クリスマス・シーズンの北京。生真面目なベテラン刑事ジョン・ウェン（ジャッキー・チェン）が、大勢の若者で賑わう歓楽街にやってきた。もう半年も会っていないひとり娘ミャオ（ジン・ティエン）から「大事な話がある」と呼び出されたのだ。待ち合わせ場所に指定されたのは、コンクリートやパイプが剥き出しの斬新な内装が施されたナイトクラブ“ウー・バー”。２階の個室で対面した娘から、このクラブの経営者ではるか年上の男性ウー・ジアン（リウ・イエ）を恋人だと紹介されたジョンは困惑を隠せない。一方、ミャオは警察の職務に没頭するあまり家庭を顧みず、かつて母親の死に際にも間に合わなかったジョンを憎んでいた。そんなとき１階で揉め事が発生し、仲裁に入ったジョンは突然何者かに背後から殴られて昏倒してしまう。これがジョンにとって、はてしない悪夢のような一夜の始まりだった。
椅子に拘束されたまま意識を取り戻したジョンは、すぐさま異常な事態を察知する。３人の屈強な用心棒を従えて外部との出入り口をシャットダウンしたウーが、ジョンと十人余りの客をクラブ内に閉じ込めてしまったのだ。ジョンの経歴を熟知しているウーは、どうやらミャオをエサにして彼をこの場におびき寄せたらしい。しかもウーは自ら警察に通報し、ウェイ・シャオフー（ジョウ・シャオオウ）という囚人を連れてくるように要求。一度は自力で拘束を解いて事態打開を試みるジョンだったが、ウーにミャオを人質に取られ、再び囚われの身になってしまう。
なぜウーは、このような用意周到かつ重大な犯罪を引き起こしたのか。他の人質を観察するうちに、ジョンは５年前に起こったある若い女性の死亡事件を思い出す。人質である薬局の店長、不動産会社社長、クラブのママ、そして囚人のウェイは、いずれも事件の現場となった薬局に居合わせていたのだ。何としても娘と人質を救いたいジョンは、ウーの挑発を受けて用心棒のひとりとの命懸けの格闘マッチに身を投じることを決意。元ムエタイ戦士である用心棒のパワーに圧倒されながらも、薄氷の勝利を収めたジョンは人質３人の解放に成功する。そんなジョンのひたむきな姿に胸を打たれたミャオは、涙ながらに父親への信頼を取り戻すのだった。
このときすでに警察のＳＷＡＴが包囲網を敷いていたが、鋼鉄のドアと分厚いコンクリートに覆われたクラブは難攻不落の要塞と化していた。囚人ウェイを引き取るためにいったん外に出されたジョンは、ついにウーの真意を突き止める。ウーは５年前に薬局で死亡した女性シャオウェイ（グーリー・ナーザー）の兄であり、謎のベールに覆われた事件の真相を解き明かし、最愛の妹を死に至らしめた張本人への復讐を遂行しようとしているのだ。ジョンがウェイを伴ってクラブに戻ると、店内に残された店長、社長、クラブのママの首には時限爆弾が装着され、ミャオは檻の中に監禁されていた。すべてはウーの目論見通りだった。
いよいよウーによる“裁判”が始まった。最初の証人として名乗り出たウェイは、５年前の事件当日、薬局で盗みを働いたことで店長や社長と口論になり、成り行きでシャオウェイの首にナイフを突きつけるはめになったことを告白。その場に駆けつけてウェイの説得にあたったのは、偶然近くをパトロールしていたジョンだった。さらにウェイやクラブのママの口から意外な証言が飛び出し、事件の真相は二転三転していく。
はたしてシャオウェイの本当の死因は何なのか。怒りに燃えるウーの銃口は誰に向けられるのか。時限爆弾のカウントダウンが容赦なく刻まれ、ＳＷＡＴの強行突入が迫る極限状況のもと、ジョンは刑事として、父親としての重大な決断を迫られるのだった……。
日本を含むアジアでの絶大な名声は言うまでもなく、『ラッシュアワー』シリーズや『ベスト・キッド』などでハリウッドでも画期的な成功を収め、地球全土で最も愛されるスーパースターと称しても過言ではないジャッキー・チェン。自らの限界に挑むアクロバティックな超絶アクションの数々と、いかなる絶体絶命の苦境に陥ってもユーモアを失わない親近感あふれる個性は、世代を超えてあらゆる映画ファンを魅了し続けている。
