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14歳のマイクはクラスのはみだし者。同級生からは変人扱い、しかも母親はアル中で、父親は浮気中。そんなある日、チックというちょっと風変わりな転校生がやって来る。夏休み、2人は無断で借用したオンボロ車“ラーダ・ニーヴァ”に乗って南へと走り出す。窮屈な生活から飛び出して、全く違う景色を目にしていく2人。しかし旅は順風満帆にはいくはずもなく、警官に追われたりガス欠になったりトラブル続き。そんな危険な目に遭いながらも、出会う人びとと心を通わせ、自分たちの居場所を見つけていく。やがて無鉄砲で考えなしの旅は、マイクとチックにとって一生忘れることのできないものになっていく。でも旅の終わりは突然やってきて…まだ見ぬ未来に向けて、マイクはある約束を交わす。
不器用で、まっすぐで、どこまでも走り続けられると思っていたあの頃。明日のことは分からない。ましてや、50年後なんて到底想像もつかない…。そんな14歳の等身大な感情をリアルに映し出し、永遠には続かない儚さが込められた、まぶしくてノスタルジックな一作が誕生した。誰もが持っている、年月が過ぎても決して古びることのない、特別で大切な思い出。すべての大人たちが、あの14歳のかけがえのない日々を思い返すに違いない。

原作は、ドイツ国内で220万部以上を売り上げ、26カ国で翻訳される大ベストセラー小説「14歳、ぼくらの疾走」。ドイツ児童文学賞ほか幾多の賞を総なめにし、舞台版は12/13年シーズンの最多上演作品になる驚異的大ヒットを飛ばした。そんな世界中に愛される小説を実写映画化したのは、世界三大映画祭を制覇し、第70回カンヌ国際映画祭でダイアン・クルーガーに主演女優賞をもたらせた最新作「In the Fade」で注目を集める、名匠ファティ・アキン。原作に惚れ込み、監督自ら映画化を熱望して完成させた。見事原作の世界に新たな光を与えたアキンの演出は「全ての小説が『50年後のボクたちは』のように映画化されるべきだ」と絶賛された。主演を務めるのは、ドイツの新進気鋭の注目俳優トリスタン・ゲーベルと、オーディションで才能を見い出され、見事スクリーンデビューを果たしたアナンド・バトビレグ・チョローンバータル。息の合った2人の演技が、思春期の少年の成長譚を爽やかに映し出す。

まっすぐにつづく道路、雲一つない青空、カーラジオから聞こえる音楽、旅先でもてなされる料理、信頼できる最高の仲間…スクリーンに映し出される出来事の数々は、観ているこちらも旅している気分にさせてくれる。 壁にぶつかりながらも多くの出会いと別れを経験していく日々は、まさに「人生」そのもの。主人公たちと一緒に旅をすれば気がつくはずーちっぽけな価値観を飛び越えてみれば、その先にきっと新しい世界が待っていることを。この映画は、誰もがかつて抱いていた冒険心を思い起こさせ、決められた日常を生きる大人たちの背中をそっと押してくれる。

クラスメイトのタチアナに片思い中だが、臆病者で話しかけることができない。クラスでははみだし者で、授業でアル中の母親についての作文を読むと、同級生から「変人!」と笑われ、先生から大目玉を食らう始末。でもそんなのお構いなしに、マイクの頭の中はタチアナの誕生日のことで一杯だ。3週間後の誕生日パーティーに向けてこっそり似顔絵を描いている。

担任が転校生を連れてやってきた。
チチャチョフという聞き慣れない名前。
「どこの出身か自己紹介を」
「面倒くせえ」
どうやらロシアのかなり遠い所から移住してきたらしい。目つきが悪く、変な髪型で二日酔い。とんでもない奴がやって来たと、転校生・チックの噂はすぐさま学校中に広まった。隣の席のマイクも、目を合わせようとしない。

