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イタリアの名匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督と、『ニュー・シネマ・パラダイス』以来、彼とずっとタッグを組んできた音楽のエンニオ・モリコーネ。世界中から称賛を浴び続け、確固たる地位と名誉を築いた57歳と85歳が再び手を取り合って、軽やかに大胆に新たなる時代の扉を開ける、最新作が完成した。シチリアを主な舞台に、観る者を感動の涙で包んできた二人が、圧倒的なストーリーテリングと、それを引き立てる哀切に満ちた音楽を披露するために選んだ、次なるステージ─それは、退屈な日常から遠く離れて、豪華で知的で刺激的な、謎解きのひと時を堪能させてくれる、極上のミステリー。イタリアの人々は、意表を突くこの挑戦の素晴らしいパフォーマンスに魅了され、あふれんばかりの拍手喝采を贈った。なんと『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』『ホビット 思いがけない冒険』を抑え、初登場第1位の大ヒットを記録、さらにイタリアのアカデミー賞にあたるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で、作品賞、監督賞、音楽賞を始めとする、6部門に輝いたのだ。イタリアから始まり、ヨーロッパ全土へと広がった熱狂が、ついに日本にやってくる。

物語の始まりは、ある鑑定依頼。引き受けたのは、天才的鑑定眼をもち、世界中の美術品を仕切る一流オークショニア、ヴァージル・オールドマン。それは、資産家の両親が亡くなり、屋敷に遺された絵画や家具を査定してほしいという若い女性からの、ごくありふれた依頼のはずだった。ところが─依頼人は嘘の口実を重ねて決して姿を現さない。ヴァージルは不審を抱きながらも、断ることが出来ない。なぜならその屋敷の床に、もしそれが本物なら歴史的発見となる、ある美術品の“一部”が転がっていたのだ。ヴァージルは密かに持ち帰った“一部”を調べると共に、依頼人の身辺を探るのだが、屋敷を訪れるたびに新たな謎と立ち向かうことになる。果たして奇妙な鑑定依頼の本当の目的とは─?

ヴァージルを演じるのは、『シャイン』でアカデミー賞に輝き、『英国王のスピーチ』でも同賞にノミネートされたジェフリー・ラッシュ。美術品の真贋を瞬時に察知する才能と、鮮やかなオークショニアリングの手腕によって、美術業界ではカリスマ的存在でありながら、私生活では人間嫌いで、芸術品しか愛することが出来ない。そんな心のない男が一転、謎の依頼人に翻弄され惹かれていく姿を、哀愁を込めて見事に演じ切った。 屋敷の隠し部屋から出ようとしない、秘密を抱えた依頼人には、ヨーロッパの映画やTVシリーズで人気を誇るシルヴィア・ホークス。透き通るような白い肌と神秘的な眼差しが、ミステリーに官能を添える。その他、どんなものでも復元できる特殊技能を持つが、女性にはだらしのない男に、『クラウド アトラス』で注目されたジム・スタージェス。ヴァージルとパートナーを組んで、オークションに罠を仕掛ける画家に、『ハンガー・ゲーム』のベテラン俳優ドナルド・サザーランド。国際色豊かな演技派たちが、何層にも重なる謎に、真実味を与える演技を披露する。スタッフには、撮影、美術、衣装、編集とトルナトーレが信頼をおく顔ぶれが集まり、ため息の出るような骨董品や名画の数々を存分に見せてくれる。鮮やかに騙されて楽しいのが、極上のミステリー。だが、この物語には、まだその先がある。美しくも切ない人生のミステリーが─。