監督、製作、脚本、主演を兼任した前作『ライジング・ドラゴン』は、ジャッキー自身が「最後のアクション大作」と公言したことが話題を呼んだが、今年４月７日に誕生６０周年を迎える彼の映画作りへのパッションはいささかも衰えていない。今回、ジャッキーが完成させたのは、超人気シリーズ『ポリス・ストーリー』の最新作。１９８５年の『ポリス・ストーリー／香港国際警察』から始まったこのシリーズは目覚ましい大ヒットを飛ばすとともに、現代劇におけるジャッキー・アクションの真髄を確立させ、彼の輝かしいフィルモグラフィにおいてひときわ眩い光を放っている。２００４年の『香港国際警察／NEW POLICE STORY』以来、実に１０年ぶりとなる『ポリス・ストーリー／レジェンド』は、まさに世界中のファンが待ちわびた一作であり、ジャッキーが格別の思いを注いできた“刑事人生”の集大成と呼ぶにふさわしい入魂作なのだ。
クリスマス・シーズンの北京を舞台にした物語は、実直なベテラン刑事ジョンと反抗的な娘ミャオの再会シーンから始まる。ところが、ふたりが待ち合わせしたナイトクラブの経営者ウーが、突如としてジョン親子を含む十数人の客を建物内に閉じ込めてしまう。この前代未聞の大量人質籠城事件の裏には、ウーが綿密に仕組んだ恐るべき復讐計画が隠されていた。かくして要塞のごとく堅牢無比のクラブは巨大な密室へと変貌を遂げ、建物を包囲した公安警察もまったく手を出せない。自らの命に代えても愛する娘と人質たちの命を守りたいジョンは、次々と想像を絶する試練に見舞われていくのだった……。
主人公ジョンが涙目の痛切な表情で銃口を自分のこめかみにあてるオープニング・シーンからしてショッキングな本作は、ジャッキーが初めて中国本土の人情派刑事を演じ、なおかつ娘を守り抜く父親という珍しいキャラクターに扮した異例ずくめの作品だ。過酷な職務に忠実であろうとするあまり、家庭を犠牲にしてきた過去を引きずるジョンの人物像を掘り下げ、父子の絆や命の尊さを伝えるエモーショナルな熱演を披露。さらにビルの屋上からのダイブなどのお約束の見せ場に加え、ハードなアルティメット・ファイトのデスマッチ・シーンにチャレンジするなど、獅子奮迅の大活躍で映画を躍動させていく。
また、冷酷非情な知能犯が仕掛ける人質事件をタテ軸にした一夜のドラマも意外性十分。５年前の謎めいた死亡事件のミステリーを絡め、主人公、犯人、人質たちの因縁が明らかになっていくスリリングなストーリー展開からまったく目が離せない。密室という極限のシチュエーションを生かしながらゲーム感覚のサスペンスをも追求した新機軸が、シリーズの伝統たる視覚効果に頼らない本物感とがっちり融合し、このうえなくテンションの高いエンターテインメント快作に仕上がった。
そして中国におけるジャッキー主演作の初日興収最高記録を樹立した本作は、オープニングで描かれた“銃口を自らに向ける主人公”の姿をクライマックスで再び映し出し、その壮絶な運命を見すえていく。この「ジャッキー、死す!?」の不吉なイメージには、まさしく３０年越しのシリーズの総決算というべき緊迫感がみなぎり、観る者を圧倒してやまない。はたしてジャッキーは波瀾万丈の“刑事人生”に、いかなる決着をつけるつもりなのか。『ポリス・ストーリー』が真の“レジェンド”となるその決定的瞬間を、しかと目に焼きつけておきたい。
