し出す同僚や、ダイキチの家族たち。
りんとコウキはどこへ向かっているのか。
どうなる、ダイキチとりんの共同生活?