いま、世界中から新作が待ち望まれる映画監督―園子温。ハードコアな猟奇描写とエロスが渦巻く問題作ながら、爆発的な大ヒットを記録した『冷たい熱帯魚』(11)の衝撃も記憶に新しい。もはや彼の一挙一動が、ニュー・センセーションの発動として、国内にとどまらず全世界から熱い視線を浴びているのだ。
そして園子温は、沸騰する期待の中で、またもや前人未到の「その先」へと歩みを果敢に進めた。前作に続き、実在の事件をベースに、2時間半のボリュームで観る者たちを愛と性の彼岸へと連れて行く究極のエンターテインメント『恋の罪』だ。
2009年に『愛のむきだし』でベルリン国際映画祭「カリガリ賞」「国際批評家連盟賞」受賞、2010年に『冷たい熱帯魚』でヴェネチア国際映画祭〈オリゾンティ部門〉正式出品、2011年に、本作でカンヌ国際映画祭〈監督週間〉正式出品にて初参加。『恋の罪』は、3年連続で三大映画祭出品という快挙を成し遂げた園子温のキャリアを揺るぎないものにする記念碑としても位置づけられるだろう。
物語は、21世紀直前―世紀末の渋谷区円山町ラブホテル街で実際に起きた殺人事件からインスパイアされたオリジナル・ストーリーである。
大都会の片隅。どしゃぶりの雨が降りしきる中、ラブホテル街の木造アパートで、女が無残な死体となって発見された―。刑事・和子(水野美紀)は謎の猟奇殺人事件を追ううちに、大学のエリート助教授・美津子(冨樫真)と人気小説家を夫に持つ清楚で献身的な主婦・いずみ(神楽坂恵)の驚くべき秘密に触れ引きこまれていく……。
事件の裏に浮かび上がる真実とは?
そんなサスペンスを軸に、3人の美しい大人の女たちの運命が交錯する。
悪の華をスクリーンに咲かせる妖艶なヒロインたち。役者生命を賭けた渾身の熱演で、3人の女優がこの難役に挑んだ。
『踊る大捜査線』シリーズを始め幅広い役柄をこなし、自ら演劇ユニットを主宰するなど精力的な活動で注目を集める水野美紀。仕事と幸せな家庭を持つにも関わらず、愛人との関係を断てない女性の渇きを繊細かつリアルに演じ新境地を披露している。『犬、走る』(98)など数多くの映画・舞台で活躍する冨樫真が演じるのは、社会的な地位がありながら狂ったように体を売る女。役柄に憑依したような怪演は、観る者を物語に引き込む。そして、『冷たい熱帯魚』の人妻・妙子役で開花した神楽坂恵が迫力ある演技で貞淑なセレブ妻の変貌を見事に魅せる。
まさに「最高の女優映画」と賞賛されるにふさわしい、身も心もむきだしの演技バトル。彼女たちが体当たりで魅せるのは、R-18の禁断の世界。激しいエロスが充満するドラマの中、詩人・田村隆一の「帰途」を引用した文学的アプローチ、映画『ベニスに死す』(71)でも知られるマーラー交響曲第五番の使用などクラシカルなムードも付与され、映画全体がバロック建築のように圧倒的な荘厳さで構築されていく。
セックスと愛。言葉とカラダ。背徳と家族。昼とは別の顔を持つ女たち。
日常の渇きから狂気へのラインを大胆に踏み越え、暗闇に堕ちてもなお―いや、堕ちていく恍惚の中でこそパワフルに光り輝く生命力。
そんな甘美すら感じさせる女の業に、園子温のたぐいまれな才能が掛け合わさった本作は、白昼夢を見ているようなリアル/ファンタジーを創出する。これは映画という表現そのもののネクストレベルだ!
