1965年フランス、オー・ドゥ・セーヌ生まれ。父はル・モンド紙の記者、母は文芸評論家。オクール・イオセリアーニ監督作『Les Favoris de la lune』(84)で映画デビュー。ルイ・マル監督作『さよなら子供たち』(87)でアシスタントとして撮影にかかわる。アルノー・デプレシャン監督作『そして僕は恋をする』(96)、ラウル・ルイス監督作「犯罪の系譜」(96/TV)に出演し、パリの若者たちに人気を博し、前者の作品でセザール賞有望男優賞受賞。以降、アンドレ・テシネ監督作『溺れゆく女』(98)、オリヴィエ・アサイアス監督作『8月の終わり、9月の初め』(99)などに出演。アルノー・デプレシャン監督作『キングス&クイーン』(04)とジュリアン・シュナーベル監督作『潜水服は蝶の夢を見る』(07)でセザール賞主演男優賞を受賞。『潜水服は蝶の夢を見る』はアカデミー賞に4部門でノミネートされた。スティーヴン・スピルバーグ監督作『ミュンヘン』(05)では作品の鍵を握る主人公に協力するフランス人役、007シリーズ第22作目『007/慰めの報酬』(08)の悪役ドミニク・グリーンを演じるなどで、ハリウッドでもその演技力を評価される。映画監督にも進出し、長編処女作『Mange ta soupe』(97)を発表、巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督に絶賛された。監督・主演を務める『さすらいの女神(ディーバ)たち 』(10)では第63回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞した。その他出演作にアルノー・デプレシャン監督作『クリスマス・ストーリー』(08)、アラン・レネ監督作『風にそよぐ草』(09)、リュック・ベッソン監督作『アデル/ファラオと復活の秘薬』 (10)など。パリのLaFemisの教授も務める。
1965年ポルトガル、リスボン生まれ。15歳で映画デビュー。フランスで演劇を学び、『ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女』(90)のアナイス・ニン役で注目される。『パルプ・フィクション』(94)ではブルース・ウィリスのガールフレンドを演じる。『Três irmãos』(94)でヴェネツィア国際映画祭女優賞受賞。映画監督としても活動し、ポルトガルのカーネーション革命を題材とした監督・出演作『Capitães de Abril』が第53回カンヌ国際映画祭で上映された。その他出演作に『死ぬまでにしたい10のこと』(03)、『ぼくセザール10歳半1m39cm』(03)などがある。
1952年イタリア、ローマ出生まれ。父親は映画監督のロベルト・ロッセリーニ、母親は女優イングリッド・バーグマン。母主演の『ザ・スター』(76)で映画デビュー。その後、イタリアのテレビのバラエティ番組でロベルト・ベニーニと共演。『ホワイトナイツ/白夜』(85)で映画女優としてのキャリアを歩み始め、デヴィッド・リンチ監督作品『ブルーベルベット』(86)に出演し脚光を浴びる。マーティン・スコセッシと結婚し、離婚、ゲイリー・オールドマンと婚約し、破局するなど私生活も注目された。15年あまりの間、フランスの化粧品会社LANCOME/ランコムのイメージモデルを務める。
1983年、イラン・イスラム共和国テヘラン生まれ。14歳の時、イラン映画『Derakhte Golabi』でデビューし、テヘランでおこなわれた第16回ファジュル国際映画祭において最優秀女優賞を受賞し、本格的に女優としての活動を開始する。『Boutique』(04)で、26回ナント三大陸映画祭で最優秀女優賞を受賞し、名実ともに革命後の現代イラン・イスラム共和国における顔となる。バフマン・ゴバディ監督作『半月〜ハーフムーン〜』(06)に主演。リドリー・スコット監督作『ワールド・オブ・ライズ』(08)ではレオナルド・ディカプリオの恋人役で出演するなど活躍の場を広めるが、この出演がきっかけで、彼女はイラン政府当局より本国からの出国禁止処分を受ける。その後、処分は解かれたが現在はパリに在住している。アスガル・ファルハディ監督作『彼女が消えた浜辺』(09)主演で、ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞。待機作として、ラシッド・ブシャール監督作『Just Like a Woman』などがある。
1972年、フランス・パリ生まれ。マルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴの間に生まれ、デビュー作『私の好きな季節』(93)で母親と共演した。現在はフランス、イタリアを中心に女優として活躍している。マルジャン・サトラピとヴァンサン・パロノーの前作『ペルセポリス』(07)では主役マルジの声を担当。その他の出演作に、マノエル・デ・オリヴェイラ監督作『クレーヴの奥方』(99)、アルノー・デプレシャン監督作『そして僕は恋をする』(96)などがある。
