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哀しき獣

韓国国内で500万人超を動員、「2008年最高の映画10本に選出」、
「完璧、もしくはそれを上回る完成度」と言わしめ日本でも大ヒットを記録した『チェイサー』(08)。

強烈な演出センスと映画制作全てのディテールにまでこだわりを見せたナ・ホンジンは、韓国アカデミー賞をはじめ、名だたる映画賞の主要部門を完全独占。その熱はカンヌ国際映画祭から各国へと飛び火し、世界を震撼させた。こうした長編監督デビュー作として目覚ましい成果を挙げたプレッシャーが、第2作目に取り組むナ・ホンジンのたゆまぬ努力をより一層高める結果となった。

300日間に及ぶ撮影(通常の映画撮影の2倍の期間)を通じて、血と汗と情熱が本作に注ぎ込まれ、5000というカット数と250にも及ぶ血が凍りつくようなバイオレンスシーンが生み出された。「カットからカットへの移り変わりを、流れるようなスピード感で表現したかった」とナ・ホンジン監督は語る。そしてついに完成した作品、それが『哀しき獣』である。

延辺朝鮮族自治州でタクシー運転手を営むグナムは借金の取り立てに追われ、韓国に出稼ぎに行った妻とは音信が途絶えていた。借金を返そうと賭博に手を出し逃げ場を失ったグナムに、殺人請負業者ミョンは韓国へ行ってある人間を殺したら借金を帳消しにすると持ちかける。グナムは苦悩の末に、借金を返す為、そして妻に会いたい一心で密航船に乗り黄海を渡る…。しかし、そこで彼を待ち受けていたのは、深奥なる闇だった―。

過酷な運命に翻弄され警察、黒幕全てから追われる身となりながらも、愛する妻に会うために孤軍奮闘するグナム(ハ・ジョンウ)の悲哀が観る者の胸をしめつけ、悪魔さえ平伏す卑劣な殺し屋ミョン(キム・ユンソク)が、観客を極限の闇へと引きずり込む。呼吸すら忘れてしまうほどの緊迫感が支配する映像、そして人間の恐ろしくも哀しき本質を描ききった本作は、「チェイサー」をも遥かに凌駕し、究極なる衝撃を放つ―。

「『チェイサー』を観た時から、ナ・ホンジンに注目していた」
―フォックスインターナショナル・プロダクションズ代表 サンフォード・ペイニック

『チェイサー』でナ・ホンジン監督の才能に惚れ込んだ、FIP(フォックス・インターナショナル・プロダクションズ)が、本作に出資、またナ・ホンジン監督が手掛けるハリウッド版のリメイク(ならびに続編)への参加権をも既に獲得している。
これは、韓国映画史上初の偉業である。また、本作が出品された第64回カンヌ国際映画祭では、ナ・ホンジン監督の名前だけで注目が集まり、フランスの配給会社は事前に配給権を取得、さらに本国での公開前にもかかわらず、09年の香港アジア・フィルム・ファイナンシング・フォーラムにてHAFアワードを受賞。ハリウッドのみならず、アジア、ヨーロッパ、そして世界各国で幅広く注目される作品となっている。

「最高の脚本であることと互いへの敬意から、我々は出演を決めた」
―ハ・ジョンウ、キム・ユンソク

『チェイサー』でタッグを組み、今や韓国映画界で確固たる地位を築いた2人がその脚本の素晴らしさから再び集結。
鋭い感受性を備えた演技力で、『ノーボーイズ、ノークライ』(09)『国家代表!?』(09)等、変化に富んだキャラクターの数々を自在に演じてきたハ・ジョンウ。本作では更なる変身ぶりと、成熟した演技力で、悲哀を背負うグナムを見事に体現している。

『チェイサー』で、08年の映画賞で男優賞をはじめ数々の栄誉に輝いたキム・ユンソクは、『亀、走る』(09・未)『チョン・ウチ 時空道士』(09)でトップスターとしての地位を不動のものとし、本作では徹底的な役作りからキャリア史上最も卑劣な役、悪の道を生きるミョンを演じている。この2人でしか生み出せない圧倒的なカリスマ性が、観客に息を呑むほどのスリルを与える。