かびに覆われた板きれが数世紀前の名画だと瞬時に気付き、僅かな筆の跡から贋作を見抜く、ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)。その本職はオークショニアにして鑑定士、神の眼のごとき鑑定眼と豊かな知識、そして天性の鋭い勘で、世界中の一流オークションからのオファーが絶えない男だ。 だが、芸術への熱烈な愛に比べて、ヴァージルは“人間”が苦手だった。早くに親を亡くし、結婚もせず、友人もいない。携帯電話は持たないし、食事も一人。さらに度を超す綺麗好きでも、人を遠ざけていた。高級ホテルのような住居は埃一つなく、行きつけのレストランには名前入りの専用食器が置かれ、トレードマークの手袋は食事中ですら外さない。
そんな彼の最上の楽しみは、自宅の隠し部屋の壁一面に飾った、女性の肖像画を愛でること。自分が仕切るオークションで、長年のパートナーであるビリー(ドナルド・サザーランド)が名画を格安で落札できるよう仕向けていた。

ヴァージルのもとに、クレア・イベットソン(シルヴィア・ホークス)と名乗る女から、鑑定依頼の電話がくる。1年前に亡くなった両親が遺した家具や絵画を見てほしいというのだ。ヴァージルは屋敷を訪ねるが、約束の時間になっても、門は閉ざされたまま人の気配もない。やむなく戻ったヴァージルは、クレアからの電話に「無礼な行為だ!」と怒る。彼女の説明は、「交通事故で入院した」という信じ難いものだった。それでも謝罪を受け入れて再訪すると、使用人が現れる。今度は夜中に熱が出たという子どものような言い訳だ。兄弟も親戚もない天涯孤独、独身で恋人もいないはずだと使用人は説明する。広大な屋敷はかつての壮麗さを残しながらも廃墟同然。地下に降りたヴァージルは、床に転がった何かの部品に心を引かれ、密かに持ち帰る。修理店を営むロバート(ジム・スタージェス)に、部品を調べてくれるよう頼むヴァージル。以前フランスの小説家ジュール・ヴェルヌの“妻の髪を乾かしたドライヤー”を部品から再現してくれた、恐ろしく手先の器用な男だ。

契約書に署名が必要なのに、クレアは現れない。ヴァージルは使用人に金を握らせて、クレアについて聞きだす。年は27歳、11年間の勤務中に一度も会ったことがないと言う使用人は、「とても奇妙な病気」だと秘密を漏らす。好奇心にかられ、さらには部品が欲しいあまり、クレアに譲歩するヴァージル。だが、今度は逆に「もう手を引いてください」と電話口で冷たく拒絶されてしまう。一方、ロバートが磨き上げた部品からは“ヴァーカンソン”という刻印が現れる。それは、18世紀の機械人形の製作者の名前で、本物なら莫大な価値がある。数日後、再びクレアから屋敷へ来てくれと頼まれる。隠し部屋で暮らしている彼女は、ヴァージルとの扉ごしの対面を決意、震える声で「15歳から外へ出ていないの」と告白する。それは、他人がいる場所にいられない“広場恐怖症”と呼ばれる病だった。

自分も他人とうまく付き合えないヴァージルはクレアに同情し、扉を挟んでやり取りをすることに同意する。ヴァージルは鍵を預かり自由に出入りすることを許され、彼女だけのために携帯電話も持ち、ペンネームで物書きをしているなど、少しずつクレアの情報を集めるに従って彼女に心を惹かれていく。機械人形の部品を一つ手に入れる度にロバートに渡していたヴァージルは、恋愛経験が豊富な彼に、クレアのことを相談する。アドバイスに従って、帰ったふりをして彫像の陰に隠れたヴァージルは、“デューラーのエッチングのように蒼白な顔”のクレアを見て、恋に落ちるのだった。

2度目の盗み見の時、物音を立てて気付かれてしまうヴァージル。パニックに陥った彼女にすべてを打ち明け、ついに対面を果たす二人。ヴァージルは、初めての恋に、すべてを捧げる決意だった。そんなヴァージルに心を開き始めるクレア。だが、ヴァージルが外へ連れ出そうとすると、クレアは拒絶反応を起こす。それなのに、決して外へ出られないはずのクレアが、ある日忽然と姿を消してしまう。 機械人形は本物なのか? 鑑定依頼の本当の目的は? そしてクレアの過去に隠された秘密とは? 謎はまだ、入口に過ぎなかった─。