タチアナの誕生日パーティーの招待状は、結局マイクとチックにだけ届かなかった。
悔しいけど似顔絵を破り捨てることもできず、マイクはひとり部屋で泣いていた。

マイクは店で酔いつぶれた母親を迎えにいく。
「明日“スパ”(※断酒の専門病院)へ行くわ」
自転車を漕ぐマイクの背中で、力なく母親がつぶやく。

母親は病院へと発ち、浮気中の父親は200ユーロを置いて、愛人のモナと2週間の出張旅行に出かけて行った。

突然、チックが青いオンボロのディーゼル車“ラーダ・ニーヴァ”に乗って家にやってきた。
「盗難車か?」
「借りただけさ あとで返す」
「捕まるぞ」
「俺は14歳だ 刑罰は15歳からさ」
恐る恐る、車内を見渡すマイク。
「ドライブに行こうぜ」

嫌がるマイクをよそに、ズケズケとマイクの家に上がり込むチック。
今夜は、2人が誘われなかったタチアナの誕生日パーティー。渡せず終いの似顔絵を見せると、チックはマイクを連れてパーティー会場へと向かう。

ネオンが光る道路を堂々と走る青いオンボロ車。
「大丈夫 運転は世界一だ」
余裕の表情を浮かべるチックの横で、不安げなマイク。
会場に着くと、人混みの先にタチアナの姿があった。
チックに背中を押され、マイクは意を決してプレゼントを渡す。中身を見て驚くタチアナ。
清々しい顔で会場を出る2人。

2人はオンボロ車で旅に出ることを決めた。目指すは、チックの祖父が住んでいる“ワラキア”(※ドイツ語で未開の地を指す)。

広大な畑の中を青いオンボロ車が走っていく。
マイクがスマホを取り出すと、チックが取り上げて車窓から投げ捨てる。
「地図もスマホもない これじゃ行けないよ」
「ひたすら南へ行けばいい」
しかし、はたして南へ走っているのか分からない…。頼りの道標もなく、あてもなく走り続けると行き止まりにぶつかった。
トウモロコシ畑に車ごと突っ込むチック。道なき道を爆走するオンボロ車。
「チック 名前を書け」
「俺の?」
「グーグル・アースで見られる」
ハンドルをきるチック。青々と茂るトウモロコシ畑に、みるみる字が書かれていく。
「マジすげえ!」

風力発電機の下で、寝袋に入ったマイクとチックは星空を見上げている。
2人は妄想する。宇宙のどこかで、地球人2人組が車を盗む映画がやっている。みんなが空想だと思っているなか、2匹の虫だけが実話だと信じていると。
「2匹は俺らを 俺らは2匹を信じる」

食料調達に向かう2人。道を尋ねた少年についていくと、少年の母親が出迎えてくれた。母親と沢山の子どもたちに囲まれて、ようやく美味しい食事にありつけた。デザートを競って、母親が出題するクイズを次々に子どもたちが答えていく。 別れ際、チックが子どもに尋ねた。
「俺もクイズを 腕時計で北を探す方法は?」
「短針を太陽に向けると12時との中間が南!」
「正解!」

すると、車に乗り込んだチックの横を、警官が通りがかる。マイクを残したまま、慌てて車を発進するチック。警官の自転車を奪い、マイクも逃走をはかる。
明け方、風力発電機の下に戻りチックを待つマイク。
「やっぱりここか!」
日暮れ時、黒く塗り替えられ、ナンバーが差し替えられた車に乗ってチックがやって来る。
燃料不足で、他の車からガソリンを盗むことを思いついた2人は、ゴミ山でホースを探し始める。
ゴミ山横の廃墟から2人を罵しる少女の姿。髪は伸び放題、顔は泥だらけでボロボロの洋服を身に着けている。
少女の名前はイザといい、腹違いの姉がプラハに住んでいるという。

2人は給油所に行ってガソリンを抜き取ろうとするが、うまくいかない。
するとイザが現れて、慣れた手つきでガソリンを盗み出す。

イザに頼まれ、髪を切るマイク。見違えるほど美しい女性がそこにいた。
「したことある?」イザがマイクの膝に手を置く。
戸惑うマイクにイザがキスしようとすると、タイミング悪くチックが買い出しから戻って来る。