１９５４年４月７日生まれ。香港出身。７歳から１０年間にわたり、中国戯劇学院で京劇のほか、歌やアクロバット、武術の訓練を受ける。学院閉鎖を機に、スタント俳優として映画界に入り、多くのアクション映画に携わる。７６年には“第二のブルース・リー”として、『レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳』に主演した後、『スネーキーモンキー 蛇拳』『ドランクモンキー 酔拳』など、彼のキャラクターを生かしたカンフーコメディでブレイクを果たす。その後も、『プロジェクトA』『ポリス・ストーリー／香港国際警察』などすべて自身でこなす無謀なスタントが話題となり、アジアにおけるスーパースターの地位を確立した。９５年の『レッド・ブロンクス』は全米No.1ヒットとなり、ハリウッドに進出し、『ラッシュアワー』『シャンハイ・ヌーン』などのシリーズを制作。１１年に“最後のアクション大作”と称した『ライジング・ドラゴン』に続く本作では、『ラスト・ソルジャー』を成功させたディン・シェン監督と再コラボを果たした。また、０８年に北京オリンピックで親善大使に任命されるほか、近年はチャリティー事業にも精力を注いでいる。
１９７８年３月２３日生まれ。中国・吉林省出身。中央戯劇学院に入学し、同級生のチャン・ツィイーらと学ぶなか、９９年『山の郵便配達』の主演に抜擢。中国金鶏奨の最優秀助演賞にノミネートされた後も、フー・ジュンと同性愛者を演じた『藍宇～情熱の嵐～』がカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されるほか、台湾金馬奨最優秀主演男優賞を受賞。その後も、『小さな中国のお針子』(０２)のほか、仲村トオルと共演した『パープル・バタフライ』(０３)、チェン・カイコー監督作『PROMISE プロミス』(０５)、チャン・イーモウ監督作『王妃の紋章』(０６)、ハリウッド映画『セルラー』をリメイクした『コネクテッド』（０８）など、実力派俳優として数多くの作品に出演。また、ハリウッド映画『アフター・ザ・レイン』(07・未)ではメリル・ストリープ、エイダン・クインらと共演している。本作は『アンダードッグ』(０８・未）、その続編『硬漢２／奉陪到底』（未）に続く、ディン・シェン監督作への出演となる。
１９８９年７月２１日生まれ。中国・西安出身。幼少の頃から舞踊を嗜み、その後、北京舞蹈学院付属中学校で中国民族舞踊を習得。その後、２００６年には時代劇ホラー『狂蟒惊魂』（未）で主演を務め、リュー・チャーフィと共演。同時期に北京電影大学に入学し、歌手としてデビューを果たすほか、舞台版『ラスト、コーション』でヒロインを演じるなど、活躍の場を広げる。１０年、ピーター・ホーの相手役を務めたラブ・コメディ『アイとエマ～My Belle Boss～』でブレイクし、時代劇大作『戦国』（未）ではスン・ホンレイ、中井貴一と共演。その後も『７日間の恋人』ではクォン・サンウと、『特殊身份』（未）ではドニー・イェンと共演。１４年にはチョウ・ユンファ＆ニコラス・ツェー主演『賭城風雲』（未）のヒロインに抜擢されるなど、次世代の美人女優として注目を浴びている。ちなみに、ジャッキーとは11年にジャッキーが歌った「相信自己」のミュージックビデオで共演している。
１９９２年５月２日生まれ。中国・新疆ウイグル自治区出身。１６歳からモデル活動を始め、雑誌やＣＭなどで活躍する。北京電影学院在学中の１１年、フー・ゴー主演のＴＶ時代劇「軒轅劍之天之痕（未）」の主要キャストに抜擢され、女優デビュー。本作が映画デビュー作であり、今後も『ハーバー・クライシス〈湾岸危機〉Black & White Episode1』の続編『痞子英雄２：黎明升起』（１４・未）など、話題作に出演。印象的な名前は、ウイグル語で花のような美貌という意である。
１９６９年８月２２日生まれ。中国・北京出身。５人組ロックバンド、零点（ゼロポイント）のヴォーカルとして、数多くのヒット曲をリリースするほか、音楽賞を受賞。０３年には、キャパ６万人の北京工人体育場でのソロコンサートを成功させ、まさに国民的アーティストとなる。０８年の脱退後、本格的に俳優活動を開始。現在、個性派俳優として多くのＴＶドラマや映画に出演し、高い評価を受けている。