1951年、オーストラリア生まれ。クイーンズランド大学で英文学を専攻した後、パリの演劇学校で学ぶ。その後、オーストラリアに戻って、舞台で活躍する。1995年、実在のピアニストを演じた『シャイン』で、アカデミー賞主演男優賞を始め、数々の賞に輝く。さらに『恋におちたシェイクスピア』(98)、『クイルズ』(00)、日本でも大ヒットを記録した『英国王のスピーチ』(10)で、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞にノミネートされる。近年では、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ(03/06/07/11)の怪演でも知られる。様々なジャンルで、主役も脇役も自在に演じられる、映画界に欠かせない名優である。 他の主な映画出演作は、『レ・ミゼラブル』(98)、『エリザベス』(98)、『テイラー・オブ・パナマ』(01)、『フリーダ』(02)、『ファインディング・ニモ』(03/声の出演)、『ディボース・ショウ』(03)、『ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方』(04)、『ミュンヘン』(05)、『キャンディ』(06)、『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(07)、『ガフールの伝説』(10/声の出演)、『決闘の大地で』(10)など。最新作は、『The Book Thief』。

1978年、イギリス生まれ。ジュリー・テイモア監督の『アクロス・ザ・ユニバース』(07)で主演して注目され、ケイト・ボスワース、ケヴィン・スペイシー共演の『ラスベガスをぶっつぶせ』(08)の主演にも抜擢される。その後、ナタリー・ポートマン共演の『ブーリン家の姉妹』(08)に出演し、2009年にはエンパイア映画賞の最優秀新人賞部門にノミネートされる。続いて、コリン・ファレル、エド・ハリス共演、ピーター・ウィアー監督の『ウェイバック -脱出6500km-』(10)、声の出演を果たしたザック・スナイダー監督の『ガフールの伝説』(10)、アン・ハサウェイ共演の『ワン・デイ 23年のラブストーリー』(11)、ラナとアンディのウォシャウスキー姉弟、トム・ティクヴァ共同監督の超大作『クラウド アトラス』(12)、キルステン・ダンスト共演の『アップサイドダウン 重力の恋人』(12)などに出演する。最新作は、クロエ・セヴィニー共演の『Electric Slide』、ケイト・ベッキンセール共演の『Eliza Graves』。

1983年、オランダ生まれ。14歳でスカウトされ、モデルとしてキャリアをスタート、数年間ヨーロッパ各地で活動する。高校卒業後、マーストリヒト・シアター・アカデミーで演技を学び、『Duska』(07)でオランダ映画祭最優秀助演女優賞を獲得、たちまち注目される。主演を果たした『De storm』(09)が国内で大ヒットを記録し、数々の賞に輝く。その後も、オランダの舞台やTVシリーズ、映画に出演しているが、本作のヨーロッパでの大ヒットで、今後の国際的な活躍が期待される。

1935年、カナダ生まれ。14歳で、カナダの最年少DJとして活躍、人気を得る。トロント大学でエンジニアを目指していたが、演劇に興味を持ち舞台に立つ。1963年、『生きた屍の城』で映画デビュー、大ヒット作『M★A★S★H マッシュ』(70)で人気を獲得する。以来強烈な存在感を放つ名優、時には怪優として、人格者から恐ろしい悪役まで、幅広いキャラクターを演じ続けている。近年では『ハンガー・ゲーム』シリーズ(12/13)でも知られ、最新作の『The Hunger Games: Catching Fire』にも出演する。近年の主な作品は、『スペース カウボーイ』(00)、『コールド マウンテン』(03)、『ロード・オブ・ウォー』(05)、『プライドと偏見』(05)、『再会の街で』(07)など。