高台に上り、広大な景色を見つめる3人。
チックが、ナイフで岩壁に3人の頭文字を彫る。
高台から下りると、プラハ行きのバスが止まっていた。
「30ユーロ貸して 絶対に返すわ」
イザはマイクにキスをして、勢いよくバスに乗り込んだ。

バックミラーに映る、数台のパトカーを撒くチック。
目の前にはいまにも壊れそうな橋。橋を直そうとしたチックが、足を怪我してしまう。
「マイク お前が運転しろ」
しかしマイクには自信がない。
「退屈な奴なんだ」
「俺は退屈してない」
チックは、自分がゲイであることをマイクに打ち明ける。
運転席に座るマイク。ギア操作をチックが教えながら、2人は橋を突破する。

アウトバーンを走るオンボロ車。それを追い越す、大型トラック。
チックにハッパをかけられ、路肩から追い越そうとしたその時、目の前のトラックが横転してしまう。
クラッシュした大型トラックとオンボロ車。トラックの荷台にいた大量の豚が道路に放り出される。
血だらけで座り込むマイクとチック。遠くから聞こえるパトカーのサイレン。
「逃げるよ 施設送りになる」
足を引きずりその場を去るチックに、着ていたスカジャンを渡すマイク。
「また会おう」
暗闇へと消えていくチック。

横たわるマイクに警官が質問を続ける。生年月日を答えるマイク。
「14歳から罪に問える」
驚くマイク。

マイクの弁護人が答弁している。
父親から口止めされていたが、マイクは耐え切れず立ち上がる。
「2人の思いつきです ボクも運転を」
真実を語るマイク。父親がマイクに飛びかかり殴りつける。

父親は荷物をまとめて家から出ていった。
母親は酒瓶を片手に、家具を次々とプールに投げ捨てている。
マイクと母親もプールに飛び込み、息を止めて一緒に泳ぎだす。

学校へ向かうマイクは警官に呼び止められ、パトカーに乗り込む。
チックの居場所を聞かれる。
「一体何が?」
「ラーダが盗まれた おととい盗まれて今朝大破してた」
チックからのメッセージだと受け取り、小さく微笑むマイク。
学校前、パトカーから降りるマイク。クラスメイトがマイクを見つめている。
授業中、マイクの元にタチアナからメモがまわってくる。
“夏休みはどこに?”
ガランとしたチックの席を寂しそうに見つめるマイク。

マイクがイザとチックに語りかける。
「50年後 ここで会おう 2066年7月28日」
「いいわ 会いましょう」
微笑んでイザが答えた。その横で、チックも笑っていた。

2002年8月生まれ。06年に長編映画デビュー。18世紀のドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの自伝的小説を映画化した『ゲーテの恋〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜』(10/フィリップ・シュテルツェル監督)では、実の兄弟3人と共に出演を果たす。その他に「西という希望の地」(13/クリスティアン・シュヴォホー監督)、“Zurich”(15/サチャ・ポラック監督)、“Winnetous Sohn”(15/アンドレ・アルコー監督)、“Helle Nächte”(17/トーマス・アルスラン監督)に出演。また、日本でも翻訳されているアンドレアス・シュタインヘーフェルの児童文学「リーコとオスカー」シリーズの実写化などにも出演している。

1962年1月23日ハンブルグ生まれ。ハーク・ボーム監督に見出され、11歳の時“Ich kann auch ‘ne Arche bauen”(73)で子役デビューを果たし、後にボーム監督の養子となる。ハーク・ボーム監督の“Yasemin”(88)では、バイエルン映画賞で最優秀新人賞を獲得し、“Herzlich Willkommen”(90)ではミュンヘン映画祭最優秀新人賞を受賞する。その他の出演作に、「休暇」(07/トーマス・アルスラン監督)、『ミケランジェロの暗号』(11/ヴォルフガング・ムルンベルガー監督)、TVドラマでは「異常犯罪捜査官」(02)、「ニルスのふしぎな旅」(11)などがある。