北朝鮮とロシアに接する中国領に「延辺朝鮮族自治州」がある。州人民政府所在地は延吉市。ここに住むのは約40%(80万人)が朝鮮族、すなわち韓国系中国人である。

中国、延辺朝鮮族自治州・延吉でタクシー運転手を営むグナム(ハ・ジョンウ)。
妻、そして娘と共に暮らしていたが、生活が苦しく最愛の娘はグナムの母親にあずけ、
妻は韓国へ出稼ぎに。しかし、その妻からの送金はなく、音信さえ途絶えていた。妻の入国資金として作った借金が6万元。グナムは、妻のいない寂しさと、借金を返そうとわずかな元手で高いレートの麻雀に手を出し大負けてしまう。借主からは五臓六腑、娘を売り飛ばしてでも借金を返せと迫られていた。そんなある日、地元・延吉を仕切るミョン(キム・ユンソク)から、借金を帳消しにする代わりに、ある取引を持ちかけられる。それは韓国へ行き人を1人殺すことがその条件だった。グナムは苦悩するも、選択の余地などなく、また韓国へ行けば愛する妻に会えるかもしれないという期待から密航船に乗り、黄海を渡るー。

韓国に密入国を果たしたグナムは、殺害ターゲットがいるソウルに向かう。ターゲットは、体育大学の教授、キム・スンヒョン。グナムは、スンヒョンの行動パターンを観察し、暗殺の準備を進める一方、妻の行方を捜しはじめる。帰国期限が迫ったある日、妻の情報を聞きつけ、妻が住むアパートを突き止めるもそこに妻の姿はなく、隣人の男に話を聞くと男と争って二人で出て行ったという。
延吉にいるミョンに電話をし、妻を探す為に中国に戻る船便を遅らせてほしいと懇願するも、ミョンは聞く耳を持たないばかりか殺害に失敗したら「母親、娘を殺す」と言い放つ。そしてグナムは覚悟を決め、スンヒョンを殺すことを決意する。ところが暗殺に乗り出そうとした直前、何ものかによって目の前で殺されてしまう。グナムは動揺しながらも、ミョンより厳命された殺しの証拠となる死体の親指を切り落とし急いで立ち去ろうとした瞬間、そこへ警察が駆け付ける。

犯していない殺人の罪から逃れ真実を暴こうとするグナムに、警察、そして、黒幕の追跡の手が迫る―。

1978年生まれ。母親探しに訪れた韓国で国家代表に選ばれてしまったスキージャンプ選手、異常連続殺人鬼にいたるまで、これまでに幅広い演技力を披露している。商業映画や大作への出演を続ける若手俳優とは異なり、自らの演技力に磨きをかけるようなインディペンデント映画や独自の作品の数々に出演を続けている。キム・ギドク監督の目にとまり『絶対の愛』(06)『ブレス』(07)に出演したことが、大作指向とは正反対ともいえる作品選びの姿勢を示す一例となる。08年には、『チェイサー』『ビースティ・ボーイズ』(未)、『素晴らしい一日』の3本の映画に出演し、09年には、『ノーボーイズ、ノークライ』で妻夫木聡とW主演も務めている。天性ともいえる抜群の演技力、鋭い感受性の持ち主とまで言わしめ、韓国映画界で最も人気の高い役者のひとりとしての地位を確固たるものにしている。12年には、主演作である法廷スリラー『依頼人』が日本で公開予定。

主な出演作:『パラレルライフ』(10)『ノーボーイズ、ノークライ』(09)『国家代表!?』(09)『素晴らしい一日』(08)『ビースティ・ボーイズ』(08・未)『チェイサー』(08)『Never Forever』(07・未)『ブレス』(07)