殺人課の刑事、吉田和子(38才)。
激しい雨が降る夜、ラブホテルで浮気相手とセックスをしている最中、後輩刑事、木村一男から携帯に連絡が入る。
渋谷区円山町の廃墟と化した木造アパートで女性の死体が発見されたのだ。
マネキンと接合されている凄惨な変死体。壁には「城」と大きく書かれた謎めいた血文字があった。
優しい夫と可愛い娘に恵まれながら、密かに心と体の渇きを抱えている和子。彼女は事件の被害者女性に私的な興味を覚えながら、捜査を進めていく……。
専業主婦、菊池いずみ(29才)。ベストセラー作家の菊池由紀夫を夫に持つ彼女は、貞淑な妻として静かな毎日を過ごしていた。しかし仕事場へと夫を送り出した後は、家事以外に特にすることもなく、食事も大抵ひとりで取る。いつしかいずみは寂しさと虚しさを感じていた。
そんなある日、近所のスーパーマーケットでアルバイト募集の貼り紙を見つけたいずみは、昼間、食品売場で働くことを決める。
「いらっしゃいませ……ソーセージはいかがですか?」おどおどと慣れない試食コーナーに立つ彼女に、スーツの女が声をかける。
モデルプロダクションのスカウトだと聞いたが、翌日スタジオに出かけたいずみを待っていたのはアダルトビデオの撮影だった。
しかし、その日からいずみは変わり始める。女としての喜びに目覚め、職場でもすっかり明るくなった彼女は、夫には内緒で自ら男を誘って寝るようにもなった。
まもなく渋谷でカオルという名の若い男に声を掛けられたいずみは、道玄坂でひとりの女と運命的な出会いを果たす。
その女は尾沢美津子(39才)。派手なメイクとファッションで街角に立つこの売春婦は、表向きの顔は、東都大学で日本文学を教える助教授だった。誰もが認めるエリートとして生きる才媛の、裏に隠された過激な本性。
昼と夜の二重生活を送る彼女にいずみは惹かれ、大学の講義にも顔を出し、行動を共にするようになる。
「わたしのとこまで堕ちてこい」―まるで悪魔のようなささやきに導かれながら、いずみは美津子と共に廃墟アパートで男たちにカラダを売った。
やがて、人々の業火がむきだしとなって渦を巻く。美津子と、母親の志津に隠された戦慄の家族関係。
いずみが美津子に誘われ、ともに勤めるデリヘル「魔女っ子クラブ」に客としてやってきた由紀夫。
これまで隠蔽されてきた人間関係の澱みがすべて晒される。
カタストロフィーの時は近い。激しい愛憎がエスカレートして、互いに向けられる殺意。
3人の女の行き着く果ては―?
1974年、三重県生まれ。デビュー以降、『踊る大捜査線』「ビューティフルライフ」など多くのドラマや映画、CM、舞台に出演。ほかにも演劇ユニット「プロペラ犬」の主宰や、バッグブランド「THIRD FACTORY」プロデュース、執筆活動など多方面で活躍。舞台版「ゲゲゲの女房」では武良布枝役を演じる。日比谷シアタークリエにて9月29日から10月7日まで公演(10月上旬から11月上旬まで巡演公演予定)。2012年1月演劇ユニット「プロペラ犬」第4回公演「ネガヒーロー」SBGKシブゲキにて公演。
1973年、宮城県生まれ。蜷川幸雄演出「十二夜」で主演ヴァイオラ役を演じ注目を集める。映画では、98年『犬、走る』(崔洋一監督)でヒロインを演じ、高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。その後2000年『閉じる日』(行定勲監督)で主演を務め、『マブイの旅』(02/出馬康成監督)『凍える鏡』(08/大嶋拓監督)でヒロインを演じるなど数々の映像作品に出演。