１９８０年１２月１日生まれ。中国・山東省出身。中国の格闘技、散打チャンピオン。００年にその称号を手にし、２００６年に引退したが、０９年シュートボクシングの伊賀弘治の挑戦を受け、現役復帰。判定で勝利を飾る。２０１０年以降、ドラマ「イップ・マン」のほか、ＴＶや映画など、俳優としても活躍。１１年にはディン・シェン監督の『硬漢２／奉陪到底（未）』にも出演している。
１９５８年８月３０日生まれ。中国・北京出身。幼少時から京劇俳優の父から京劇を学び、１０歳で北京風雷京劇団に入団。８４年の映画デビュー作『少林寺・激怒の大地』への出演をきっかけに、香港映画界入りし、８７年『天山回廊 ザ・シルクロード』で主演を務める。その後、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝／アイアンモンキー 』『ドニー・イェン／COOL』などでドニー・イェンと共演。また、クワン警部を演じた『香港国際警察／NEW POLICE STORY』やマスター・リーを演じた『ベスト・キッド』のほか、『THE MYTH／神話』『ラスト・ソルジャー』など、近年のジャッキー映画にも多く出演している。
１９７０年生まれ。中国・山東省出身。アート・デザインで学び、さらに北京電影学院で学ぶ。卒業後、２００１年にコメディ『大惊小怪』（未）で監督デビューを果たすが、演出コースを学ぶため、ふたたび北京電影学院に戻る。卒業後はＣＭディレクターとして、６年間で３００本以上のＣＭを監督した。そして、リウ・イエが脳に障害を持った退役軍人を熱演した異色アクション『アンダードッグ』（０８・未）を監督。その才能がジャッキー・チェンの目に止まり、ジャッキー構想２０年来の企画だった『ラスト・ソルジャー』（１０）で異例の抜擢となる。また、１１年には『アンダードッグ』の続編『硬漢２／奉陪到底』（未）を監督している。
品番：BIXF-0146
発売日：2014/12/02
価格：4,800円(税抜)
画面：16:9シネスコ[1080p Hi-Def]
字幕：1.日本語字幕 2.日本語吹替用字幕
音声：1.オリジナル北京語ドルビーTrueHD5.1chサラウンド 2.日本語ドルビーTrueHD5.1chサラウンド
公開日：2014年06月公開
製作国：中国
製作年：2013
【初回プレス分限定特典】
●特製ブックレット(16p)
【映像特典】※約53分
●ジャッキー・チェン 上海独占インタビュー ※約5分
●ジャッキー・チェン フィルム・ギャラリーツアー ※約9分
●ジャッキー・チェン 上海ファンバースデーイベント模様 ※約4分
●撮影風景 ※約5分
●キャスト/監督インタビュー集(ジャッキー・チェン、ジン・ティエン、リウ・イエ、ディン・シェン監督) ※約21分
●キックオフイベント模様 ※約5分
●予告編+TVスポット集(日本版予告+TVスポット2種、オリジナル版) ※計4分
※特典尺数は変更の可能性あり
品番：BIBF-2699
発売日：2014/12/02
価格：3,900円(税抜)
画面：16:9LBシネスコ
字幕：1.日本語字幕 2.日本語吹替用字幕
音声：1.オリジナル北京語ドルビーデジタル5.1chサラウンド 2.日本語ドルビーデジタル5.1chサラウンド
公開日：2014年06月公開
製作国：中国
製作年：2013
【初回プレス分限定特典】
●特製ブックレット(16p)
【映像特典】※約53分
●ジャッキー・チェン 上海独占インタビュー ※約5分
●ジャッキー・チェン フィルム・ギャラリーツアー ※約9分
●ジャッキー・チェン 上海ファンバースデーイベント模様 ※約4分
●撮影風景 ※約5分
●キャスト/監督インタビュー集(ジャッキー・チェン、ジン・ティエン、リウ・イエ、ディン・シェン監督) ※約21分
●キックオフイベント模様 ※約5分
●予告編+TVスポット集(日本版予告+TVスポット2種、オリジナル版) ※計4分
※特典尺数は変更の可能性あり