1968年生まれ。88年に舞台で俳優デビュー。
人気作品への出演が多くなかったことで、その真の才能は知られていなかったが、『タチャ イカサマ師』(06)で一躍脚光を浴びる。そして『チェイサー』(08)では、その持前のエネルギーを炸裂させ、異常殺人犯を独力で追う元刑事を熱演。さらにこの刑事役では、善と悪の2面性を見事に演じて見せ、様々な映画祭で主演男優賞に輝いた。その後も、『亀、走る』(09・未)、カン・ドンウォン主演作『チョン・ウチ 時空道士』(09)などに出演し、アクション、スリラー、コメディ、ドラマと幅広い演技力を披露。どんな役を演じるにも、ディテールにまでこだわり抜いたパフォーマンスを見せる、韓国映画界きっての実力派俳優のひとりである。

主な出演作:『チョン・ウチ 時空道士』(09)『亀、走る』(09・未)『チェイサー』(08)『楽しき人生』(07)『タチャ イカサマ師』(06)『ヨコヅナ、マドンナ』(06)

1966年生まれ。「火山高」(01)、「美しき野獣」(05)、「フライ・ダディ」(06)他、数々の話題作に出演し、最近では、「成均館スキャンダル」他、多数のテレビドラマにも活躍の場を広げている。映画『執行人』(09/コリアン・シネマ・ウィーク2010)では冷血な連続殺人鬼を演じ、「成均館スキャンダル」で演じた慈悲深い教師とはまったく異なるキャラクターを披露、観客に強烈な印象を残した。本作では、その存在感とカリスマ性がストーリーに深みと多様性を加えている。

主な出演作:『The Recipe』(10・未)『執行人』(09/コリアン・シネマ・ウィーク2010で上映)『青い自転車』(07・未)『フライ・ダディ』(06)『美しき野獣』(05)

1974年生まれ。
漢陽大学でインダストリアル・アートを専攻し、その後、韓国芸術総合大学を卒業。2005年、短編『The Perfect Fishplate』で、韓国のみならず世界各国の映画祭で多くの賞を受賞。そして、『チェイサー』(08)で衝撃的な長編映画監督デビューを飾っている。同作では観客動員500万人を突破し大ヒットを記録。本作では韓国映画史上初のフォックス・インターナショナル・プロダクションからの出資を獲得。余韻を含んだストーリーとスピーディなカットを持ち味に、今後の韓国映画界を力強くリードし、新たな波を起こす映画監督として大きな期待が寄せられている。

フィルモグラフィー:長編『チェイサー』(08)
第61回カンヌ国際映画祭 特別招待作品 ミッドナイト・スクリーニング部門
第45回韓国アカデミー賞(大鐘賞)主要6部門受賞
第7回大韓民国映画大賞 主要7部門受賞
第27回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭 ベスト・スリラー賞受賞
第31回ゴールデン・シネマトグラフィ・アワード 新人監督賞受賞 他

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品番:BIXF-0053
発売日:2012/06/02
価格:4,700円(税抜)
画面:16:9シネスコサイズ
字幕:
1.日本語字幕
2.日本語字幕(吹替用)
3.日本語字幕(オーディオ・コメンタリー用)
音声:
1.オリジナル韓国語(DTS-HD MasterAudio 5.1ch)
2.日本語吹替(DTS-HD MasterAudio 5.1ch)
3.韓国語コメンタリー(ドルビーデジタル2.0chステレオ)
公開日:2012年01月公開
製作国:韓国
製作年:2010

【初回生産特典】
●アウターケース

【映像特典】
●メイキング ●予告編(韓国版、日本版)
●ナ・ホンジン監督インタビュー ●東京国際映画祭 ティーチイン
●キャスト&スタッフ・プロフィール(人物相関図)

【音声特典】
●監督、キャストによるオーディオ・コメンタリー


商品詳細

品番:BIBF-8162
発売日:2012/06/02
価格:3,800円(税抜)
画面:16:9シネスコサイズ
字幕:1.日本語字幕 2.日本語字幕(吹替用)
音声:
1.オリジナル韓国語ドルビーデジタル5.1chサラウンド
2.日本語ドルビーデジタル5.1chサラウンド
公開日:2012年01月公開
製作国:韓国
製作年:2010

【映像特典】
●予告編(韓国版、日本版)
●ナ・ホンジン監督インタビュー
●東京国際映画祭 ティーチイン
●キャスト&スタッフ・プロフィール(人物相関図)

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