1981年、岡山県生まれ。04年グラビアアイドルデビューし、07年に自身の著者を通してアイドル活動を卒業。本格的に女優としての活動を始める。『遠くの空へ消えた』(07/行定勲監督)、『プライド』(09/金子修介監督)、『13人の刺客』(10/三池崇史監督)などに出演後、園監督作『冷たい熱帯魚』(11)での熱演に注目が集まった。荒木経惟撮影の写真集「月刊NEO 神楽坂恵 THE LAST」が発売中。
1987年、『男の花道』でPFFグランプリを受賞。ぴあスカラシップ作品として制作された『自転車吐息』(90)は、ベルリン映画祭正式招待のほか、30を超える映画祭で上映。以後、『自殺サークル』(02)、『奇妙なサーカス』(05)、『夢の中へ』(05)、『紀子の食卓』(06)、『HAZARD』(06)、『エクステ』(07)、『ちゃんと伝える』(09)など衝撃作を続々と誕生させ、各国での受賞作多数。09年『愛のむきだし』で、第59回ベルリン映画祭「カリガリ賞」「国際批評家連盟賞」、第9回東京フィルメックス「アニエスベー・アワード」を受賞した。第67回ヴェネチア国際映画祭〈オリゾンティ部門〉に正式出品された『冷たい熱帯魚』(11)は国内外を問わず絶賛され話題を呼んでいる。2012年公開の『ヒミズ』は2011年ヴェネチア国際映画祭コンペティションに出品され、主演の2人染谷将太、二階堂ふみが「最優秀新人俳優賞(マルチェロ・マストロヤンニ賞)」を日本人で初の受賞という快挙をもたらした。
品番:BBXN-1083
発売日:2012/06/02
価格:5,800円(税抜)
画面:16:9アメリカンビスタ[1080p Hi-Def]
音声:日本語ドルビーTrueHD5.1chサラウンド
公開日:2011年11月公開
製作国:日本
製作年:2011
【特典】
<初回生産特典>
●スリーブケース
●フィクション・ノベル<菊池由紀夫 短編集>
本編で津田寛治演じる菊池由紀夫が熱く語るめくるめく官能恋愛小説の世界!
代表作「夜の動物園」のほか、「愛は世界を照らす」「男と女の形而上学」を収録。全13P。
<映像特典>
●監督・園子温の仕事~メイキング&インタビュー~
●公開までの軌跡~カンヌ映画祭&完成披露報告会&初日舞台挨拶~
●解禁!禁断の未公開シーン
●予告篇集【特報/劇場予告/TVスポット/3女優キャラ別予告/第4の女キャラ別予告/幻の男キャラ別予告】
<音声特典>
●女むきだしのオーディオコメンタリー(水野美紀×冨樫真×神楽坂恵×小島慶子“パーソナリティ”)
●罪深き男のオーディオコメンタリー(園子温×千葉善紀×飯塚信弘×谷川創平)
●名セリフ炸裂のキャストプロフィール
品番:BBBN-1084
発売日:2012/06/02
価格:4,700円(税抜)
画面:16:9アメリカンビスタ
音声:日本語ドルビーデジタル5.1chサラウンド
公開日:2011年11月公開
製作国:日本
製作年:2011
【特典】
<初回生産特典>
●スリーブケース
●フィクション・ノベル<菊池由紀夫 短編集>
本編で津田寛治演じる菊池由紀夫が熱く語るめくるめく官能恋愛小説の世界!
代表作「夜の動物園」のほか、「愛は世界を照らす」「男と女の形而上学」を収録。全13P。
<映像特典>
●監督・園子温の仕事~メイキング&インタビュー~
●公開までの軌跡~カンヌ映画祭&完成披露報告会&初日舞台挨拶~
●解禁!禁断の未公開シーン
●予告篇集【特報/劇場予告/TVスポット/3女優キャラ別予告/第4の女キャラ別予告/幻の男キャラ別予告】
<音声特典>
●女むきだしのオーディオコメンタリー(水野美紀×冨樫真×神楽坂恵×小島慶子“パーソナリティ”)
●罪深き男のオーディオコメンタリー(園子温×千葉善紀×飯塚信弘×谷川創平)
●名セリフ炸裂のキャストプロフィール