1975年、フランス・パリ生まれ。俳優としてだけではなく、プロデューサー、そしてコメディアンとしても活躍している。数本の短編映画への出演を経て、大ヒット作『アメリ』(01)に出演、また『ミッション・クレオパトラ』(02)の好演を経て人気を不動のものとした。ラシッド・ブシャール監督作品『デイズ・オブ・グローリー』(06)でカンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を、主演を演じた5人のうちの1人として受賞。その他の出演作にスパイク・リー監督作『セレブの種』(04)、リュック・ベッソン監督作『アンジェラ』(05)などがある。
1970年、フランス、イル=エ=ヴィレーヌ県生まれ。コンセルヴァトワール、ニューヨークのアクターズ・スタジオで演技を学ぶ。舞台で経験を積んだ後、数本の短編映画に出演。フランソワ・デュペイロン監督作『うつくしい人生』(99)では、家族崩壊の危機に直面する中で、自分の生きる道を見つけていく農家の青年を好演し、セザール賞有望若手男優賞を受賞。その他の出演作に、ジャン=ピエール・リモザン監督作『NOVO/ノボ』(02)、ベルリン映画祭銀熊賞受賞パトリス・シェロー監督作『ソン・フレール-兄との約束-』(03)などがある。また、写真家としても活躍している。
1966年、フランス・パリ生まれ。ラジオ番組の司会者として人気を集め、その後、テレビや映画でも活躍するようになる。フランスでの大ヒット作『ミッション・クレオパトラ』(02)に出演後、『モリエール 恋こそ喜劇』(07)でロマン・デュリスやファブリス・ルキーニらと共演。クロード・シャブロル監督作のサスペンス『引き裂かれた女』(07)に出演し、これまでコメディ作品への出演が多かったが、新境地を開く。
1969年イラン北部、ラシュト生まれ。進歩的な上流階級の家庭に育ち、少女時代に当時のパーレビ国王の失脚とイラン革命、そしてイラン・イラク戦争を、技術者の父らと共に市民の側から目撃する。テヘランのフランス人向けのリセで学んだのち、ウィーンでも学業を修め、1994年に渡仏。パリに到着してただちに、アトリエ・ド・ヴォージュ(※現代のコミック用イラストレーションにおける大物が何人も現れる共同アトリエ)に参加。イランでの幼少期とヨーロッパでの少女時代を描いた自伝的作品「ペルセポリス」で世界的な名声を得る。「ペルセポリス」第2巻は2002年、アングレーム国際漫画祭で最優秀脚本賞を受賞。この作品で、ヴァンサン・パロノーとの共同監督で長編アニメーション映画が製作され、カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。第80回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネート。日本でも2007年に公開され、その独特な世界観が話題となる。その後、「刺繍―イラン女性が語る恋愛と結婚」と「鶏のプラム煮」を刊行。「鶏のプラム煮」は2005年のアングレーム国際漫画祭で最優秀作品賞を受賞。2009年には、リアド・サットーフの映画『Les Beaux Gosses (The French Kissers)』に出演し、アリエル・ドンバールのアルバム「Glamour à mort」に収録の「Poney Rose」の歌詞をフィリップ・カトリンと共同で書き、イギー・ポップのアルバム「プレリミネール」のジャケット・イラストを描きおろす。また、ニューヨーク・タイムズに、不定期でイラスト入りのコラムを執筆するなど、多方面で活躍している。『チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜』は『ペルセポリス』に続いて、ヴァンサン・パロノーとのコンビで監督を務める2作目の映画となる。
1970年フランス、ラ・ロシェル生まれ。ヴィンシュルスの別名でも活躍するパロノーはアンダーグラウンドのコミック本の重要人物である。友人でありパートナーであるシゾーと共同で「Ferraille Illustré」誌の象徴であるキャラクター、“Monsieur Ferraille”を作る(シゾー、フェルダーと共に共同編集長を務める)。単独で「7 Façons d’en finir avec l’humanité」(99)、「Super Negra」(99)、「Welcome to the Death Club」(01)、「Pat Boon - ”Happy End”」(01)、「Smart Monkey」(04)、「ピノキオ」(08)を刊行。アングレーム国際漫画祭では3回候補となる。2004年に「Smart Monkey」、2007年に「Wizz et Buzz」、2009年に「ピノキオ」だ。「ピノキオ」では最優秀作品賞を獲得している。映画では、中編映画『VILLEMOLLE 81』をシゾーと共同監督、2本の短篇アニメ映画『RAGING BLUES 』(03)と『O’BOY, WHAT NICE LEGS!』(04)、ドキュメンタリー『HOLLYWOOD SUPERSTARS AVEC MR FERRAILLE – LA BIOGRAPHIE NON AUTORISEE DE MR FERRAILLE』を撮影。