2001年ミュンヘン生まれ。オーディションに合格し、本作でスクリーンデビューを果たす。ビッグ・バンドのドラム担当でテコンドーとアニメが大好き。Anand Batbileg

1977年アルテンブルク生まれ。エルンスト・ブッシュ演劇芸術アカデミー出身。“Otto-Katastrophenfilm”(00/エッツァルト・オネッケン監督)で映画デビュー。同年、ベルリンで演劇デビューも果たし、以後映画、演劇、TVと多岐にわたり活躍。その他の出演作に、「休暇」(07/トーマス・アルスラン監督)、“Als wir träumten”(15/アンドレアス・ドレーゼン監督)などがある。

1996年11月4日ベルリン生まれ。6歳で初めてカメラの前に立ってから、以来TVを中心として活躍。ドイツのご長寿ドラマ「Polizeiruf 110」(03)や「Freundinnen fürs Leben」(06)に出演。長編映画では“Groupies bleiben nicht zum Frühstück”(10/マルク・ローテムント監督)、“Jesus Cries”(15/ブリジット・マリア・メイヤー監督)などに出演。今後の待機作に“Smile”(17/ステッフェン・コーン監督)など。俳優以外ではドイツ国内、また国際的なキックボクシング大会で複数回優勝している。

1973年8月25日、トルコからの移民の両親のもと、ハンブルクに生まれる。
俳優を志していたが、トルコ移民役などステレオタイプの役柄ばかりであることに嫌気がさし、ハンブルク造形芸術大学へ進学。95年、監督デビュー作となる短編“Sensin - Du bist es!”を発表し、この映画でハンブルク国際短編映画祭観客賞を受賞。初の長編映画となった“Kurz und schmerzlos”(98)はマスコミ・観客ともに熱狂的に受け入れられ、ロカルノ映画祭の銅豹賞、アドルフ・グリム賞、バイエルン映画賞など全部で9つの賞を獲得した。ユーモアあふれるロードムービー『太陽に恋して』(00)、ドキュメンタリー“Wir Haben Vergessen Zurückzukehren”(00)、“Solino”(02)を発表したのち、偽装結婚から生まれる愛を情熱的に描いた『愛より強く』(04)で、第54回ベルリン国際映画祭金熊賞をはじめ、04年ヨーロッパ映画祭最優秀作品賞など数々の賞に輝き、一躍その名を世界に轟かせた。監督6作目となる『クロッシング・ザ・ブリッジ~サウンド・オブ・イスタンブール~』(05)では、トルコ版『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』とも言うべき音楽ドキュメンタリーに挑み、高い評価を得た。『そして、私たちは愛に帰る』(07)で第60回カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞と全キリスト協会賞を受賞。『ソウル・キッチン』(09)では、第66回ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞し、30代にして、ベルリン、カンヌ、ヴェネチアの三大映画祭で主要賞受賞を果たす。『ソウル・キッチン』はドイツで100万人以上を動員して大ヒットとなったのを皮切りに、ヨーロッパ各国でヒットを飛ばした。ドキュメンタリー『トラブゾン狂騒曲~小さな村の大きなゴミ騒動~』(12)では、祖父母の故郷であるトルコ北東部の小さな村のごみ騒動を題材にした。タハール・ラヒムを主演に迎えた『消えた声が、その名を呼ぶ』(14)は、第71回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、ヤング審査員特別賞を受賞。本作『50年後のボクたちは』では、自身も大ファンだと公言するヴォルフガング・ヘルンドルフの大ベストセラー小説「14歳、ぼくらの疾走」を原作として実写映画化を果たす。待機作として、第70回カンヌ国際映画祭で主演女優賞(ダイアン・クルーガー)を受賞した「In the Fade」(18年公開予定)がある。

品番:BBBF-3261
発売日:2018/04/03
価格:3,900円(税抜)
画面:16:9LB ビスタサイズ
字幕:日本語字幕
音声:ドイツ語 ドルビーデジタル 5.1chサラウンド
公開日:2017年09月公開
製作国:ドイツ
製作年:2016

【特典映像】
・オリジナル予告
・日本版予告
・監督インタビュー(約14分)

商品詳細