1956年、イタリア、シチリア州生まれ。1976年、短編ドキュメンタリー映画『荷馬車』で監督デビューし、続く『シチリアの少数民族』(82)で、サレルノ映画祭最優秀ドキュメンタリー賞を受賞して注目される。『“教授”と呼ばれた男』(86)で初の長編劇映画を監督、イタリア・ゴールデングローブ賞新人監督賞を受賞する。さらに脚本、監督を手掛けた『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)が、カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ、アカデミー賞最優秀外国語映画賞を始め、数々の栄誉ある賞に輝き、全世界で大ヒットを記録、一躍イタリアの新鋭としてその名を知られる。1995年、『明日を夢見て』でヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされ、世界的な名匠としての地位を不動のものとする。1998年、その業績を称えられ、イタリア政府から勲章コメンダトーレを授勲する。 その他の主な作品は、カンヌ国際映画祭パルム・ドールにノミネートされた『みんな元気』(90)、オムニバス映画『夜ごとの夢/イタリア幻想譚』の中の『青い犬』(91)、カンヌ国際映画祭パルム・ドールにノミネートされた『記憶の扉』(94)、『海の上のピアニスト』(99)、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞にノミネートされた『マレーナ』(00)、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で12部門にノミネートされた『題名のない子守唄』(06)、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞にノミネートされた『シチリア!シチリア!』(09)など。本作でもダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞監督賞に輝いている。

1928年、イタリア、ローマ生まれ。映画音楽界の巨匠。聖チェチーリア音楽院で作曲を学び、編曲家としてアーティストのキャリアをスタートする。1964年に担当したセルジオ・レオーネ監督の『荒野の用心棒』(65)が大ヒットを記録し、本格的に映画音楽家として活躍し始める。その後、ハリウッドに進出し、テレンス・マリック監督の『天国の日々』(78)、『ミッション』(86)、ブライアン・デ・パルマ監督の『アンタッチャブル』(87)で、アカデミー賞にノミネートされる。1989年、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の『ニュー・シネマ・パラダイス』の音楽で絶賛され、叙情的な旋律と共に世界中にその名を知られる。それ以来、トルナトーレ監督とのコラボレーションが続き、全作品を手掛けている。その後、『バグジー』(91)、『マレーナ』(00)でもアカデミー賞にノミネートされる。2003年には、日本でNHK大河ドラマ「武蔵MUSASHI」の音楽を手掛ける。その他にも、様々なジャンルの数多くの作品に音楽を書き、映画への貢献を称えられ、2006年にはアカデミー賞名誉賞に輝く。本作でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞音楽賞に輝いている。

品番:BBXF-2070
発売日:2014/08/02
価格:4,800円(税抜)
画面:16:9[1080p High Definition]スコープサイズ
字幕:1.日本語字幕 2.日本語字幕(手書き風フォント) 3.吹替用字幕
音声:
1.英語ドルビーTrueHD5.1chサラウンド(Advanced 96k Upsampling)
2.日本語吹替ドルビーTrueHD2.0chステレオ
公開日:2013年12月公開
製作国:イタリア
製作年:2013

【特典】
■ジュゼッペ・トルナトーレ監督来日インタビュー
■Behind the scenes (原題)
■予告編集(オリジナル予告編/日本版予告編)
■キャスト・スタッフ プロフィール(静止画)
■プロダクションノート(静止画)

商品詳細

品番:BBBF-2510
発売日:2014/08/02
価格:3,900円(税抜)
画面:16:9LBスコープサイズ
字幕:1.日本語字幕 2.吹替用字幕
音声:
1.英語ドルビーデジタル5.1chサラウンド
2.日本語吹替ドルビーデジタル2.0chステレオ
公開日:2013年12月公開
製作国:イタリア
製作年:2013

【特典】
■ジュゼッペ・トルナトーレ監督来日インタビュー
■Behind the scenes (原題)
■予告編集(オリジナル予告編/日本版予告編)
■キャスト・スタッフ プロフィール(静止画)
■プロダクションノート(静止画)

商品詳細